春日市 橋梁長寿命化修繕計画 平成23年 3月 春日市都市整備部道路防災課 1. 長寿命化修繕計画の目的 (1) 背景 春日市が管理する道路橋は、2010 年 3 月現在において 81 橋あります。このうち、現在、建設後 50 年を経過する橋梁はありませんが、20 年後には 39 橋に増加し、全体の 50%程度を占め、急 速に高齢化橋梁が増加します。これらの管理橋梁の状況の中で、損傷が大きくなってから補修す る維持管理方法を継続した場合、架替えや修繕に要する費用が膨大となり、安全性・信頼性を確 保することが困難になる恐れがあります。 (1) 目的 春日市が管理する道路橋の急速な高齢化に対応するため、今後は、計画的な点検により早期に 損傷を発見し、予防保全を基本とした修繕計画へと政策転換を図ることで、維持管理に要する費 用の縮減及び予算の平準化を目的とします。さらに、橋梁の機能を維持し道路交通の安全性を確 保することを目的とします。 2. 長寿命化修繕計画の対象橋梁 表-1 対象橋梁一覧表 (単位:橋) 1級市道 2級市道 その他市道 歩行者専用道 合計 6 9 63 3 81 6 9 63 3 81 0 0 0 0 0 6 9 63 3 81 全管理橋梁数 うち計画の対象橋梁数 うちこれまでの計画策定橋梁数 うちH21年度計画策定橋梁数 ○ 長寿命化修繕計画の対象:橋長L=2.0m以上の全橋梁を対象とします。 3. 健全度の把握及び日常的な維持管理に関する基本的な方針 (1)健全度の把握の基本的な方針 「春日市橋梁点検要領(案)」にもとづき、5 年に1回程度の定期点検を実施し、劣化や損傷を 早期に発見するとともに、健全度の把握を行います。職員による目視点検としますが、必要に応じ て専門家による点検も実施します。 (2)日常的な維持管理に関する基本的な方針 日常業務において確認できる排水桝や伸縮装置の土砂詰まり及び支承の土砂堆積など、容易に 対応できる損傷は、可能な限り維持作業の中で対応します。 4. 対象橋梁の長寿命化及び修繕・架替えに係る費用の縮減に関する基本的な方針 ○ 「春日市橋梁点検要領(案)」に基づく点検結果により、各橋梁の状況に応じた修繕を計画的に 実施します。 ○ 日常業務において容易に対応できる損傷は、随時、修繕します。 ○ 計画的に修繕することで、各年度の事業費が大幅に増加しないように予算の平準化を行います。 5. 長寿命化修繕計画による効果 ○ 損傷・劣化が大きくなってから対策する維持管理方法から予防保全を基本とした計画的な修 繕を行なうことで、ライフサイクルコストが縮減されます。 ○ 優先順位の設定による計画的な修繕計画を実施する事で予算の平準化が図れます。 【維持管理費の縮減:約 17 億(50 年間)】 図-1 維持管理方法によるコスト縮減 【維持管理費の平準化】 90 0 80 予 70 防 保 全 型 60 対 策 費 50 80 0 予 70 防 保 全 型 60 対 策 費 50 ( 単 年 40 50 0 単 年 40 5 00 ) ( 40 0 ) ( 80 4 00 単年 累計 70 0 60 0 9 00 単年 累計 7 00 6 00 ( 百 30 万 円 3 00 ) ) 20 2 00 20 0 10 10 0 0 0 H22 H24 H26 H28 H30 H32 H34 H36 H38 H40 H42 H44 H46 H48 H50 H52 H54 H56 H58 H60 H62 H64 H66 H68 H70 百 万 円 ) 30 0 20 予 防 保 全 型 対 策 費 累 計 ( 百 30 万 円 8 00 10 1 00 0 0 H2 2 H2 4 H2 6 H28 H3 0 H32 H34 H36 H38 H40 H42 H4 4 H4 6 H48 H5 0 H5 2 H54 H5 6 H58 H6 0 H62 H6 4 H6 6 H68 H7 0 図-2 予防保全型管理(平準化前) 図-3 予防保全型管理(平準化後) 6. 長寿命化修繕計画の策定状況 ○ 基本方針に基づき長寿命化修繕計画を策定し、計画的に修繕・架替え等の対策を実施します。 ○ 点検結果と対策の実施状況を踏まえ、必要に応じて、長寿命化修繕計画の見直しを行います。 表-2 今後 10 年間の修繕計画橋梁数(年度別) H23 計画 H24 計画 H25 計画 H26 計画 H27 計画 対策計画橋梁数 1 1 4 8 2 架替計画橋梁数 0 0 0 0 0 H28 計画 H29 計画 H30 計画 H31 計画 H32 計画 対策計画橋梁数 2 2 3 2 2 27 架替計画橋梁数 0 0 0 0 0 0 H23~H32 合計 【点検頻度】 橋梁点検の頻度は,当面の間,5年に1回の頻度で春日市が管理する全ての橋梁に対して行うことを 基本としています。 7. 計画策定担当部署及び意見聴取した学識経験者等の専門知識を有する者 (1)学識経験者からの意見聴取 学識経験者 : 九州大学大学院 工学研究室 建設デザイン部門 濱田 秀則 教授 (2)担当部署 春日市都市整備部道路防災課 連絡先 092-584-1111
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