小野東小学校 研究概要(平成27年度)

小野東小学校 研究概要(平成27年度)
1 研究の全体構造
【学校教育目標】
「自ら学び続ける東
ける東っ子」の育成
―認め合い、支え合い、磨き合い、共に生き合う 仲間づくり―
〈めざす学校像〉
・家庭や地域に開かれ、信頼され
る学校
・子どもたちが安全で健康に生活
でき、活力ある学校
・一人一人が認められ、大切にさ
れる学校
・分かりやすい授業が展開され、
確かな学力が定着できる学校
・美しい環境を整え、心身を磨け
る学校
〈めざす児童像〉
・自分の課題をみつけ、意欲的
に学び続ける児童
・自分に厳しく、ひとに温かい、
友だちを大切にする児童
・心身を鍛え、健康を大切にす
る児童
・人、地域、自然を愛し奉仕す
る児童
〈めざす教師像〉
・一人一人を大切にし、愛情をも
って児童と接していける教師
・児童の悩みを敏感に感じ取り、
行動に移して対応できる教師
・家庭や地域と連携し、良識ある
社会人として信頼される教師
・教育の専門家として、自己研鑽
に励み、資質を磨き続ける教師
・組織の一員として課題を共有し、
協働しながら解決できる教師
【研究主題】
基礎学力を身に付け、
基礎学力を身に付け、豊かに表現できる児童の育成
~対話を通して、互いに認め合う学級を目指して~
(1) 授業研究の充実
・学習規律の確立、誰もが落ち着いて学べる学習環境の充実
・基礎基本の学力(おの検定)を確実に身に付けることができ、分かりやすい授業
・主体的に学ぶ姿勢を身に付け、対話を通して相互に学び合い、高め合う授業
・目標と評価を明確にした、児童につけたい力を着実に身に付けさせる授業
・豊かな表現力を身に付ける取り組み、多様な学習形態の活用
(2) 学級活動の充実
・学級活動の充実を図り、自分たちの力で学級の課題を解決したり、よりよい学級をつ
くろうと話し合ったりする態度を身に付けさせる(アクティブ・ラーニング)
(3) インタビュータイムの実践
・学級の友だちと話を聞き合い、伝え合うことによる、互いを認め合う仲間づくり
・「話す・聞く」力の基礎基本を身に付ける、始業前 10 分間のスキルトレーニング
【研究内容】
2 研究主題
基礎学力を身に付け、
基礎学力を身に付け、豊かに表現できる児童の育成
~対話を通して、互いに認め合う学級を目指して~
3 主題設定の理由
〈児童の実態〉
・全国学力学習状況調査の結果から、基礎基本の定着が不十分である。
・指示されたことは真面目に取り組めるが、主体的に学ぶ姿勢が不十分である。
・明るく素直な児童が多いが、集団に頼り、自己を表現する力が乏しい。
〈教師の実態〉
・若手教員が急増し、授業力、学級経営力などの育成が早急に必要である。
・教師主導の一斉授業から脱却し、児童が主体的、協働的に学ぶ授業づくりを目指す必要性。
〈地域の実態〉
・村落共同体を残す一方、新興住宅地の急増と保護者の価値観の多様化。
・学校教育活動を肯定的に捉える保護者の割合が多く、それに伴う学校教育に対する期待の
増加。
《目指す学級づくり、
《目指す学級づくり、授業
学級づくり、授業づくり
授業づくり》
づくり》
① 基礎学力の定着
基礎学力の定着
② 対
話
豊かな表現力
① 学習環境が整い、学習規律が徹底され、明確な学習目標が設定された、だれもが分かりや
だれもが分かりや
すい授業。
すい授業
② ・互いの思いや考えを認め合い、支え合うことができる温かな人間関係を構築し、一人一
人が磨き合い、共に生き合う学級づくり、授業づくり。
・児童一人一人が、
“自分の思いを伝えたい”という意欲と“
という意欲 “自分の思いや考えを受け入れ
てもらえる、
てもらえる、自分自身が認められている”という安心感をもてる学級づくり、授業づく
自分自身が認められている”という安心感
り。
・自分の思いや考えを、自分なりの言葉で表現し
自分なりの言葉で表現し、
自分なりの言葉で表現し、相手により分かりやすく伝える力を身
相手により分かりやすく伝える力を身
に付けさせる手だての工夫
に付けさせる手だての工夫。
ての工夫。
≪インタビュータイム≫
インタビュータイム≫
・友だちの思いや個性、友だち自身を受け止め、互いに認め合う仲間づくり(学級経営)
・
「話す・聞く力」の基礎基本の力を高めるためのスキルトレーニング
