弽取扱い説明書PDF - Asahi Archery Inc.

弽の掛け方/取り扱い方
アサヒ弓具工業株式会社編
この度アサヒ弓具の弽をご購入いただきましてありがとうございます。永くお使い
頂く為にご使用前によくお読みください。
弽の選び方
弓を射る時、右手にはめて弦を引く用具
を「かけ」又は、「ゆがけ」と言います。弽
には、拇指を被う帽子が柔らかい柔帽子と
硬い堅帽子とがあります。堅帽子には大別
すると三ッ弽(三本指)、四ッ弽(四本指)、
諸弽(五本指)があります。
初心者の場合、控が柔らかい一重堅か、
三ッ弽がよいでしょう。弽は数十年耐用年
数があります。購買時には高価な様ですが
少し良いものの方が結局のところお徳では
あります。弽は射術上大変大切な物ですから必ずよく手に合ったものをご使用くだ
さい。
弽のかけ方
弽は新しいうちは硬く、使う前に少し揉んで柔らかくする必要があります。手を開い
たり閉じたりして革を柔らかくしましょう。使用していくごとに徐々に手に馴染んで
いきます。 注意:控は柔らかくしないで下さい。
1
2
正座をして、膝の上で、下がけをしっかり手首に巻
く
帽子に親指、中指、人差し指を入れて、控を引っ張り
奥までしっかり入れる
注:台革は絶対引っ張らないで下さい。伸びてしまい
ます。
-1-
3
4
ごうこく
両手の合谷(親指と人差し指の股)を合わせ親指を
帽子の中までしっかり入れる
同じように他の指も股を合わせて押し入れる
5
6
人差し指、中指の指先がねじれていないか、先まで
入っているか確認する。
小紐を締める
6 ポイント
指のヘリは、第三関節の少し上に 来るのがよい 指をすぼめた時に手のひらに付く位がよい
-2-
7
8
控下にスペースが開くように、台革が波打たないよ
うにヘリの上の方を持ち小紐を手首に巻く
しわにならないように小紐を手首にしっかり巻く
8 ポイント
正しい位置
正しくない位置
ようこく
小 紐 を 写 真 の よ う に 陽谷 (手 刀(A)と 尺 骨 頭
(B)の間のくぼみ)を通るように手首に巻く
※手首にしっかりかけると引っ張られても弽はずれ
ない
小紐は手の関節ではなく手の付け根の上に来るのが
よい
8 悪い例
9
小紐を引っ張りすぎると台革が伸びてよれてしまう
弽紐はかるく巻く 小紐でしっかり止まっているの
で弽が外れることはない
-3-
10 弽紐のかけ方
弽紐を手首に巻き、
弽紐の先端を一番上
に入れ込む。少し弽
紐を絞り、先端をも
う一度入れ込み、最
後に輪を整える。
確認ポイント
手に合った弽
C
弽は指をすぼめて使うものなの
で手を広げて見ない。
手全体にフィットするように装
着。
人差し指と親指の股に密着して
いるかどうか。(A)
中指は第三関節より2‐3mm上に
くるのがよい。(B)
※第三関節より下に弽のヘリがあ
ると指を曲げた時に指先が浮く。
親指の先端が帽子の中で少し触
れている位がよい。(C)
小 紐 が 手 の 付 け 根 で
しまっているか。(D)
