イギリス留学で学んだこと Vietnam internship

■ グローバルエンジニア育成のための海外インターンシッププログラム推進事業参加体験記
本学では、企業・産業のグローバル化が進行
する現状にあって、異文化を理解しつつ専門分
野について英語で議論のできる技術者・研究者
の育成を目標とし、本学大学院生を企業体験、
研究体験、教育体験のいずれかのインターン
シップに派遣するプログラムを平成20年度から
実施してきました。5年間で98名の学生が本プ
ログラムに参加し、13カ国、36機関でインター
ンシップに取組みました。
ここに、今年度参加した学生の短信をご紹介
します。
イギリス留学で学んだこと
Vietnam internship
兼
田
諭
(先端ファイブロ科学専攻 博士後期課程2回生)
イギリス−リーズ空港の税関で「空港には誰
か迎えに来ますか?」と英語で尋ねられた際ほ
とんど英語を聞き取ることができずおろおろと
し冷や汗をかく、このような体験で留学の初日
はスタートしました。迎えに来てもらった車の
中でのこれからの1ヶ月間への不安な気持ちは
今でも思い出します。
しかし、いざ生活が始まると、学生寮のルー
ルやバスの乗り方といった一般英語から、文化
財保存の技術や色彩デザインの意義などの学術
英語まで、日常的に英語が飛び交う環境は私の
聴く耳と、話す度胸を鍛えました。
イギリスで1ヶ月間過ごした日々は、私に多
くの経験をさせてくれました。もちろん、ロン
ドンの大英博物館で見たロゼッタストーンや、
ナショナルギャラリーで見た絵画の数々、電車
から見たどこまでも広がる緑の牧草地は忘れら
れませんし、雨の中まったく来ないバスを待っ
ていたのもいい思い出です。しかしこれら以上
に、相手に自分の思いをうまく伝えられないも
どかしさ、話される英語の一言一句を逃さぬよ
うする緊張の連続、自分を知っている人が周り
に一切いない心寂しさ、知らない土地で優しく
してもらったありがたさ、自分の気持ちが通じ
た喜びは胸に焼き付いています。この一月の経
験は、再び海外に出るときの大きな自信になる
と思います。
最後になりましたが、このような貴重な体験
をさせていただき本当にありがとうございまし
た。
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(応用生物学専攻
高
畠
暁
子
博士前期課程1回生)
昨年の夏、英語での研究活動を通じてグロー
バルな視点を養うことを目的とする海外イン
ターンシッププログラムで、本学学生7名とと
もにベトナムに約2週間滞在しました。ベトナ
ム最大の都市であるホーチミンとメコン・デル
タ最大の都市であるカントーでは、ホーチミン
市自然科学大学とカントー大学を訪れ、ベトナ
ム人学生とともに学生実験をおこないました。
英語で話し合いながら研究計画を立てて実験作
業をおこなうことは初めての経験で、当初はお
互いの言うことを理解するのに大変苦労しまし
た。しかし、筆談やイラストを使い、何度も聞
き返しながらコミュニケーションを深め、最後
の報告会まで無事にやり遂げることができまし
た。また、日本での研究内容に関する英語での
プレゼンテーションもたいへん有意義な経験で
した。滞在中は、日越ジョイントセミナーへの
参加やベトナムに拠点をおく日系企業の工場見
学もおこないました。海外で働くことに対して
は敷居が高いイメージを持っていましたが、よ
り良いものをつくろうとするものづくりの姿勢
は海外でも同じであるというお話を伺い、選択
肢の一つとして積極的に考えてみたいと思うよ
うになりました。今回の滞在を通じて、文化や
言語の違いを超えて、一生懸命論理的に伝える
ことの重要性を体感することができました。こ
のような貴重な体験をする機会を与えていただ
いた本学及びベトナムの関係者の方々に厚く御
礼申し上げます。