事例からみるリニューアルの実態と手法

第1部
事例から見るリニューアルの実態と手法
2
株式会ゆう建築設計
3
3
20件の事例から見るリニューアルの実態
規模 病床
リニューアルの契機
(㎡) 数
番号
場所
種別
敷地状況
1
神奈川県横浜市
改修
-
改修2500
306
医業継続
CKD治療拠点化、健診センター再編,透析、化学
居ながら改修
療法のイメージ刷新、エントランス、外来改修
2
富山県富山市
増築+改修
敷地追加
2000
68
適法化・医業継続
透析部門の強化、イメージ刷新
居ながら増築・改修
3
埼玉県新座市
増築+改修
敷地追加
6000
170
老朽化・医業継続
病棟環境の改善、
既存の余剰スペースの将来活用
将来活用:ショート・サ高住
4
東京都世田谷区
増築+改修
敷地追加
11000
251
老朽化・医業継続
主力医療機能強化
イメージ刷新
仮設病棟をサ付住宅に利用
5
大阪府羽曳野市
増築+改修
-
12000
88
病床増・老朽化
手術環境の強化
6
京都府長岡京市
増築+改修
-
8900
287
医業継続・耐震化
精神救急病棟の創設・既存病棟環境改善
7
京都府宇治市
増築+改修
-
24000
526
老朽化
慮用環境の充実、外来の新しい展望
居ながら増築・改修
8
京都府京丹後市
現地建替
-
21400
306
適法化・老朽化
増床・敷地内耐震化・BCP
居ながら増築・改修
9
大阪府茨木市
現地建替
敷地追加
2175
43
M&A・適法化・医業継続
低侵襲治療センター科、婦人科新設
レディース病棟の設定
10
京都府宇治市
現地建替
-
11000
291
老朽化・狭隘化・耐震化
医療環境の改善、社会が求める医療ニーズへの対 居ながら増築・改修
応(認知症高齢者への対応)
ポータブル発電機導入補助金
11
和歌山市
現地建替
-
5200
60
老朽化・狭隘化
病棟環境の改善、イメージ刷新
全体計画認定
12
兵庫県明石市
現地建替
敷地追加
7400
155
老朽化・医業継続
病院の施設基準への適合・環境改善
限られた敷地での建替え実現
13
神奈川県横浜市
移転新築
-
2688
50
医業継続
入院透析への対応
医療療養50床配分でもらう
14
徳島県
移転新築
-
7000
216
老朽化・津波対策
療養環境の改善
15
大阪府高槻市
移転新築
別敷地に移転
9233.74
16
広島県江田島市
移転新築
-
8600
96
老朽化・狭隘化
回復期リハ・地域包括ケア病棟の変革・充実
外来診療の増強
17
兵庫県神戸市
移転新築
-
10500
147
老朽化・狭隘化
手術・救急部門の創設、急性期病床の強化
18
兵庫県
移転新築
-
5800
89
老朽化・狭隘化
内視鏡検査部門の充実、交通利便性向上
19
兵庫県加古川市
移転新築
-
6400
94
老朽化・狭隘化
手術部門の充実、透析センターの創設
20
兵庫県神戸市
移転新築
敷地追加
1380
35
老朽化・狭隘化
19床有床診療所から35床病院
240床 老朽化
リニューアルの目的
M&Aの病院の移転新築
4
備考
新しくストレスケア病棟
4
耐震交付金10床減
既存透析センターと一体化
リニューアルの全体像
3つのテーマからの分類
1.リニューアル種別
a. 改修
b. 現地建替+増築
c. 移転新築
2.事業開始の契機別
a. 医業継続
b. 老朽化・狭隘化
c. 医療法改正(面積・廊下幅)
3.事業の目的別
a. 医療機能強化(増床・部門創設・機能充実)
b. 環境改善
c. 適法化(医療法・耐震)
リニューアル
5
5
リニューアルを行う時にクリアしたい条件
目的を果たす
⇒
切れ目の無い
医業を継続
⇒
負担を少なく
⇒
⇒
耐震改修、床面積拡大、機能・デザイン向上
設計及び施工の自由度を確保
医療の継続・顧客の継続・職場の継続
現在の建物条件・人員条件のまま継続
医師・スタッフ・患者の負担
リニューアルコストの負担
工事中の負担
(騒音振動、動線、機能制限)
6
6
リニューアル形式による性能比較
目的達成度
医業継続
機能性
/自由度
時期/
工事の影響
移転新築
◎
◎
現地建替
○
○
○
△
(仮設建物型)
現地建替
(居ながら型)
改装のみ
負担軽減
総合
移転コスト
工事中の負担
△
◎
◎
△
○
○
○
○
△
○
△
○
△
△
土地代
7
7
移転新築が一番? −利点と課題−
利点
・計画の自由度が高く、求める機能の実現が容易
・構造、設備が刷新される
・移転までの間、通常と変わらず医業継続ができる
・工事中の患者・スタッフ・医師・経営サイドの負担が極小
課題
・条件に適合する土地が見つかるかが最重要
医療営業上・面積や法的制限上・価格上 適合するか
・移転後の面積は現状の1.5倍以上となる傾向
同じ病床数でも医療機能の強化、狭さの改善により現状よりさらに大きく
8
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現地建替の問題点
・機能の部分休止を余儀なくされる場合がある
…患者離れ・スタッフ確保・医業責任
・仮設病院での医業継続
…病棟の建設は多大なコストがかる
…動線確保が難しく、医師・スタッフの負担大
⇒敷地内仮説病棟などでは、将来の利用転用を条件に可能性はある
・現地建替では、居ながら工事・改修が必須となる
最低限の建替用空地「種地」が必要
9
9
現地居ながら建替の条件
「移転先の土地がない」
「土地代にコストをかけたくない」
「現在の土地で居続けたい」
「現在の建物を使い続けたい」
現在の土地で居ながら建替(増改築)ができるのか?
① 法規制のクリア(耐震、建築基準法、開発関係の都市計画法、医療法など)
② 種地はあるか(使っていない建物が無い場合、種地が必要)
③ 既存の設備は使えるか
④ 工事中の医業継続は可能か
⑤ 工期が長期に及ぶ
⑥ 使える補助制度はあるか
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