平成27年度 教育行政執行方針 白糠町教育委員会 目 次 Ⅰ はじめに Ⅱ 学校教育の充実 1 実社会で生きる実践的な力の育成 2 豊かな心と健やかな体の育成 3 信頼される学校づくりの推進 4 地域全体で子どもを守り育てる体制づくりの推進 Ⅲ 社会教育の充実 1 生涯学習を推進する実践活動の展開 2 社会教育活動の充実 3 文化活動への参加機会の拡充 4 スポーツの振興 5 社会教育施設の整備・充実 Ⅳ おわりに Ⅰ はじめに 平成27年第1回白糠町議会定例会開会にあた り、議員各位に教育委員会が所管する教育行政の 執行について、その基本方針と主要な施策を申し 上げます。 平成26年は、2月に関東・甲信地方で過去に 類を見ない大雪に見舞われ、8月には広島で豪雨 による土砂被害が発生する等、天候による災害が 数多く起こるとともに、9月には御嶽山が突然噴 火し、登山中の57名の尊い命が失われるという 痛ましい出来事もあり、自然災害の怖さと備えの 大切さを改めて実感する年でありました。 一方、10月にはノーベル物理学賞が発表さ れ、赤崎勇氏・天野浩氏・中村修二氏の3人の日 本人科学者が、青色発光ダイオードの発明により ノーベル賞を受賞するという、日本人として大変 誇らしい出来事もありました。 -1- このような社会状況の中、本町では、昨年10 月31日に、白糠町教育研究所が中心となり、 「日本語と外国語による‘ふるさと自慢’発表大 会」を全校あげて実施し、日本全国から300名 を超えるお客様を迎える中、これまで取組んでま いりました「ふるさと教育」の成果を広く周知す ることができました。これにより、子どもたちは もとより、教師・保護者・地域の皆様が一層「ふ るさと教育」への関心を高め、今後の取組への期 待感がさらに高まったところであります。 さて、本年度は、5年間の実践を踏まえて改訂 された「新たな教育行政のスキーム」がスタート して4年目となりますが、町づくりの一翼を担う 教育として、「ふるさと教育」の充実期を体現す るため、学校教育では、町の将来を見据えた本町 独自の小中一貫教育の実施に向け、すべての学校 で本年度から3年間の研修と教育課程の編成に着 手をしてまいります。 -2- さらに、これまでの実績を踏まえ、本町の語学 教育の幅を着実に広げるため、海外での学びに目 を向けた教育活動の検討など、多様な場と機会の 設定を考慮し、これまで学んできた成果を実感さ せるとともに、今後の学習への意欲化や質的向上 を図ってまいりたいと考えております。 また、社会教育では、子どもたちの学力保障の 支えとなる家庭や地域における教育力の再生に意 を注ぐとともに、体育施設における指定管理者制 度を拡充し、利用者のサービス向上と行財政改革 を進めてまいります。 今年度も、私たち教育委員会は、平成27年度 から導入される新教育委員会制度にも適切に対応 しつつ、白糠町らしさを凝集した「ふるさと教 育」を基軸に、学校教育では子どもたちの「生き る力」の育成に、社会教育では、町民の生きがい づくりに一層の力を注いでまいりたいと考えてお ります。 -3- 以下、平成27年度の教育行政の執行に係る基 本方針と主要な施策の内容についてご説明いたし ます。 Ⅱ 学校教育の充実 本町の「ふるさと教育」並びに学習指導要領の 確実な展開を図り、「未来に向けて自ら学ぼうと する人づくり」に努めるとともに、本町らしい 小中一貫教育の実施に向け、私たちは、強い決意 のもと、以下4点の取り組みを推進いたします。 1 実社会で生きる実践的な力の育成 子どもたちが、「グローバル社会の中で、 周囲の人と進んでコミュニケーションを図 り、自己実現できる人」へと成長できるよ う、以下の2点を重点として事業を推進して -4- まいります。 1つ目は、「基礎学力の定着」でありま す。「基礎学力定着プログラム」を一層推進 し、習熟度別指導や学習支援ボランティアの 活用を充実するとともに、家庭学習の習慣化 を図り、基礎学力の保障に努めてまいりま す。 2つ目は、「外国語によるコミュニケーシ ョン能力の向上」であります。