B
A
D
※フィットしているところを見せるため、下弽は外
しています
悪い例
手のひらを開いて見ない こうすると親指と人差し
指の間にスペースが出来る
新しいうちは捻革が硬いので少し浮くが使い続ける
と馴染んでフィットしてくる
-4-
外し方
弽を外す時は親指を先に抜いてから他の指を抜くと脱ぎやすくなります。
1
2
小紐を緩める
親指をはずす
3
4
中指、人差し指の付け根を押さえる
注:指を引っ張ると革が伸びます
引き抜く
引く時の注意
*
最初は矢を番えず、弦が外れないか確認しながら、徐々に引き尺を伸ばし素引
きをして下さい。
*
親指は伸ばし、中指を親指に被せ人差し指は添えるだけ。決して親指を曲げな
いように。“腰”が折れる原因になります。
良い例
-5-
悪い例
Q&A
Q. 中唐と小唐の違いは何ですか?
A. 中唐は成長した鹿の革を、小唐は小鹿の革を使用しています。小唐は目が細かく
手に馴染み易いです。
Q. 三分ベリと七分ベリの違いは何ですか?
A. 三分ベリは縁が三割縁取られています。七分ベリは縁が七割縁取られています。
七分ベリの方が丈夫です。
Q. 三ツ弽と四ツ弽の違いは何ですか?
A. 三ツ弽と四ツ弽では帽子の向きが違います。四ツ弽は添える指が多い分、強い弓
が引けるメリットがあります。その反面、離れづらくなる傾向があり、熟練した
方むきです。
Q. 革が破れた、あるいは穴が開いたのですが、修理は出来ますか?
A. 親指の先の包み替えは出来ます。他の指は内側の革を新しくすることが出来ま
す。ご相談下さい。
Q. 弽の修理は何日くらいかかりますか?
A. お預かりした日から2週間程度ですが、修理内容によってはさらにお時間を頂く
場合もあります。
Q. 弽を使用するうえでの注意点はありますか?
A. 出来るだけ弽を汗で湿らさないようにして下さい。使用する時は必ず下弽を使用
し、頻繁に取り替えてください。使用後は軽くギリ粉をはらっておき、日陰の風
通しのよいところで乾かしてください。ドライヤーなどで急激に乾かすと革が硬
くなるのでご注意して下さい。また修理は早めにお出し下さい。弽をしまう時
は、変形しないように“弽っ子”を入れておくと良いでしょう。
Q. 弽は何年くらい使えますか?
A. 値段に関わらず、修理を繰り返しながら大切に扱えば数十年使い続けることは可
能です。
Q. 弦道のクスネがはげてきました。どうすればいいでしょうか?
A. アサヒ弓具で購入された弽ですと無料で塗り直しいたします。また他社で購入
された弽でも有料で塗り直しいたしますのでお持ち下さい。
-6-
お手入れ方法
◎クスネを適度に弦道(腹皮)に付けて下さい。付けないままで使用すると
穴が開き使えなくなる事があります。弦道のクスネは塗り直しいたしま
す。早めにお持ち下さい。
◎弽は革製品です。湿気、水濡れを嫌います。使用する時は必ず下弽を使用
し、頻繁に取り替えてください。
◎小紐を締める時は台革を手首に控を浮かせてからしっかり巻いて下さ
い。弽紐は軽く巻いて下さい。
◎控を無理に柔らかくしないで下さい。
◎使用後は付けたギリ粉を軽く払っておくようにしましょう。
◎使用後は日陰の風通しのよいところに吊って風で乾かしてください。火
気にあてて乾かすと革が硬くなるのでお止め下さい。
◎水に濡れた場合は、自然乾燥してください。決して洗濯機で洗わないで下
さい。
◎糸のほつれの修理に接着剤を使用しないで下さい。針が通らなくなりま
す。放置すると大きな故障につながり的中に影響する恐れがあります。早
めに修理にお出し下さい。
◎長く使用すると、どうしても汚れが目につくことがありますがアルコー
ルや石鹸は使わないで下さい。痛めることになります。どうしてもという
場合は、十分に乾燥させて、少し揉むとポロポロと浮いてきますので払い
落として下さい。
◎ギリ粉の油が原因で帽子部分がベタベタしてくることがあります。普段
から必要以上にギリ粉を付けないように心がけてください。付け過ぎた
場合は払い落して下さい。
◎弦が離れにくい場合は弦道が深くなり過ぎている可能性がありますので
お持ち下さい。
* 型崩れ予防、乾燥させるのに桐で出来た「弽っ子」の使用をおすすめします。
*この冊子に掲載した内容の一部、あるいは全てを無断で複写・複製(コピー)することは禁じられています。
〒 170-0005 東京都豊島区南大塚 3-23-3
TEL:03-3986-2301
FAX:03-3986-2302
E-mail: [email protected]
2015.8.1
弽の注文方法
弽のタイプは商品リスト(ITEM NO.)からお選び下さい。右手の手の平のイ
メージを送って下さい。
弽を合わせる為には、実物大の右手のイメージが必要になります。以下の説明
をよくお読みになり送って下さい。
①
②
③
⑤
右手の手のひらを下に向け、指を少し開いて親指、人差し指、中指の
先端が枠に収まるように原稿台ガラスの上に乗せる。
横に定規を置く。(送られてきたイメージを実物大に出力しますの
で、必ず定規を置いて下さい。)
A4サイズ、カラーで出力。データ化する時はPDFかjpeg形式で保存し
て下さい。
E-mailか郵便で送って下さい。
注:ファックスでは送らないで下さい。イメージが真っ暗につぶれて
しまいます。
イメージを拝見して、あなたの手に合ったサイズをお選びします。必要があれ
ば指の長さ、太さを合わせます。
良い例
✓ 親指、人差し指、中指の先
端がしっかり写っている
✓目盛りがしっかり読みとれ
✓輪郭がしっかり判る
✓ 親指と人差し指の間が
少し開いている
悪い例
ケース1
ケース4
ケース3
サイズが小さい
拡大すると画像が粗くなり
定規の目盛が正確に読み取
れなくなります
指を開きすぎている
ケース2
ケース5
① 定規が見えない
② 親指の指先が写っていない
③ 親指と人差し指の間が開いて
いない
④ 手首が写っていない
①
②
手の平が写っていない
親指の先端が写っていない
① カラーではない
② 輪郭が判らない