第64回特攻平和観音年次法要の斎行 - 公益財団法人 特攻隊戦没者

第64回特攻平和観音年次法要の斎行
恒例により9月23日(秋分の日)に実施された年次法要は、心配していた天
気も問題なく素晴らしい日本晴に恵まれた大変爽やかな1日となり、第64回目
の特攻平和観音年次法要が斎行された。
さて、今回の年次法要も、特攻観音堂すぐ
横にある鐘楼堂で14時ジャストに青木義
博氏と藤田信之氏2名による梵鐘点打3回
を合図に開催となり、司会者である及川昌彦
氏の進行により全員による国歌斉唱を皮切
りに年次法要が開始された。
その後、既に特攻観音堂に入堂されている特攻観音寺山主の太田賢照住職によ
る「特攻平和観音経による山主願文」、そして平成19年から神仏習合の形式で行
うようになって以降である駒繋神社の澤田浩治宮司により神式による修祓・献
餞・祝詞奏上が執り行われた。
今回も、演奏に関しては一昨年
から海上自衛隊東京音楽隊で勤
務されていた堀田和夫氏による
素晴らしい音色によるトランペ
ットのみによる演奏が行われた。
ところで、この法要で使用されて
いる『特攻観音堂』は昭和29年
に華頂宮様から手が離れたのを
知った先代の太田睦賢和尚が譲
り受け現在地に移築されたもの
であったが、お堂も年の経過で老朽化が進んでいたため平成17年に会員等から
多くの浄財を集め改修・修復されたものが現状のお堂である。当然であるが、こ
の観音堂の中に陸軍及び海軍其々1体の「特攻観音像」2体が安置されている。
祭主である(公財)特攻隊戦没者慰霊顕彰会の理事長・杉山 蕃氏によって祭文
が奏上され、続いて、一昨年から来賓として参列されている世田谷区長の保坂展
人氏によって参列者に対し地元を代表する挨拶が行われた。
その後は、陸軍と海軍特攻隊戦没者の遺詠2首を、昨年から石橋一歌先生に代わ
り素晴らしい美声でもって一誠流吉野一心先生と龍笛の逢坂龍信先生お二人によ
り遺詠が吟じられ一同静粛に聞き入っていた。昨年から、吟詠はお弟子さんの吉
野一心先生に交代されているが、未だに献吟に合う献吟の抑揚、節曲作りなどは
石橋一歌先生が携わっておられるようである。
次に行われた献歌であるが、従前
は主に女性のみの世田谷コールエ
ーデ合唱団によって行われてきた
が、今回より石井光政氏指揮の下、
数名の有志で編成された「特攻慰
霊顕彰会男性合唱団」により「空
の神兵」、
「若鷲の歌隊」、の2曲が
披露され、その後は、全員が起立
をして「海ゆかば」の合唱が行わ
れた。
その後、喇叭の音も高らかに原
智
崇指揮官に導かれた「甲飛喇叭隊第
11分隊」が陸軍及び海軍の服装に
身を包み観音堂の前まで入場行進
が行われ、観音堂の前で英霊に対す
る捧げ銃と礼砲による統一の執れ
た元気で溌剌とした儀式が披露さ
れた。
次は神式による祭主の杉山理事長
及び来賓代表の保坂区長そして遺
族を代表して陸軍・第 102 振武隊
「猪瀬弘之の命」のご遺族である猪瀬和英さんの3名が参列者を代表して観音堂
前においての玉串奉奠が行われた。
その後は、仏式となり御遺族、御来賓に続き参加者全員により特攻観音堂前での
焼香が行われた。この焼香が終了した状況をもって、特攻観音堂から太田賢照山
首及び澤田浩治宮司等が退堂され池に佇む夢違い観音の前に進まれ、引き続きこ
の池の前にて池前祭の実施でもって今回の年次法要は終了となった。
法要に引き続き直会であるが、今年終戦70年でもあるとして始めてこの年次
法要に参列された前日本会議会長の三好 達氏(元最高裁長官)のお元気なご挨
拶と献杯の発声により参加者全員による直会が開始されました。
今回の参列者は昨年以上の二百名を超える多くの参加者でもあり、久しぶりに
再開される戦友や知己の方々が和気藹々と杯を交わし話もはずんでいました。
昨年からの隊友会世田谷支部の方々(医師、看護婦による救護所設置等)、甲飛喇
叭隊のメンバーそして今年からJWMAの支援者等も得て、当初の年次法要準備
及び直会へのテブルなどの配置替え作業等もスムーズに行う事ができました。来
年以降も支援者の方々宜しくお願いします。
観音寺で十分に準備してもらっていたお酒・ビールも会が盛り上がるにつれて、
足らないような状況でお寺に依頼しお酒を追加してもらった程です。
しかし、大いに盛り上がったために直会も予定時間も過ぎての閉会となった。
参列者の構成は勿論の事、従前は旧軍の方にお願いしていた受付等を含めた支
援者等、そして献吟・献歌・甲飛喇叭隊等実施者の交代を見ても、世代交代がは
っきりと進んでいるのを如実に見ることができた今年の年次法要であると感じた。
公益財団法人
特攻隊戦没者慰霊顕彰会
事務局長 羽 渕 徹 也