憲法違反の戦争法案強行採決に対する抗議声明 2015 年 9 月 24 日 東京私大教連中央執行委員会 9 月 19 日未明、安倍内閣と自民・公明両党は、 「集団的自衛権」を行使して日本を 海外で戦争できる国に変える憲法違反の戦争法案(安全保障関連法案)を参議院本会 議において強行採決し、可決・成立させました。東京私大教連中央執行委員会は、満 身の怒りをもって、安倍政権に強く抗議します。 戦争法案が明白に憲法9条に違反することは、圧倒的多数の憲法学者や学者・研究 者、日弁連、最高裁元長官や歴代の内閣法制局長官などの専門家が、繰り返し指摘し、 証明し、批判してきました。さらに国会審議では主要野党の徹底した追及により、立 法事実の欺瞞性、集団的自衛権行使の無限定性など法案の危険性が誰の目にも明らか になりました。にもかかわらず安倍政権は、違法な手続きにより審議を一方的に打ち 切り、異常きわまる強引な国会運営で採決を強行しました。これは、憲法と民主主義 を破壊するクーデタに他なりません。この戦争法制は違憲・無効であり、私たちは断 じて容認できません。 大学は、憲法に立脚して、世界の平和と人類の福祉の向上のために普遍的真理を探 究し、その成果を教育し普及する場です。その意味で、戦争法案の強行成立は、大学 と社会全体で築き上げてきた学問研究上の蓄積、「知の到達点」を破壊し、学問と大 学の基盤を堀り崩そうとする暴挙でもあります。立憲主義、平和主義、民主主義を否 定する権力のもとでは、学問や言論が抑圧され、教育や研究が軍事目的に動員される ことは歴史をふりかえれば明らかであり、現に安倍政権は大学と学問への攻撃を強め ています。多くの学生が戦地に送り出された過去を繰り返すことは許さないという決 意から、私たちも戦争法案に反対してきました。 戦争法案と安倍政権に対して、ふつうの市民や若者たちが、自らの意思で続々と国 会前や全国各地に集結し、廃案・反対の声を上げました。これに連帯して、「安全保 障関連法案に反対する学者の会」を中心にして、学生、教職員はもとより卒業生や退 職者も含めた私立大学「有志の会」が次々と組織され、多様な声明が発せられました。 こうした広がりは、これからのたたかいに大きな展望を切り拓くものです。 私たち東京私大教連は、社会と共同してつくりあげてきた学問の成果の破壊を許さ ず、憲法違反の戦争法制を一刻も早く廃止させる運動に、これからも一層強い決意を もって奮闘することをここに表明します。 以 上
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