新製品紹介 車載インバータ用ノイズ抑制コア Noise Suppression Core for Automotive Inverter ® FINEMET FT-3K50T VR Series 2021 年,2025 年の CO2 排出規制 日立金属はこれまで車載用ノイズ 合,室温における FT-3K50T 材の 1 強化に向けてハイブリッド(HEV), 抑 制 コ ア と し て FINEMET ® MHz で の イ ン ピ ー ダ ン ス は, プラグインハイブリッド(PHEV), FT-3KM 材を用いたトロイダルコ FT-3KM 材の約 2 倍,Mn-Zn フェ 電気自動車(EV)など,環境対応車 ア, 「FT-3KM VF シリーズ」を供 ライト材の約 3 倍あり,ノイズ抑制 の投入や低燃費技術の開発が進めら 給してきたが,上述の市場要求に応 効果が高い。また Mn-Zn フェライ れている。その基幹部品としてモー えるため,FT-3KM 材より高周波 ト材と比べ温度依存性の小さいこと ターを駆動制御するインバータは, 帯域で高透磁率の FT-3K50T 材を が特長である。同じ特性を実現する パワー半導体を用いた高速スイッチ 用い,独自の熱処理技術に改良を加 場 合,FT-3KM 材 に 対 し て 体 積, ング方式で制御しており,そのス えて楕円形状コアにすることで高イ 重 量 と も に ほ ぼ 半 減 で き, ま た ン ピ ー ダ ン ス, 低 背 化 を 実 現 し, Mn-Zn フ ェ ラ イ ト 材 に 対 し て は イッチング時に生じる高長波成分の 伝導ノイズが,AM ラジオ周波数帯 「FT-3K50T VR シリーズ」として製 70 % 小 型 化,60 % 軽 量 化 で き る, 小型軽量なノイズ対策製品である 域に混信する問題が生じている。こ 品化した。 の対策として図 1 に示すように,イ 代表的な VR コアの外観を図 2 に ンバータの入出力にノイズ抑制コア 示す。当社 FT-3KM 材, Mn-Zn フェ バスバー形状にあわせた内形寸法 が採用されているが,省スペース, ライト材( 透磁率μ 7000 材)と比較 やコアを筐体に取り付ける構造設計 軽量化の観点から,小型かつ高イン した,FT-3K50T 材のインピーダン など顧客要求に応じた製品を供給す ピーダンスなコアが求められてい スの周波数特性および温度依存性を ることができる。 る。 図 3 に示す。同形状で比較した場 Battery charger Li-ion battery Inverter ( 表 1) 。 ( 磁性材料カンパニー) Motor : FINEMET® core 図 1 プラグインハイブリッド車のパワートレイン図 Fig. 1 Power train diagram of plug-in hybrid car 1,000.0 10 mm FT-3K50T 図 2 ファインメット® FT-3K50T VR シリーズの外観 ® Fig. 2 The FINEMET FT-3K50T VR series lineup FT-3KM Impedance (Ω) 100.0 表 1 体積,重量比較(日立金属比較) Table 1 Volume and mass comparison (measured by Hitachi Metals, Ltd.) 10.0 Impedance: 55 Ω (1 MHz) Mn-Zn ferrite 40 ℃ 20 ℃ 1.0 80 ℃ Material Volume (×10-6 m3) Mass (g) FINEMET® FT-3K50T 7 0.27 51 0.37 FINEMET® FT-3KM 15 0.57 107 0.77 Mn-Zn ferrite 26 1 (ref.) 139 1 (ref.) 130 ℃ 0.1 10 100 1,000 10,000 100,000 Frequency (kHz) 図 3 インピーダンス周波数特性比較(日立金属評価) Fig. 3 Comparison of impedance-frequency characteristics (measured by Hitachi Metals, Ltd.) 日立金属技報 Vol. 32(2016) 59
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