セラミック炭による室内空気質の改善技術

平成17∼19年度
(共同研究)
研究成果事例
セラミック炭による室内空気質の改善技術
- 有害 VOC と木材の香り成分の選択的吸着 図1 木造施設の空気質
有害 VOC
木造では、有害な VOC 成
分に加えて、有益な木材
の芳香成分が存在する。
濃度(ppm)
12
9
図2 有害 VOC と木材の香りの吸着試験と主観評価
6
α-ピネン
トルエン
3
0
0
6
12
18
24
(上)有害なトルエンを急激に除去し、香り成分の
α-ピネンは殆ど吸着しない
(下)主観評価でも木材の香りを残して快適にする
(比較の活性炭は香りも吸着除去してしまう)
吸着時間(h)
▲写真1 セラミック炭
スギ・ヒノキ間伐材にベン
トナイトを担持して炭化し
た顆粒状セラミック炭
間伐材を原料としたセラミック炭は、木材の香り成分はそのままに、
有害な VOC 成分のみを除去できる選択吸着機能を持ちます。この機
能を活用して、新規の空気質改善製品の開発を行います。
木造施設などの室内空気中には、シック
ハウス症候群の要因とされる有害な揮発
性有機化合物(VOC)に加えて、リラック
スや抗菌、防虫などの有益な効果のある木
材の香り成分が混在しています(図1)。
本研究では、スギ・ヒノキ間伐材から所
定の条件にて炭化焼成したセラミック炭
には、有益な木材の香り成分はそのままに、
共同研究機関
㈱アスカム
有害な VOC 成分のみを吸着除去できる機
能があることを見出しました(図2)。
セラミック炭のこの選択吸着機能を活
用して、有害 VOC 浄化と芳香機能を兼ね備
えた「静岡県産杉・ひのきを用いた空気質
改善インテリアの開発」を行っています。
今後、家具や空調等の住宅設備への展開
も期待できます。
お問い合わせ先
工業技術研究所
ユニバーサルデザイン工芸科 工芸スタッフ
電話 054−278−3024