第 １ ３ 号 (H27.10. 15) 文 責 菊 池 篤 志 (所 長 ) 写真：楽しそうな？鯉 ・ ・ ・ 「 人 の 立 場 に 立 っ た つ も り で … 。」 そうし けいし 前号（第１２号）では、荘 子と恵 子の有名な会話（知魚楽）につ いて触れてみました。その人の考えは、その人しか分からないという 恵子と反論する荘子の話でした。今回は、林覚乗さんの講演から、前 号に関連した「ヨウコちゃんの１０円玉」という話を紹介します。 小学生のヨウコちゃんは、単身赴任の父と別居して、旅館を経営している おじ・おば夫婦にお世話になっていました。ヨウコちゃんは、おじ・おばに迷惑 をかけないように、学校から帰ると旅館の掃除などの手伝いを毎日行いま した。おじ・おばは「手伝いはしなくていいから遊んでおいで…。」と言うので すが、ヨウコちゃんは遊びに行かないで手伝いをします。おばは５００円玉を 出し、「これで好きなものを買いなさい。十分に手伝ってもらったから…。」と 言うと、ヨウコちゃんは一旦は断ったものの、おばが何度も言うので、「じゃ あ、１０円玉をいっぱいほしいです。」と言います。おじ・おばは、お金の価値 が わ か ら な い子 な のか と 、 ち ょ っ と が っ か り す る の で す 。 ある夜、おばは、ヨウコちゃんが楽しそうにロビーの公衆電話で話をしてい る光景を見かけます。電話の相手はヨウコちゃんの父親だとすぐわかりまし た。おばは『ヨウコちゃんにとって、単身赴任中の大好きな父親と話ができる １０円玉は、一番大切なものだ。〔この時代、赤い公衆電話は１０円 玉 し か 使 え な か っ た 。〕 お 金 の 価 値 が わ か ら な か っ た の は 、 自 分 た ち だ 。 』 と 気 づき 、 お じ と 共 に 泣 き ま す 。 おじ・おばは、ヨウコちゅんのことを大切にし、常に気遣っていた からこそ、すぐに １０円の話とヨウコちゃんの行動を結び付けること け い し が で き ま し た 。 恵 子 の 言 う よ う に 、「 人 の 考 え は そ の 人 し か わ か ら な い 」 と し て も 、「 人 の 気 持 ち を わ か ろ う と す る 」 こ と が 大 事 で あ る と い う こ と を 、 こ の 話 か ら 教 え ら れ ま す 。「 人 の 立 場 に 立 つ 」 こ と は 難 し く て も 、「 人 の 立 場 を わ か ろ う と 」「 人 の 立 場 に 立 っ た つ も り で 」 考 えることが大切なのです。 副教材「 私 た ち が 拓 く 日 本 の 未 来 」 （総務省、文部科学省） 選挙権年齢が満１８歳に引き下げられたことを踏まえ、 この度（９月２９日）に標記副教材が公表されました。 １２月には全高等学校の生徒分と学級分の指導資料が配布 される予定となっていますが、すぐにダウンロードし、来夏の選挙に 向け、現高校３年生の指導に活用したいところです。 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shukensha/1362349.htm
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