学力向上サポート事業

実生活に生きてはたらく漢字力を育てる指導
~やごひが漢字検定と辞書の活用を通して~
名古屋市立八事東小学校
校長
山本かほる
〒468-0063
名古屋市天白区音聞山1801番地
T E L ( 052) 831-8402 F A X (052)834-9362
URL http://www.yagoto-e-e.nagoya-c.ed.jp/
事業のねらい
本 校 で は 、 本 市 国 語 力 向 上 推 進 事 業 に 沿 っ て 、 平 成 23年 度 か ら 継 続 し て 漢 字 力 の 定 着
に取り組んできました。特に毎日の朝学習では、漢字に興味関心をもたせる指導、とめ・
はね・はらいに気を付けて正確に書く指導など、内容を工夫して実践を積み重ねてきまし
た 。 そ の 結 果 、 25年 度 末 の 「 や ご ひ が 漢 字 検 定 」 で 多 く の 児 童 が 成 果 を 上 げ る こ と が で
きました。しかし、他教科のノートや連絡帳の記述など、日常の「書く活動」の中では、
既習の漢字を使えていない実態がありました。そこで、実生活で生きてはたらく国語の能
力を重視する現行学習指導要領の趣旨をふまえ、テーマを設定しました。今年度のねらい
と し て は 、 漢 字 の 3要 素 「 形 ~ 正 確 に 書 く 」「 音 ~ 正 確 に 読 む 」「 義 ~ 意 味 が 分 か る 」 の 観
点 か ら 下 の 2点 を め ざ し ま し た 。
ねらいA
ねらいB
こ れ ま で 指 導 し て き た 「 形 」「 音 」 の 一 層 の 定 着 を 図 る
「義」については、文章の中で「意味のある文字」として漢字を捉え、
実生活でも読んだり書いたりできるようにする。
事業の内容
≪ ね らい A≫「 形 」「音 」の定 着 をめざ し た工 夫改 善
○
「 やご ひ が 漢 字 検 定 」 と 「 日本 漢 字 能 力 検 定 」
「やごひが漢字検定」を各学期に実施し、とめ・は
ね・はらいに気を付けて正確に書けるように、基礎基
本 の 定 着 を 図 り ま し た 。 ま た 、「 日 本 漢 字 能 力 検 定 」 へ
の挑戦により、漢字学習へのさらなる意欲の喚起を図
り 、そ の結 果 を 、指 導 方 法 の 工 夫改 善 に 役 立 て ま し た 。
やごひが漢字検定の様子
≪ ねら い B≫ 「義 」:意 味の理 解 と文中 での 活用
○
漢 字 を 文 の 中で 使 う 授 業 実 践 と 1 人1 冊 「 マ イ 辞 書 」( 3 年 ~ 6年 )
日常生活の中で、既習漢字を
正しく使うことができるように
するため、間違っている漢字を
正しく書き直す「漢字まちがい
さがしゲーム」などを学習の中
に 取 り 入 れ 実 践 しま し た 。ま た 、
付箋やマーカーを使う6年生
正しい漢字に直す様子
児 童 1人 1人 に 専 用 の 辞 書 を 常 備 し 、 い つ で も 活 用 で き る よ う に し ま し た 。 自 分 専 用 の 辞 書
としたため、付箋を付けたりマーカーペンで線を引いたりするなど、効果的に辞書を活用
す る こ と が で き るよ う に な り ま し た 。
事業の成果
事 業 の 成 果を 検 証 す る た め に 児 童 を対 象 に 、 以 下 の ア ン ケ ート 調 査 を 行 い ま し た
【以前と比べて辞書を使う事が増えましたか】
【漢字を活用しようとしていますか】
とても増えた
増えた
活用している
少し活用している
減った
とても減った
あまり活用していない
活用していない
減った
1%
増えた
52%
活用していない
1%
あまり活用
していない
5%
とても増えた
47%
少し活用している
39%
対象:3~6年児童371名
活用している
55%
対象:1~6年児童542名
事業のまとめ
漢 字 検 定と 辞 書 の 活 用 を 通 し た実 践 に よ り
① 事業の内容
各学期末に実施した「やごひが漢字検定」によって、児童の意欲を引き出すことが
で き ま し た 。 ま た 、「 日 本 漢 字 能 力 検 定 」 を 受 験 す る こ と で 、 児 童 の 意 識 向 上 に 加 え て 、
保護者の漢字力向上に対する意識向上もみられました。これにより、学校と家庭が連
携 し て児 童 の 漢 字 力 向 上 に 取 り組 む こ と が で き ま し た。
②
文 の中 で 正 し く 漢 字 を 使 う 実践 や 1人 1冊「マ イ 辞 書 」を 常 備 す る こ と で 、意 味 を 調 べ 、
文 章 の中 で 正 し く 活 用 で き る よう に な り ま し た 。 ま た、 読 め な い 漢 字 に 出 合 った と き に 、
漢字の形や文脈から意味を推測して読み取ることもできるようになりました。漢字と
のかかわりの中で、国語の学習だけでなく日頃の生活の中で、漢字を活用する機会が
大 変 増え て き ま し た 。