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【資料】
別 紙
本庁舎整備検討に係るこれまでの経過
1 趣旨
東日本大震災を受けて、本庁舎が抱える課題やそれに対する対応策については、平成23年度に市内部
で「本庁舎のあり方に関する基本的な考え方」を作成し、平成24年度には建築の専門家による「本庁舎
整備方策検討基礎調査」を実施し、今年度は当該基礎調査報告書について大都市制度・都市問題調査特別
委員会における調査及び学識経験者による検証を受けるなど、検討を進めてきました。
2 現庁舎が抱える課題
現庁舎は、昭和45年(1970年)の竣工から既に40年以上が経過しており、次のような大きな3
つの課題を抱えています。
(1)防災面
・Is値が災害拠点に必要な値である0.9はもとより、一般建物の基準である0.6も下回っている
⇒災害拠点としての耐震性能が不足、大地震の際に建物が倒壊・崩壊の危険性
・非構造部材(天井材、設備、ロッカー等)の補強が不十分
⇒大地震の際に人的被害や業務活動に支障の可能性
・建物を支える杭の設計が古く、地震による水平方向の影響が考慮されていない
⇒地震時に杭が損傷し、建物が使用できなくなる可能性
・本庁舎の敷地が埋立地
⇒地震の影響により液状化が発生する可能性
(2)分散化・狭隘化
・本庁舎、中央コミュニティセンター及びポートサイドタワーに事務室が分散
⇒来庁者の利便性や職員の業務効率性に支障、年間約5億6千万円(H25 契約額)の借上げ料の負担
(3)老朽化
・建物や設備の経年劣化
⇒突発的な不具合が発生し業務を継続できないおそれ
・バリアフリー化や省エネなどの環境性能が不十分
⇒障害者や高齢者の円滑な庁舎利用に支障、断熱性能が低く空調に余分なエネルギーを消費
3 これまでの検討経緯
H22
3月11日 東日本大震災
年度
H
2
3
年
度
H
2
4
年
度
7月
本庁舎のあり方について検討開
始
現庁舎の抱える課題や、課題に対する対応策について、管財課内にプロジェクトチー
3月8日
本庁舎のあり方について特別委
員会から提言
議会の防災・危機対策調査特別委員会から「本庁舎のあり方について多角的な観点か
3月
「本庁舎のあり方に関する基本
的な考え方」を取りまとめる
現庁舎の課題を整理するとともに、課題に対する対応策として6つの検討ケースを設
定して分析。
5月9日
「基本的な考え方」を特別委員
会に報告
「基本的な考え方」を報告。
6月
第2回定例会において基礎調査
費の補正予算が承認
市で作成した「基本的な考え方」を精査するため、本庁舎整備方策検討基礎調査費が
7月
専門家に基礎調査を委託
株式会社東畑建築事務所を受託者として、基礎調査を開始。
3月
基礎調査報告書を取りまとめる
課題に対する対応策として8つの検討ケースを設定し、定性的・定量的評価を実施。
4月18日
基礎調査結果を特別委員会に報
告
議会の大都市制度・都市問題調査特別委員会に、基礎調査内容を報告。
5月27日
H
2
5
年
度
書棚等の転倒や天井及び窓ガラスの破損等により、業務が一時中断。
8月
千葉大学工学部に第三者評価を
委託
基礎調査結果を特別委員会に報
10月11日
告
10月
11月25日
12月2日
ムを設置し、内部検討を開始。
ら早急に検討し、市民の理解が得られる庁舎整備を推進されたい」との提言を受ける。
補正予算として認められる。
4(1)
特別委員会において指摘のあった基礎調査内容に対する第三者評価を、千葉大学工学
部に委託。
基礎調査内容のうち、定量的評価の詳細(ライフサイクルコスト)について説明。
第三者評価報告書が取りまとめ
られる
建築計画、建築構造、建築設備、地盤工学の4つの観点から第三者評価が行われた。
第三者評価結果を特別委員会に