外国語に「慣 れ・親しむ」段階から、実際に「使える」段 階へ転換を図るため、中学生の海外修学旅行 の検討など、多様な場と機会の設定を考慮し てまいります。 2 豊かな心と健やかな体の育成 「確かな学力の育成」と密接不離の関係に ある「豊かな心」と「健やかな体」の育成 を、バランスと調和をとりつつ、以下の2点 -5- を重点として事業を推進してまいります。 1つ目は、「基本的な生活習慣の定着」で あります。「基礎学力の定着」を支える基盤 として、家庭教育や地域行事との連携を密に し、家庭や地域における教育力の再生を図っ てまいります。 同時に「三愛運動」との連携を図り、道徳 的実践力の伴った心づくりに努めてまいりま す。 2つ目は、「健康の保持と体力の向上」で あります。食に関する指導の充実とアレルギ ー症状等に対する細やかな対応を行うととも に、学校や家庭・地域における日常的な運動 機会の充実による体力向上にも努めてまいり ます。 -6- 3 信頼される学校づくりの推進 学校が、教育効果を発揮するための基盤と なる「保護者や地域からの信頼」を構築する ため、以下の2点を重点として事業を推進し てまいります。 1つ目は、「地域に根差した学校づくり」 であります。町全体で子どもを育てるという 共通認識のもと、地域住民に愛される「開か れた学校づくり」を推進するとともに、保護 者、地域の意見が学校に反映されるよう努め てまいります。 2つ目は、「教師の指導力の向上」であり ます。教員が「教えるプロ」としての力量向 上を図るため、各種研修会への参加を促すと ともに、本町独自の「教師塾」を実施するな ど、その活性化に努め、学習指導と生徒指導 を充実してまいります。 -7- 4 地域全体で子どもを守り育てる体制づくり の推進 町の宝・財産である子どもたちが、安心・ 安全な環境の下で育つことができるよう、以 下の2点を重点として事業を推進してまいり ます。 1つ目は、「防災教育と学校施設の充実」 であります。各種避難訓練の日常化を促進 し、子どもの危険予知能力と危機回避能力の 伸長を図ってまいります。 また、庶路小学校・庶路中学校及び保育施 設の合築校園舎については、学校や地域並び に関係部局と連携し、遅滞のないよう推進し てまいります。 2つ目は、「健全育成事業の協働実践」で あります。子どもたちの安心・安全を一層向 上させるため、青少年育成員や地域住民と 「見守り・声かけ運動」の拡充を図るととも -8- に、キャリア教育を念頭に置いた「ミニ社会 体験」を推進してまいります。 Ⅲ 社会教育の充実 本町に暮らす人々が心豊かで充実した生活を送 ることができるよう、あらゆる機会にあらゆる場 所で学習ができる町をめざします。 具体的には、教育行政スキームの実践プラン 「生活いきいきプラン」及び「親子にこにこプラ ン」に沿い、「まちぐるみ運動の展開」と「生涯 スポーツの日常化」を核とし、以下5点の取り組 みを推進いたします。 1 生涯学習を推進する実践活動の展開 豊かな生涯学習社会を実現するため、以下 の2点を重点として社会教育活動を実践して -9- まいります。 1つ目は、「まちぐるみ運動の推進」であ ります。三愛運動の実践活動を一層奨励する とともに、まちづくりにつながる学習機会の 提供を図り、各種運動の活性化に努めてまい ります。 2つ目は、「ボランティア活動の推進」で あります。町民の技術や経験が生かされるよ う、ボランティア指導者の発掘に努めるとと もに、ボランティアとしての実践内容を積極 的に紹介し、実践者の活用と拡大を図ってま いります。 2 社会教育活動の充実 白糠町の未来を担う青少年の健やかな育ち を期するため、以下の2点を重点として事業 を推進してまいります。 1つ目は、「家庭の教育力を向上させる支 - 10 - 援の充実」であります。青少年の健全育成は 家庭が基礎であり、子育てが家庭を基盤とし て根付くよう、家庭の教育力を向上させるた めの多様な学習機会の提供に努めてまいりま す。 2つ目は、「青少年健全育成事業の推進」 であります。青少年の健全育成を図るため、 青少年の各種体験活動の充実を図るととも に、「少年の主張」発表会や土曜学習等、学 社連携を強化する事業を展開してまいりま す。 