ピンクリボン in 郡⼭ 更新⽇:2012年1⽉1⽇ ⽇曜⽇ 東⽇本⼤震災復興応援活動 分かち合おう乳がんの悩み 前進だ東北 助け合おう福島県 郡⼭から元気を発信 ⽇時:2011年10⽉23⽇(⽇) 場所:郡⼭市駅前ビック・アイ7F 他 専⾨医師の講演や相談を通して、乳がんに対する理解を深めるとともに、乳がん検診の啓発活動を2009年から継続的に展開し ています。 専⾨医の先⽣⽅が「乳がんについての正しい知識を⾝につけよう」と題し、検診・診断・治療・震災時の乳がん治療について 講演された他、保健衛⽣協会の保健師による乳がん検診⾃⼰触診診断指導や、ゲストコメンテーターに⾚須太郎さん(余命 ⼀ヶ⽉の花嫁)をお迎えし、参加者の皆さんからの質問に、乳がんスペシャリストの先⽣⽅がその場で回答する「乳がんなん でも質問コーナー」が開かれました。 さらに特別講演では、福島県三春町出⾝で1975年に世界最⾼峰エベレスト8848m(ネパール 名:サガルマータ、中国名:チョモランマ)に⼥性世界初の登頂に成功した登⼭家の⽥部井淳⼦さ んから、ご⾃⾝の乳がん体験を含めた講演がありました。 その他、サテライト会場ではマンモグラフィ検診バス⾒学会や、募⾦コーナー、また特設コーナー では、検診施設情報パネルの展⽰や患者さんの⽀援(ウイッグ・下着・遺伝⼦検査など)ブース、 乳がんおしゃべりサロンも開設され、乳がん検診受診率向上の為の啓発キャンペーンとして、郡⼭ から元気を発信するイベントとなりました。 乳がん早期発⾒の為、40歳以上の⼥性に対し2年に⼀度の偶数年に乳がん検診を実施。平成21年度からは、偶数年に検診を受 けられなかった⽅に対しても、奇数年の受診券を発⾏し受診率の向上を図っている。また40歳〜60歳の5歳刻みの⼥性の⽅に は検診⼿帳と検診費⽤が無料となるクーポン券を送付し、検診の受診を促すとともに、正しい健康意識の普及・啓発に努めて いる。郡⼭市での実施は現在、マンモグラフィ装置のある施設で写真を撮り触診をする、⼀施設同時での⽅法がとられてい る。 ⽇本医学放射線学会の仕様基準に適合している 福島県県中地区マンモグラフィ設置施設(県中地区) いがらし内科外科クリニック・今泉⻄病院・太⽥熱海病院 太⽥⻄ノ内病院・桑野協⽴病院・寿泉堂クリニック 寿泉堂綜合病院・⼟屋病院・坪井病院 坪井診療所・星総合病院・総合南東北病院 三春町⽴三春病院・公⽴⼩野町地⽅綜合病院・公⽴岩瀬病院 ⼩林医院・須賀川病院・⾕病院 ⽇本乳癌学会専⾨医である3名の先⽣⽅から、それぞれ「検診・診断」「治療」「震災時の乳がん治療」をテーマに約1時間半 の講演がありました。講演内容から⼀部、ご紹介致します。 乳がんは他⼈事ではありません 乳がんの罹患者数は2006年の段階で、すでに5万⼈を越え、死亡者数も右肩上がり で増えています。年齢別罹患率では、45〜55歳くらいが多く、次いで40〜44歳、 その後年齢とともに少なくなります。また、⽣涯罹患率(⽣きているうちに乳がんに なる確率)は、現在⽇本では16⼈に1⼈といわれています。 しかし乳がんは、早期発⾒できると治る率が⾮常に⾼く、10年⽣存率は90%に近 く、現在、早期発⾒の為の⼿段として⼀番良いと思われるのが、乳がん検診『マンモ グラフィ検診』です。 乳がん部位別発⽣頻度と⾃覚症状 乳がんは、乳房を4分割すると、乳腺組織が⼀番多い上の外側部分や乳輪を含 めた真ん中あたりに半数近くができるといわれています。 主な⾃覚症状には、しこり、⽪膚や乳頭のくぼみ(陥没)、脇の下のリンパ節 の腫れやしこり、左右⾮対称、⽪膚の引き攣れやつっぱり感、乳頭分泌物があ ります。分泌物については、サラっとして透明感があるものや⾎液そのものが 出る、そういった場合、乳管の内側に乳がんの芽や良性腫瘍の芽があることが あります。 検査・診断 主な検診は、視触診をして画像診断、⼀般的にはマンモグラフィと超⾳波検査です。 ◇マンモグラフィ検査とは乳房専⽤のX線撮影です。しこりとしてふれない⽯灰化(砂粒のようなもの)を写し出すこともでき ます。⽯灰化が⾒つかったときは、その形や⼤きさ、集まり具合などを⾒ながら良性⽯灰または悪性⽯灰の判断をします。※ X線検査ですから、放射線被爆がありますが、1回の撮影で受ける放射線の量はたいへん微量です。そういった⼼配より撮影す ることで乳がんを早期発⾒ができるメリットの⽅がはるかに⼤きいのです。 ◇超⾳波(エコー)検査では乳房に超⾳波を当てて異常がないかを診断します。特に若い⽅の乳腺や乳腺密度が濃い⽅の場 合、⼩さな乳がんのしこりや、良性のしこり、中が液体の嚢胞というものは、乳腺に隠れてしまいマンモグラフィでは写らな いため、超⾳波検診のほうがよく⾒えます。 Message 「マンモグラフィ検診は簡単にできる検査です。しこりが触れてしまうと早期ではありませんので、何も触れないからと いって安⼼ではないのです。特に30代後半から40・50代の⽅に多く検診を受けてほしいですね。乳がんは“早期発⾒できれ ば治る率が⾼い”そのために“マンモグラフィ検診で早期発⾒することが⼤切”です。是⾮、気軽な気持ちでマンモグラフィ検 診を受けて頂きたいと思います。このような啓発運動が、もっとたくさんの市⺠・県⺠の皆様に広がって、乳がん検診への 関⼼が⾼まり、受診に結びついていくことを願っています。」 乳がんと診断された場合、乳がんの進み具合、場所、⼤きさ、リンパ節の状態などを 診断し、その後、どういう⼿術をすれば良いのか、乳房を全部取る⼿術をするのか、 温存⼿術ができるのか考えていくことになります。また、抗がん剤が必要となった場 合の多くは⼿術後に⾏いますが、⼿術前に術前化学療法を選択される場合もありま す。 術前診断:0期でみつかれば5年⽣存率は100% 乳がんの進⾏程度を表す病期(ステージ)は0期〜IV期までありますが、0期(乳腺の 中に乳がんがとどまっているもの)でみつかれば5年⽣存率が100%とほぼ100%治り ます。また、しこりの⼤きさが2cm以下で、リンパ節や全⾝への転移がない早期であ れば90%の⽣存率が期待できます。逆に、IV期(遠隔臓器への転移がある)などでみ つかってしまうと5年⽣存率は10.9%となり、しこりの⼤きさで⽐べてみても、5cm での⽣存率は60%を切りますので、しこりが⼤きくなればなるほど⽣存率は下がっていきます。 個々に合ったもっともふさわしい治療を 最近では、乳房を残しながら、乳がんを切除する温存⼿術がどんどん増えてきております。また、脇の下のリンパ節を切除せ ずに済む⼿術も施⾏されています。⼈間にもいろんな性格があるように、乳がんにもいろんな性質・特性があります。検査や ⼿術によって、どういった治療や薬が効果的なのかといった乳がんの性質を調べることが、抗がん剤の効き⽬などいろんなこ とに結びついていきます。ひとりひとりに合った治療⽅法を選択しながら治療を進めていきます。 チーム医療で⽀えます 乳がんの患者さんに接するのは、我々医師だけではなく、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーや臨床⼼理⼠、理学療法⼠、 乳がん専⾨看護師、そういったスタッフたちがチームで協⼒し、知恵を出し合いながら、⼀⼈の患者さんを治療していきま す。 3.11の⼤震災 郡⼭市ではライフラインが停⽌し、当院では病院機能がまったく停⽌してしまいま した。病棟と病棟をつなぐ渡り廊下が崩壊してしまい、建物⾃体もまた⼤きな余震 が来たら潰れるのではないかという不安から県内外のたくさんの病院に、⼊院中の 患者さんをはじめ、多くの患者さんの避難・診療・治療をお⼿伝いいただきまし た。 乳がん専⾨医として どのような状況下でも、乳がんで困っている⽅はたくさんいます。震災であっても 災害であっても、乳がんの患者さんがいる限りは、乳がんの治療もそうですが、検 診も続けなければいけません。わたしは⼀般外科、消化器外科もやってきました が、7年ぐらい前から、乳がん治療が忙しくなり、今は乳がんオンリーでやってお ります。ですから私は今後何があっても、乳がんをやります。 新病院完成まで 震災後6⽉1⽇からは、仮設の外来ができ通常の業務ができるようになりました。現在は、以前の病院の規模の半分でプレハブ 外来にも関わらず、たくさんの患者さんが来られます。私としてはこのようなところに来ていただき、患者さんには申し訳な いと思っているのですが、何とか今の状況を乗り切り、当院は今新しい病院を建設していますので、新しい環境、さらに最新 の診療機器をもって、乳がんの診療レベルを、福島県の診療レベルを上げていきたいと思います。郡⼭から元気を発信しなが ら患者さんそしてスタッフ全員で頑張って⾏きたいと思います。 