報告
基礎調査報告書に対する第三者評価結果を報告。
4(2)
4 検討結果のまとめ
(1)基礎調査の結果
(単位:億円)
A-1
A-2
A-3
A-4
A-5
B
C-1
C-2
改修
方式
改修+
賃借集約
方式
改修+
購入集約
方式
改修+
新築集約
方式
改修+新
築・議会
集約方式
新築集約
方式
賃借集約
方式
購入集約
方式
※
※
定
性
的
評
価
建物性能
△
△
△
○
○
◎
(△)
(○)
建物利用
×
▼
▼
△
○
◎
(○)
(○)
敷地利用
○
○
○
△
○
◎
(▼)
(▼)
定
量
的
評
価
施設整備期間(5 年)
179.90
208.41
277.48
255.99
258.60
274.90
88.44
261.80
維持管理期間(50 年)
710.45
702.30
386.68
387.96
373.13
296.67
915.60
338.51
ライフサイクルコスト(55 年)
890.35
910.71
664.16
643.95
631.73
571.57
1,004.04
600.31
※ C-1、C-2は対象物件が不確定のため、参考評価
①8つのケースの中では、A-4、A-5及びBの3つの評価が高い。
②定性的評価では、B、A-5、A-4の順に評価が高い。なお、敷地の有効利用や将来の建て替えな
ど、将来を見据えた資産経営を考えると、Bのポテンシャルが最も高くなる。
③定量的評価においても、B、A-5、A-4の順に評価が高い。ただし、A-4及びA-5の費用に
ついては、既存の建物を利用するため、追加工事リスク(既存の部材が予想以上に劣化している、あ
るいは想定していた状況との乖離が大きく追加工事が必要になるリスク)が伴う。
(2)第三者評価の結果
①定性的及び定量的評価の結果、本庁舎敷地に機能集約を図るA-4、A-5及びBの3つのケースが
総合的な評価が高くなったのは、妥当な判断と言える。
②A-4及びA-5は、既存建物の耐震補強や大規模改修を伴うため、実際に工事を行う段階で不測の
問題が発生するリスク※1 を抱えている。
③建物を新築するBでは、これらのリスクを低減できるほか、建物の耐震性や地盤の液状化に対する課
題※2 についても、抜本的な解決が可能という優位性がある。
④千葉市の将来像を見据えたうえで、4haもある本庁舎敷地の有効活用という観点を持つのであれば、
Bに優位性がある。
⑤今後、本庁舎の整備方策を絞り込むことになると思われる。本庁舎整備だけでも事業規模は相当大き
なものとなるが、それに加えて本庁舎敷地の有効活用を含めるとなると、民間企業にアイデアを求め
ながら官民協働事業として進めるなど、行政と民間とが対話をしながら、将来の千葉市にとってより
良いものを作り上げていくようなアプローチが有効だと考えられる。
※1 改修工事の場合、事前の耐震診断や既存杭の状況調査等による計画の大幅な見直しや、改修工事開始後の現地確認
による設計変更など、当初の想定額よりも金額が増加する傾向があり、注意が必要になる。
※2 本庁舎敷地には、液状化が発生するリスクが高いという課題がある。
なお、液状化対策は十分に可能なため、本庁舎敷地の活用を前提とすることに問題はない。
5 今後の本庁舎整備に対する考え方
平成24年度に実施した基礎調査においては、8つの検討ケースを設定し、約4haある本庁舎敷地に
本庁機能を集約する3つのケースの評価が高くなりました。
その中で、一番コストが抑えられ、市役所の機能が最も高められるのは、新庁舎を現敷地に建設する整
備手法となっています。
今後は、この結果を踏まえ、新庁舎建設に向けた基本構想・基本計画策定のための来年度当初予算を計
上し、附属機関の設置や市民アンケートの実施など、市民や議会の理解を得ながら事業を進めていきます。