現代に多い生活習慣病

みなさん、今年はいつ健康診断を受けますか?毎年、受けていますか??
健康診断や人間ドック、特定健診・・・よく耳にしますが、ちがいは何なのでしょうか。
今回は、なぜこれらを受けた方がいいのか、ちがいは何なのかをご紹介します。
♣現代に多い生活習慣病
厚労省によると、現代はがん・心疾患・脳血管疾患
による死亡割合が全体の約54%を占めており、
それらは偏った食生活や運動不足・睡眠不足・スト
レス・喫煙など生活習慣によるものとされ、生活
習慣病といわれています。心疾患・脳血管疾患は、
①肥満症、②高血圧症、③糖尿病、④脂質異常症を
合併すればするほど動脈硬化が進み、死のリスクが
高くなります。最近よく聞くメタボリックシンドロ
ームとは、肥満の中でも『内臓脂肪型肥満』である
ことに加えて②~④のうち2つ以上を併せ持って
いる状態のことをいいます。
死因別死亡割合(平成 23 年)
♣健康診断とは
労働安全衛生法第 66 条に基づき、『事業者は労働者に対して、医師による健康診断を実施
しなければならない。また、労働者は、事業者が行う健康診断を受けなければならない。』
と法律で義務化されているものです。
特殊な職業や有害業務に従事する方は、「特殊健康診断」等を受ける必要がありますが、
一般の方は「一般健康診断」の中の、「定期健康診断」を1年に1回受けることになっています。
定期健康診断
1 既往歴及び業務歴の調査
2 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3 身長(※1)、体重、腹囲(※1)、視力及び聴力の検査
4 胸部エックス線検査(※1) 及び喀痰検査(※1)
5
6
7
8
血圧の測定
貧血検査(血色素量及び赤血球数)(※1)
肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)(※1)
血中脂質検査(LDLコレステロール,
HDLコレステロール、血清トリグリセライド)(※1)
9 血糖検査(※1)
10 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
11 心電図検査(※1)
♣特定健診とは
※1: それぞれの基準に基づき、
医師が必要でないと認めるとき
は省略することができる。
なお、「医師が必要でないと
認める」とは、自覚症状及び
他覚症状、既往歴等を勘案し、
医師が総合的に判断すること
をいう。
したがって、機械的に決定
されるものではない。
健康診断と同じように会社などからの指令で 40 歳以上 75 歳未満の医療保険加入者が対象で受
けるものです。
ちがう点は、
1:上記の生活習慣病の予防・早期治療を目的とし、
メタボリックシンドロームに着目した健診項目のみ
2:病院や会社により受ける時期が決まっている
3:結果を元に、その人その人の健康状態・生活状況にあった生活でのアドバイスや
指導がもれなくついてくる
メタボ健診ともいいます。
★BMI:Body Mass Index(肥満指数)の略。
BMI=体重(kg)/[身長(m)×身長(m)
肥満度の判定基準(日本肥満学会 2000)
★腹囲:男性 85cm 以上、女性 90cm 以上
だと内臓脂肪型肥満と判定する。
BMI
低体重(やせ)
18.5未満
普通体重
18.5以上
肥満(1度)
25以上
30未満
肥満(2度)
30以上
35未満
肥満(3度)
35以上
40未満
肥満(4度)
25未満
40以上
内臓脂肪は、腹囲(へその高さで測る
ウエスト周囲径)と比例するため、
腹囲を測定することで内臓脂肪型肥満
かどうかの判定が行われる。
♣人間ドックとは
一般的に健康診断より検査項目が多く、精密な・複合的な検査です。会社から健診として受け
るよう指示されることもあるので人間ドックも健診と同じ側面を持っていますが、法的な義務
としての記載はありません。ちがいとしては・・
1:個人で、任意で、自分の好きな時期に受けることができるものが多い
2:クリニックやコースにより検査項目は様々であり、半日で済むものから短期入院するもの
まである
最近では、脳ドックやがんドック、レディースドックなど各分野に特化したコースを自分の状
態に応じて受ける方が増えてきており、旅行を兼ねて健診もする「リゾート旅行+人間ドック」
なども出てきているようです。
どれも、自分の健康状態を把握し、早期発見・早期治療のきっかけとなる大事な検査です。
学生などの時は、学校保健法により健診を受動的に受けることが出来る(職員も受ける義務が
ある)が、大人になれば、自分の健康には自分で責任を持ち、「めんどう」や「時間がない」
と言わず、年に1回はしっかり受けに行きましょう。
結果の見方など分からないこと、健診について気になることがあれば、薬剤師・管理栄養士が
いますので薬局までお気軽にご相談ください。
参考:厚労省、政府広報オンライン HP
薬剤師
渡邊知里