地球環境の成り立ちとそれを読み解く化学(仮) 大河内 直彦(海洋研究開発機構) 現在さまざまなレベルで問題となっている地球環境変動は,今後さらに深刻化 していく可能性が高い。地球環境研究が地球内部研究に比べて大きく違うとこ ろは,単に温度と圧力が低いということだけでなく,そこに多様な生物(酵素 反応)が関わって来ることと,表面反応がより重要になるため, (純粋な)物理 化学が通用しにくいという点である。つまり多種多様な素過程が関わるうえ, 個々の素過程の予測が難しい。そのため,地球環境の研究については,現在と いう時間断面を対象とする以外に,過去の地球環境から学ぶという経験的な方 法論が重要な方法論として機能する。過去の地球環境の復元は,今後の地球環 境の変動予測にとっても指針となることが多いのである。本発表では,そのよ うな地球環境研究の中において,SPring-8 が果たしていく役割について考えて みたい。
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