児童一人一人が主体的に学び、
児童一人一人が主体的に学び、互いに高め合う学級づくり、
互いに高め合う学級づくり、授業づくり
4 これまでの研究の取り組み
≪平成 23、24 年度の取り組み≫
平成 23、24 年度の2年間、国語科において「言葉の力を育む指導方法の工夫と改善」をねら
いとして、言葉の力を育むために必要な言語活動の工夫と充実を図る授業方法の在り方につい
て研究を行った。2年間の研究のふり返りから、以下の3つ課題が出てきた。
① 自分の考えに自信をもって積極的に発言する児童に偏りがある。
② 授業の山場における児童相互の話し合いに深まりがない。
③ 明確に自分の意見や考えをもてない児童に対する支援の在り方。
上記の課題を克服すると共に、教師自身の教材解釈の技量を高めることが本校の研究に必要で
あると考えた。
≪平成 25 年度の取り組み≫
平成 25 年度から、上記の課題を克服するための手だてとして、ペアやグループでの“対話”
を授業の中に意図的に取り入れた。全体での意見交流の前に、
“話し合うための自分の考え”を
確実にもたせ、児童一人一人に主体的に学ぶ姿勢を身に付けさせることをねらいとした授業実
践の在り方について研究を進めた。そうした研究の取り組みが、本校の課題の一つでもあった、
教師主導型の授業からの脱却にもつながるものと考えた。そこで、研究テーマの副題に“少人
数による対話を手がかりとして”と掲げ、ペアや、グループなどの少人数による“対話”を意
図的に授業の中に取り入れることにした。少人数による対話の前には、
“対話に必要な材料”=
“課題に対する自分の考え”をもった上で対話することができるように、事前に書く活動を必
ず取り入れた。そして、全員が自分の思いや考えをもち、
「聴き合い、伝え合う」ことを全員に
経験させた上で、全体交流へとつなげ、互いの考えを深め合う授業スタイルで授業研究を行っ
てきた。しかし、対話を取り入れた授業スタイルが少しずつ確立できてはきたものの、
“対話”
そのものの質を上げていくためには、児童一人一人の「話す・聞く」力を高めていかなければ
ならないことと、授業の山場を深めさせるために必要な教師の“発問の質”を高めていかなけ
ればならないという課題が見えてきた。
≪平成 26 年度の取り組み≫
平成 26 年度は、副題を“対話を通して、互いに認め合う学級を目指して”とし、授業研究と
学級経営の在り方について研究を行った。国語科においては、
「話す・聞く」力を高めていくた
めに、環太平洋大学の長谷 浩也准教授を講師として招聘し、
「対話」の捉え方、
「話すこと・聞
くこと」の単元の指導方法や、本時の目標と評価規準を明確にすることの大切さについてご指
導いただいた。また、学級経営の一つの手だてとして、学級活動の基本的な指導方法について
も研修を重ねてきた。国語科の指導、学級活動の両面において、
『国語科の授業において、児童
相互の話し合いで学びが深まったり、学級活動においては、自分たちの話し合いによって学級
をよりよいものに創り上げようという姿勢を身に付けたりすることができる』ためには、
「国語
科の授業や学級会の中で、対話をどの場面で、どのように取り入れていけばよいのか。
」という
視点を中心に据えて研究を進めてきた。国語科の「話すこと・聞くこと」の単元の授業研究を
行ってみて感じたことは、
「話すこと・聞くこと」の単元で身に付けさせるべき力を確実に身に
付けさせることの大切さと、一人一人の「話す・聞く」力を着実に伸ばしていくことの難しさ
であった。そこで、
「話す・聞く」力を伸ばすための一つの手だてとして、国語科の教育課程外
の朝 10 分間のチャレンジタイムを活用し、インタビュータイムを行うことを考えた。このイン
タビュータイムを実施することで、学級の友だちと互いに聞き合う活動を繰り返し経験し、自
分の思いや考えを受け入れてもらえる、自分自身を認めてもらえているという安心感を味わい、
学級の中に自分の居場所を感じることができるであろうと考えた。また、
「話す・聞く」力を伸
ばすための基本的な力、
「相手の考えを正確に受け止める」という力を身に付けさせるためのス
キルアップとしても効果があると考えた。
長谷先生からご指導いただいた、