3 文化活動への参加機会の拡充 心豊かな生きがいづくりをめざす文化活動 への参加機会を拡充するため、以下の2点を 重点として事業を推進してまいります。 1つ目は、「公民館講座や土曜サロンの推 進」であります。新たな人材の発掘と活用を - 11 - 図るとともに、各種団体や関係部局と連携 し、地域資源を活用した多様な学習機会の提 供に努めてまいります。 2つ目は、「文化団体の活動推進」であり ます。文化活動を発表する場を拡充し、自主 事業、連携事業の推進を図るとともに、文化 活動に関する情報や団体の活動内容を積極的 に紹介し、文化団体の活性化に努めてまいり ます。 4 スポーツの振興 町民一人ひとりがスポーツ活動を継続的に 実践でき、健康で心豊かなスポーツライフを 築くことができる「生涯スポーツ社会」の実 現をめざすため、以下の2点を重点として事 業を推進してまいります。 1つ目は、「生涯スポーツの充実」であり ます。「だれもが、いつでも、どこでも」参 - 12 - 加できる一人1スポーツをめざし、各種スポ ーツ教室等を通じ、生きがいや楽しみを重視 した体力・健康づくりを推進してまいりま す。 2つ目は、「競技スポーツの充実」であり ます。各種スポーツ団体の活動や競技者の大 会出場等の支援により、競技力の向上を図る とともに、スポーツ大会を支援するボランテ ィアの拡充を通して、町民があらゆる形でス ポーツ活動に参加できるよう努めてまいりま す。 5 社会教育施設の整備・充実 町民が安全で快適に各施設を利用できるよ う、適切な維持管理と修繕等の整備に努める とともに、自主的な活動の活性化を促進する ため、以下の2点を重点として推進してまい ります。 - 13 - 1つ目は、「施設の長寿命化を図る保全・ 管理」であります。きめ細かな施設の点検や 定期的な点検に意を用い、適切な補修・改修 を継続的に進めて、施設の長寿命化を図って まいります。 2つ目は、「施設の利用促進を図る工夫・ 改善」であります。住民サービスの一層の向 上を目指し、民間の活力と想像力等を生かし た指定管理者制度の導入と、利用者にやさし い施設づくりに努めてまいります。 Ⅳ.おわりに 以上、平成27年度の教育行政の執行に係る基 本方針と主要な施策について述べてまいりました が、その実現にあたっては、計画の後期4年目を 迎えた新教育行政のスキームとその実践プランを - 14 - 継続的に推進していくことであると考えておりま す。 さて、進展する情報化の中で政治・経済が絡み 合う現代社会は、どこに暮らしていても他の国々 からの影響を避けることは大変に難しい時代とな りました。つまり、グローバル化は日本のどこに いても降ってくるわけで、これからはグローバル な感覚を身に付けた、世界で生き抜く日本人が求 められているわけです。しかし、ここで忘れてな らないことは、その根底に、日本人としての品性 や心意気を兼ね備えていなければならないという ことです。 昨年はブラジルでサッカーワールドカップが開 催され、日本は残念ながら予選リーグで敗退して しまいました。しかし、この時の日本のサポータ ーは試合に負けたにもかかわらずゴミ拾いをはじ め、応援席は試合前よりきれいな状態だったと言 われ、このことが礼儀正しい日本のサポーターと - 15 - して世界から絶賛されました。このニュースが世 界を駆けめぐったことを知り、自分が日本人であ ることを誇りに思った人は少なくなかったと思い ます。 私たちは、グローバル社会だからこそ、早い時 期から地域を知り、世界を知ることと同時に、日 本人としてのアイデンティティーを持つことが重 要であると考え、足元や世界を見つめる力を育て るとともに、日本人としての心づくりを根源とす る「ふるさと教育」を、これからも自信を持って 推進してまいりたいと考えております。 議員並びに町民の皆様には、今後とも、特段の ご理解とご協力を賜りますよう心からお願いを申 し上げ、教育行政執行方針といたします。 - 16 -
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