大きいトンネル、小さいトンネル。 あるところに、小柄な人と大柄な人がいました。 二人は意味も無く不快な日々を過ごし、 また自信をもてない日々を過ごしました。 ある日、二人が話をしていると、一人の男性が現れました。 その男性は二人に近づいてきて、二人にこう言いました。 「何の話をしているのだい?」 二人はこう答えました。 「自分には自信も無く、何をしていいのかわからず、どうしていい のかわからないのです。」 すると男性はこう言いました。 「自分の家の前にある、トンネルに入ってみてはどうか?すると、 自分に必要なものが見つかる。 」 そういうとその男性はいなくなりました。 二人は、 「なんでだろう?一度入ってみようか?」 と言い、トンネルに入る事にしました。 大柄の人は、家の前の大きなトンネルに、 小柄な人は家の前の小さなトンネルに入っていきました。 トンネルに入ると色々なものが落ちていました。 だけど、自分には不要な物ばかり。 「なんだこんなものしか落ちていないのか?何であの男性はトンネ ルに自分に必要なものがあると言ったんだ?」 と二人は不快な気持ちになり、トンネルから出てきました。 そして二人は話をしました。 「自分に必要なものなんてひとつも落ちて無かったよ。」 二人は話をしていて、腹が立ってきました。 「自分に必要なものなんて、何もないじゃないか!」 そう話をしているうちに、お互い落ちているものがなんだったか気 になり、何が落ちていたのかを話しました。 すると二人は声をそろえて言いました。 「それは僕の必要なものじゃないか!??!」 そういうと、大柄な人は小さなトンネルに 小さな人は大きなトンネルに入ろうとしました。 だけど、大柄の人は、体が大きすぎて 小さなトンネルには体が入りませんでした。 また、小柄の人は、大きなトンネルは深すぎて 入ったら出てこれないので、入れませんでした。 二人とも色々考えて、いくら入ろうとしても トンネルには入れませんでした。 そうこうしているうちに、日が暮れて諦めようとした時に、二人は 気づきました。 「とってきてあげるよ。」 そう言って、二人はそれぞれの家の前のトンネルに入っていき、色々 なものをとってきました。 お互いが持っているものは、相手に必要なもの。 二人は、持っている物をお互いに渡し合いました。 そして、二人はそれぞれ必要なものを手に入れました。 相手に必要なものは自分が持っている。 自分に必要な物は相手が持っている。 それは、与える事によって受け取れる。 アナタが今、与えられる物は何ですか・・・? 今日も、キミはたくさんの幸せと豊かさに包まれて、 生きてる喜びを感じれますように。 キミは素晴らしくて、素敵だから大好きです。 作 満野 和敏 挿絵 おでん
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