26.10.30 校長講話 「なかよし旬間」によせて 1,はじめに 10 月 27 日(月)から 11 月 7 日(金)はなかよし旬間 今年のテーマ 「みんなちがって、みんないい」 ○たくさんの友だちと仲良く遊ぼう。 ○自分のこと、相手のことを大切にしよう。 ○自分と違う悩みを持つ人たちのことを考えよう。 同じ学年の男の子、女の子 体つきは似ていてもみんな同じ? 兄弟はどうですか?兄弟と言っても同じではありませんね。 それぞれ体の大きさも顔も考え方も感じ方も違います。 この世の中、一人として同じ人はいません。みなさん一人一人がすばらしい一人なのです。 誰が偉いとか、劣っているとかないのです。 この旬間の中で、地域によっていろいろな方がいたり、学校の中でもいろいろな考えを持つ人 がいたりすることを理解し、お互いを考えあえる長沼小学校のみなさんになってほしいという願 いが込められています。 2,長沼小学校のみなさんのいいところ 先生は、長沼小学校のみなさんのいいところは、学年関係なく、一緒に遊んだり、よく他学 年のお友だちのことでもよく知っていたりすることです。困っている子がいたらすぐ手伝って くれます。そういうところはすばらしいところであり、上級生のそういうところを下級生のみ なさんも引き継いでいってほしいなあと思います。 さらに、この旬間をとおして、相手のことを理解したり大切にしたりするために、相手の話 をよく聞きましょう。つい仲がよいと乱暴なことをいっても許してくれると思いがちです。 自分がされたら嫌だなあと思うことや言われたら嫌だなあと思うことを考えることができたら すばらしいですね。 3,佐藤真海さんのポスター 佐藤さんはどういう方か知っている人はいますか? 東京オリンピック招致委員会のプレゼンテーターで、IOC 総会でスピーチをして、招致に貢献 しました。 「あっこの人、足がないんだね。」とこのポスターをみて、つぶやいたお友だちがいました。 どうして、そう思ったか話してくれますか?―「足がないのに運動できている。笑顔だ。」 ありがとう。 この佐藤さんの表情は暗いですか? 佐藤さんは、こんなふうに言っています。 ―19 歳の時に、骨肉腫で片足を失いました。とてもつらく、絶望しました。 しかし、大学に入り、陸上を始めてから私は、目標を設定し、それを越えることに喜びを感じ、 新しい自信が生まれました。 そして何より、私にとって大切なのは、私が持っているものであって、失ったものではないと 言うことです。 ―このあと、アテネと北京のパラリンピックに出ています。スポーツを通して、障害のある人 やまたない人にもたくさんの笑顔と希望を与えてくれています。 4,周 大観くん「僕にはまだ一本の足がある」の紹介 もうひとり、まっすぐ頑張っていた小学生 周 大観くんを紹介しま す。 大観くんは、詩を書くことが大好きなお子さんでしたが、小児癌におか されたため、足を切断しなければならず、それでも前向きに生きたお子 さんです。 (癌という病気は、毎日気をつけているとなりにくい癌と突然成って しまう癌があります。難しい病気ではありますが、今治療法も多く見 られるようになってきました。) 大観くんはこのような詩を作っています。 ―「僕にはまだ一本の足がある」 ベートーベンは両耳が聞こえなかった 鄭龍水(ていりゅうすい)は両目を失明した だけど、ぼくにはまだ一本の足がある 地球の上に立ちたいから ヘレン・ケラーは両目を失明した 鄭豊喜(ていほうき)は両足が不自由だった だけど、ぼくにはまだ一本の足がある 美しい世界を歩き回りたいからー 大観くんは、「ぼくにはまだ一本の足がある」と書いています。佐藤 さんもいわれたように大事なのは、失ったことへの不満ではなく、まだ 残って与えられた可能性や未来を信じて生きようということです。 この足で、地球の上に立ち、美しい世界を歩き回りたいという病気が治 ってからやりたいことを、希望を書いています。 ぼくの足は一本なくなってしまった。もう僕は運動ができないんだ。 僕はもうだめなんだという弱気な気持ちにならず、ぼくにはまだ一本の 足があるんだ、地球の上に立つんだ、世界を歩き回わるんだと自分にで きることを信じて生きようとする気持ちが伝わってきます。 病が進み、もう手術はできないと知らされたとき、お医者さんや看護してくれた人、そして両 親や弟に感謝の気持ちを伝えた大観くん。そして癌と闘っている子どもたちに癌に負けないよう に励ました大観くん。私たちに大切な心のあり方を伝えてくれています。 大観くんは、今から 17 年前、1997 年の 5 月に亡くなりました。9 年 6 ヶ月しか生きられませ んでしたが、自分の命を一生懸命生き抜きました。いつも自分のやりたいことを考え、まっすぐ に生きてきました。今、大観くんの生き方や書いた詩から勇気をもらっている人がたくさんいま す。 5,まとめ 私たちは、大観くんと比べることはできないかもしれません。 けれど、みなさんも悲しいことやつらいこと、くじけそうなことがあるかもしれません。 そういうときはどうしたらよいのでしょうか。 「どうせぼくなんか、わたしなんか」 「もうやる気が起きない、だめなんだ」と思うこともあるか もしれませんが、少しでも佐藤さんや大観くんの笑顔を思い出して、どうしたらうまくやれるか、 周りの友だちや先生方、おうちの人に相談して、よりみなさんが笑顔になれるように工夫して、 乗り越えてほしいなあと思います。みなさんがそういったことを乗り越えたとき、みなさんは心 が豊かでより相手を思いやれる人になると思います。私たちもみなさんを応援しています。 きょうは、病に負けず前向きに生きることの大切さを教えてくれた人を紹介しました。 難しい話ですが、よく聴いてくれてありがとう。 今日の話で、感じたことや日頃思うことを校長先生に教えてください。
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