福島県保健衛⽣協会 ⼥性技師の吉⽥さん 皆さんバスに⼊ってきて第⼀声「マンモって痛いんですよね?!」という声が多かったですね。実際の機器で、⼿をグーの形 にして圧迫するという体験ができるのですが、その後は「我慢できない痛みではないし、これぐらいなら我慢できるわ。」と おっしゃる⽅もたくさんいましたよ。 マンモグラフィ検診は、乳房を引っ張る、圧迫するところで多少痛みがありますが、乳腺の部分を残さずに挟み、乳房を平 たく引き伸ばすことで診断に必要な良い写真を撮ることができます。 また、X線検査なので検査時の放射線被爆がありますが、1回の撮影で受ける放射線量というのはとても微量ですし、そのなか でも、乳房を出来る限り薄くして撮影するほど被ばく量は少なくなります。 ですから、皆さんには頑張れる範囲で頑張ってもらって、撮影する時には「⼤丈夫ですか?」とお声掛けし ながらやりますので、技師さんと相談しながらきれいな写真を撮ってもらって、先⽣にきちんと診断しても らってくださいね。 ⾃⼰触診 〜⽉に⼀度のお約束〜 乳がんの知識を正しく理解すれば怖くありません。乳がんは、⾃分で気付くことができるがんです。⾃⼰触診を毎⽉繰り返す ことで“違い”に気づき、異常をみつけやすくなります。20歳を過ぎたら⾃⼰触診を開始し、40歳になったら⽉に⼀度の⾃⼰触 診と2年に⼀度の乳がん検診を。また⾃覚症状や気になる症状があったら早めに乳腺外科・乳腺外来・外科を受診しましょう。 今できること 乳がん公開講座では、福島県保健衛⽣協会 保健師 ⼭⽥晴美さん による『⾃⼰触診の指導』を中⼼ に、クイズ形式で楽しく乳がんを学ぶことが出来ま した。途中、⼭⽥さんの相棒(乳房モデル)を会場 の皆様へ回しながら、乳房モデルにある乳がんのく ぼみやしこりを探して硬さを体感することもできま した。 『乳がんという病気は、⼥性にとっての最⼤の関⼼ 事。知らないからこそ不安。知っていることに変え るだけで、安⼼感につながる。 みなさん⼀⼈ではありませんので⼼強く思って勇気 をもって検診を受けていただきたいなと思います。 今できることをとにかく実践すること。“⾃⼰触診をすること”“検診を受けること”もその⼀つです。是⾮みなさん前向きに取 り掛かっていただければと思います。⾃分⾃⾝から元気を発信していきましょう!』 ピンクリボン運動の由来は、1980年代⽶国の⼩さな町で、乳がんで死亡した⼥性の⺟親が、その⼥ 性の娘である実孫に、同じ悲しみを繰り返さないよう…願いを込めて⼿渡したものが・・・“ピンク ⾊のリボン”であったことに端を発するとされているそうです。 『 ピンクリボンキャンペーンin郡⼭ 』に参加し、講演内容の幅広さ、乳がん看護認定看護師を中⼼とするおしゃべりサロン、 乳がん患者さんの為のウイッグや遺伝⼦診断、保険、公的⽀援相談などのブース、乳がん(検診)に関する情報パネルの展⽰ やたくさんのパンフレット、ピンクリボングッズの配布…など、とにかく充実したイベント内容に驚きました。 たくさんの情報に溢れ、専⾨家の先⽣⽅へ直接、不安に答えていただけ る機会があることを、もっともっと県⺠の皆様へ知っていただき、是⾮ たくさんの⽅々に参加して欲しいな…と⼼から思いました。 様々な⾓度から乳がんに対する知識を得ることができ、ただ漠然と抱い ていた“怖い病気”というイメージを変えることができた気がします。 どんなことでも⼀緒かもしれませんが『 正しい知識を⾝につけること 』というのは⼤切な事で、そのためにまず⼀歩踏み出し、このような キャンペーンに参加してみるということも、⾃分にとってとても⼤きな 前進になるのではないかと思います。 乳がんは、早期発⾒であれば怖くない。乳がん治療は⽇々進歩してい る。 そして、すぐ近くに頼れる専⾨医の先⽣⽅がいて、チーム医療で⽀えてくれる環境が整っているということ。⾃分⾃⾝を守る ということが、周りの⼤切な⼈たちを守ることに繋がるということ…。参加者の⼀⼈として、⼤切な⼈たちへ、⼀⼈でも多く 伝えていきたいと思います。 ※ピンクリボンキャンペーンに参加して(クリックしてください) ※実際にピンクリボンキャンペーンに参加された⽅の感想が読めます。 2012年10⽉第3⽇曜⽇ 同会場<ビック・アイ7F>にて開催予定
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