『対話が成立するための4つのポイント』は、
①
②
③
④
相手そのものを受け入れる。
相手の話を理解する。
相手の意見に反応する。
対話を進める。
の4つであった。上記のポイントの3つ目までの力を、ペアでのインタビュー活動を通して
伸ばし、対話する上で最も大切な“よい聞き手”を育てることをねらいとした。学校全体とし
ての系統的な取り組みとするため、長谷先生の〈対話能力系統表〉を参考に、学年の発達段階
に応じた指導カリキュラムを作成した。また、研究推進委員が中心となってインタビュータイ
ムを試験的に実施し、活動の流れや、ふり返りの方法について検討を繰り返して行い、活動の
基本形を作りあげた。
≪平成 27 年度の取り組み≫
本年度に入り、全クラスでインタビュータイムを実施している。全体研修の中で、インタビ
ュータイムのねらいについて全職員で話し合ったり、指導方法を確認したりしながら、全校の
取り組みとして進めている。このインタビュータイムを通して、子どもたち一人一人が自分の
思いや考えを自由に聞き合って交流することで、自分自身を受け入れてもらえる安心感と、友
だちと積極的に関わろうとする意欲をもって学級生活を送ってくれることを期待している。そ
して、
「話す・聞く」力を高めるための指導を継続して行うことで、授業の中での対話の質が高
まり、1時間の授業のめあてを達成するための意見交流の場面が、児童相互の対話によって深
め合う学習活動になっていくことを願っている。
また、児童一人一人に“対話”の力が身に付いていけば、教科の学習のみならず、生活の場
面においてもお互いの思いをしっかりと受け止めて理解し、よさを認め合いながら、よりよい
人間関係を構築し、お互いの立場を尊重できるようになると考える。
我々教師が、子ども達一人一人の姿に目を向け、子どもたちと真摯に向き合うことで、子ど
も達が“教室で学ぶ喜び”を感じられるような学級づくり、授業づくりを目指して研究を進め
ていく。
5 研究の構想図
【学校教育目標】
「自ら学び続ける東
ける東っ子」の育成
―認め合い、支え合い、磨き合い、共に生き合う 仲間づくり―
基礎学力を身に付け、豊かに表現できる児童の育成
~対話を通して、互いに認め合う学級を目指して~
互いに認め合う学級
自分の
自分の考えを持
えを持って、
って、
主体的に
主体的に学ぶ姿勢
コミュニケーション能力
互いの考えを交流し、
深め合う学習
認め合い 関わり合い
話す・聞く力
対 話
友だちの思いを受けとめる
インタビュータイム
学習規律の徹底
落ち着いた学習環境
基礎学力の定着
授業づくり
学級づくり
温か
くつ
なが
り合
える
人間
関係
豊かな表現力
だれ
もが
分か
りや
すい
授業
6 研究組織
研究推進委員会
校長・教頭・研推・各学年代表1名
◎各部会の調整と推進
・研修の企画、研修計画作成
・学習指導案の形式検討
・紀要の内容検討、作成
・全国学級経営研究大会の指導案集の検討、作成
・全国学級経営研究大会に向けての役割分担、準備、運営
全体研修会
・研修を深め、各部会からの実践内容について共通理解する場
学習指導部会(小林)
◎国語科の授業研究の推進
・対話を通して学び合い、高め合
う授業の実践研究
・思考力、判断力、表現力を高め
るための指導の在り方
◎学習規律の徹底
◎基礎学力の育成
・チャレンジタイム
・おの検定
・放課後寺子屋
◎学習習慣の定着
・自主学習の取り組み
低学年ブロック
道徳指導部会(山本)
部会》
《インタビュータイム
◎インタビュータイムの推進
・年間カリキュラムの作成
・指導方法の工夫と改善
・ふり返りシートの改善
・テーマの検討と見直し
・個に応じた支援の在り方
◎道徳、学活との連携
・わたしたちの道徳の活用
・実践した内容について、学活
で話し合い、ふり返る
中学年ブロック
特活指導部会(神足)
◎学級活動の授業研究の推進
・モデル授業の公開
・学級活動(1)
・学級活動(2)
・年間カリキュラムの見直し
・相互授業参観
・学級会のモデルの提示
(進め方、学級会ノート、板書計
画例、ワークシートなど)
◎特別活動の年間行事計画の見
直し、行事の精選
高学年ブロック
特別支援ブロック
※一人一授業を公開する。専科の教師は所属学年団の中で専科の授業を公開する。