iRAD-OTによる骨計測精度の基礎的検討

第 2 会場 -放射線部門-
5. iRAD‐OT による骨計測精度の基礎的検討
座長
戸田中央総合病院
後藤 正人
演者
戸田中央総合病院
岡 育憲
【目的(はじめに)】
従来は人工骨頭などのインプラント挿入時には、フィルムに鉛スケールを写し込み計測を行っていた。今回当
院では PACS 化に伴い、PACS 上で行う整形領域の計測ソフト iRAD-OT が導入された。そこで計測値精度の
基礎的検討を行ったので報告する。
【方法(内容)】
<拡大率による誤差>
基準となる 25mm 鉄球と同じ幅のアルミ板をファントムとして同一 SSD 間の高さを変化させ、
拡大による誤差を検討する。
<基準鉄球を置く位置による誤差>
撮影時 IP 上の基準鉄球を置く位置による変化を検討する。
<PACS 上で計測時の誤差>
画像の階調を絞ることによって測定者の個人差を減少できるかを検討する。
【結果(結論)】
拡大率による大きな誤差は認められなかった。IP 上で鉄球を置く位置については、歪みの影響を受け長径方
向に大きな誤差が生じた。測定時の条件は階調を絞ることで測定者個々による誤差を軽減できることが示唆され
た。
【考察】
iRAD-OT による計測で、今回誤差要因として認められたのは IP 上の基準鉄球を置く位置による歪みの影響
であった。実際の撮影ではX線束が基準となる鉄球に対して斜入射しないように置く位置を考慮しなければなら
ないことがわかった。また、iRAD-OT によるデジタル計測はピクセルによる定量化で再現性の向上やモニター
上の設定の簡便さなどにより、効率的に骨計測ができるソフトであると考えられた。