尾張旭市立旭中学校3年生 卒業する君たちへ 角谷 拓也 卒業を迎える

尾張旭市立旭中学校3年生
第27号
2016年2月25日
この通信は生徒と保
護者の皆様に向け
て、編集・発行してい
ます。
卒業する君たちへ
角谷
拓也
卒業を迎える君たちに、どんな話をしようか悩みましたが、私の話をしたいと思います。
思い返せば、私が先生になりたいと思うようになったのは、今の君たちと同じ中学3年生
の時でした。その時は「なんとなく先生になりたいな」という漠然とした思いを胸に、高等
学校に進学しました。高等学校で色々なことを学び、自分の将来を考えたときに、「他の誰
でもできることではなく、自分にしかできないことを仕事にしたい」と思うようになり、家
庭科の教員を目指すようになりました。今でこそ家庭科の教員として君たちと日々一緒に勉
強をしていますが、ここまで来るには大変なことが多くありました。大学受験に失敗し、浪
人時代を一年間経験しました。大学では、クラスの大多数が女の子で、心許せる友人も少な
く、気を遣いながら生活し、お弁当を一人で食べる日も少なくありませんでした。教員にな
ってからは、責任ある仕事を任されることも多くなり、大変な日々を過ごしています。きっ
と君たちも卒業してから大変なことを色々と経験していくと思います。でも、そんな大変な
ことから逃げないで、立ち向かってください。時には逃げ出したくなったり、辞めてしまい
たいこともあったりすると思います。それでも、必死に、逃げずに、立ち向かってみてくだ
さい。
「大変」という字は、自分を「大」きく「変」えると書きます。私も多くの大変なことを
乗り越えてきました。口で言うほど人生経験が豊かではないですが、その度に自分が成長し
たと実感できることもありました。卒業した後、君たちは人生という大海原へ出航していき
ます。長い船旅のなかには、多くの「大変」があり、悩み、苦しむこともあります。しかし、
その全てのことは、自分を成長させるチャンスです。自分を「大」きく「変」化させていく
なかで、何事にも換えられない喜びや、達成感を味わうこともきっとあります。
社会の潮風に吹かれながら進む長い航海の途中、君たちが帰港し、再び出会うことができ
たとき、一回りも二回りも大きく成長し、人として魅力的な存在になっていることを願って
います。
最後になりましたが、卒業おめでとうございます。良い旅路を。