平成 27 年度熱力学第 2 回授業配布資料 H27.4.20 224M 1/2 偏微分に関して知っておくべき事 熱力学では偏微分を多用する。微積分で習った次の偏微分に関する関係をよく理解しておく事。 このプリントは後々参照するので保存しておくこと。 1. 偏導関数とその性質 独立変数が 2 つ以上の他変数関数において,一つの独立変数をのみに着目して,他の変数は定数と 見なして導関数を求めることを偏微分するという。その結果えられた関数を偏導関数という。 x, y の関数 f(x,y)の x および y に対する偏導関数は,それぞれ f x h, y f x, y f x, y lim h x y h0 (9) f x, y f x, y k f x, y lim k y x k 0 (10) である。(熱力学では,偏導関数で一定にする独立変数を添え字で表す) 偏微分の順序は交換できる。 f x, y f x, y y x y x x y x y (11) 2. 完全微分 x, y の関数を Q(x,y), P(x,y)を用いて Qx, y dx Px, y dy (12) の形で表されるものを微分形式という。(12)式の微分形式に対して,関数 f(x,y)が存在して,(12)が f(x,y)の全微分 f f df dx dy x y y x (13) に等しくなるとき,(12)は完全微分であるという。 (12)が(13)の右辺に等しければ f x, y Q x, y x y (14) f x, y Px, y y x (15) が成り立つ。(11)に(14), (15)を代入すると, Qx, y Px, y y x x y (16) が成りたつ。逆に(16)が成り立てば,(14),(15)を満たす関数 f(x,y)が存在することを示すことができ る。 平成 27 年度熱力学第 2 回授業配布資料 H27.4.20 224M 2/2 ○ 教員免許状更新講習「生活の中の熱とエネルギー」 http://polymer.apphy.u-fukui.ac.jp/~kuzuu/KoshinKoshuu/KoshinKoushuu.html 数式を使わない熱力学の説明,熱力学に対するトリビア,簡単な実験を紹介しました。
© Copyright 2024 ExpyDoc