コミュニティ参加型プロジェクト−多読クラブ運営に携わった学生のケース

コミュニティ参加型プロジェクト−多読クラブ運営に携わった学生のケースを中心に−
The Community Involvement Project: Featuring the case of a student officer from the
Extensive Reading Club
柴田智子、佐藤慎司 (プリンストン大学) TOMOKO SHIBATA , SHINJI SATO (PRINCETON UNIVERSITY)
本発表では「社会参加をめざす日本語教育(佐藤・熊谷 2011)」の枠組みを採用したコミュニティ参加型プロジェクトの実践報
告を行う。このプロジェクトはアメリカ東海岸の私立大学の日本語上級コースの学生 12 名を対象に行われた。このプロジェクト
では、まず学生は、自分と日本語の関わり(どのような日本語話者になりたいのか、日本語の学習目的、将来への展望など)に
ついて考えた。その後、自分が所属したいと思うコミュニティを選び、その人々とどんな交流ができるか、自分はそのコミュニ
ティに対して何ができるか、自分の日本語学習にどのような利益があるかなどについて考え、Can-do statement をまとめ、提出
した。学生はそれに沿って活動計画を立て、1学期間活動を行った。
今回事例として取り上げるのはプロジェクト参加学生の1人ジョン(仮称)である。ジョンは寡黙であまり人と積極的にコミュ
ニケーションをするタイプではなかったが、読書好きで、読書を通して日本語で人々と交流する道を探していた。その時日本語
プログラムでは、ちょうど多読活動を開始し、日本語コース履修者への宣伝方法を模索していた。ジョンは東アジア研究図書館
の司書の協力を受けつつ、「多読クラブ」の宣伝とクラブ中の手伝いを行うことにした。この活動はなかなか軌道に乗らなかっ
たが、ジョンは講師、司書を始め、クラスメートからもアドバイスをもらい、様々な方策を試みた。
本発表では、ジョンの1学期間の活動の中でも特に彼の行動と日本語学習、そして、コミュニティ貢献への意識の変化に焦点を
当て分析を行う。そして、このようなコミュニティ参加型活動が日本語教育になぜ大切なのかを会場のみなさんと考えたい。