単相 PWM インバータにおけるインピーダンス 電圧補償と電圧振動抑制

単相 PWM インバータにおけるインピーダンス
電圧補償と電圧振動抑制制御の追加実験
正員
塩澤
奨*
上級会員
正員
鳥井
村松
真希*
昭宏***
正員
正員
中田
元谷
篤史**
卓***
Experimental results of Impedance Voltage Compensation and Voltage Vibration Suppression Control
in a Single-phase PWM Inverter
Susumu Shiozawa*, Maki Muramatsu*, Atsushi Nakata**, Akihiro Torii***, Suguru Mototani***
キーワード:単相 PWM インバータ,インピーダンス電圧補償,電圧振動抑制制御
Keywords:single-phase PWM inverter, impedance voltage compensation, voltage vibration suppression control
1.
まえがき
Table 2. Control Parameters.
近年,家庭用小型発電機などに高周波スイッチングの単
相 PWM インバータが用いられている。一般的に,出力過電
圧と過電流を検出するセンサが必要である。この 2 つのセ
ンサを用いてインピーダンス電圧補償及び電圧振動抑制制
御を導入することで,接続負荷に関わらずひずみが少ない
きれいな正弦波を出力する方法について提案され(1),これま
Fig.2. Configuration of control.
でに定格出力電圧 10Vrms,電流 1.5Arms のミニモデルでの実
測結果が報告されている(2)。
本発表では実用化されている発電機用インバータの仕様
を参考に新たに実機を作製し,定格出力電圧 100Vrms,電流
26Arms の実用化モデルで実測した結果を報告する。
2.
Fig.3. Voltage and current waveforms in the case of this control system.
回路構成と制御定数
Fig.1 に主回路構成,Fig.2 に制御ブロック線図を示す。直
流電圧 Vdc が 180V,定格出力 Vo, Io が 100Vrms の実用化モデ
3.
実験結果
インバータの出力が 1300VA となったときの測定結果を
ルにて実験を行う。回路定数および制御定数を Table 1 と
Fig.3 に示す。出力電圧の実効値は 100.12Vrms,ひずみ率は
Table 2 に示す。キャリア周波数 12kHz の 3 レベル変調方式
5.8%となった。これは市販されている同等の出力定格の発
で周波数 60Hz を出力する。サンプリングはキャリア信号と
電機用インバータで測定した値と同等である。
同期した 83.3µs 毎に行う。
本実験では直列抵抗 Rrec が 0.1Ω,
コンデンサ容量 Crec が 60mF の整流器負荷を使用する。
4.
まとめ
新たに作製した実用化モデルに整流器負荷を接続した際,
Table 1. Hardware Parameters.
提案した制御方法を用いることでミニモデルでの測定結果
と同様に出力特性が改善することを確認した。また,定格
出力が類似する市販製品に同負荷を接続し測定した場合,
出力電圧の実効値,及びひずみ率を同程度に抑えられるこ
とを確認した。
Fig.1. Inverter main circuits.
文
(1)
ASTI 株式会社
〒432-8056 浜松市南区米津町 2804 番地
**
静岡理工科大学
〒437-8555 袋井市豊沢 2200-2
***
愛知工業大学
〒470-0392 豊田市八草町八千草 1247
*
(2)
献
中田,藤永,鳥井,植田:「不完全微分を用いた単相 PWM インバ
ータのインピーダンス電圧補償と電圧振動抑制制御」,電気学会産
業応用部門大会,1-60,(2014-8)
村松,中田,鳥井,植田:
「単相 PWM インバータにおけるインピー
ダンス電圧補償と電圧振動抑制制御の実験結果」,電気学会全国大
会,4-148,(2015-3)