見るから始まる 図画工作科 図画工作科 暮らしにつなぐ 家庭科の学び 山川 昭大 家庭 科 附属小学校図画工作科及び,附属中学校美 豊田 麻美 「 小学 校で 教 わっ たこ とが し っかり 身に付 術科では,描くだけ・つくるだけではなく, いていると本当に助かる。」 見ることとつくることの一体化や融合を目指 中 学 校教 員の 友 人が 発し た 一言で す。何 しています。では,何を見ればよいのでしょ 事も 定 着さ せる た めに は繰 り 返しが 欠かせ うか。 ませ ん 。せ っか く 獲得 した 知 識も, 身に付 いた 技 能も ,使 わ なけ れば 忘 れてし まいま 1 視点を与える す。 そ こで ,小 学 校で の学 び を中学 校へと 子どもたちが,形や色の特徴に気付き,ア つな い でい くた め に, 以下 の 3点に 重きを イデアや工夫を見付けることができるよう, おいた指導を行っています。 じっくりと見るための視点を与えるようにし 1 基礎・基本定着タイムの設定 ています。例えば,「初めて感じるもの」「自 授 業 開始 の3 分 間程 度で , 知識を 問うた 分との違い」 「面白さ」 「分析的に」などです。 り, 技 能を 高め た りす るた め の練習 を行う そうすることで,子どもは形式的に見るので 継続 的 な取 組で す 。こ の取 組 を計画 的に積 はなく,表現につながるような見方ができる み重 ね るこ とで , 子ど もは 「 できる 」体験 ようになるのです。 を重ね,自信を付けていきます。 2 2 触れる 実践的・体験的な活動 観 察 や実 験実 習 をで きる だ け取り 入れ, 子どもは,手で触れてものの有り様を感じ 実感 を 伴っ て理 解 する 学習 を 仕組む ように ながら,何をつくるか,どうつくるかを既に して い ます 。例 え ば, みそ 汁 作りの 学習で 考えています。つまり,触れることは,思考 は, だ し入 りの も のと だし 無 しのも のを飲 そのものでもあるのです。そのため,手や体 み比 べ ます 。香 り や味 の違 い が分か り,だ で触りながら見ることを重視しています。そ しを と るこ との よ さに 気付 く のです 。この うすることで,見ながらにして思考も深める よう な 実感 を伴 っ た学 びは 子 どもた ちの理 ことができるのです。 解を 確 かな もの に し, 家庭 で の実践 に直結 するものとなっていきます。 3 そして表現へ 3 家庭での実践化を図る取組 表現には図工・美術の本分である形や色に 家 庭 の中 で役 立 つ自 分を 実 感でき るよう よる表現と,言語による表現があります。言 にす る ため に, 学 習の ゴー ル を,家 庭での 語による表現では,鑑賞の後に感じた感覚的 実 践 に 位 置 付 け て い ま す 。 そ こ で ,「 家 庭 なものを全員で共有するのに有効です。 科だ よ り」 を発 行 し, 家庭 と 連携を 図った このような学びを繰り返すことによって, 子どもは,一人一人が感じたものや価値観を り, 実 践カ ード の 取組 を価 値 付けた りする ことで,実践に結び付くようにしています。 みんなで分かち合い,新しい「ものの見方や 小 学 校で の学 び が土 台と なって ,中 学校 考え方」を身に付け,それを自分の作品づく の発 展 的な 学習 が ある こと を ,日 々意識し りに生かしていくのです。 ながら,知識・技能の定着を図っています。 - 10 -
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