2015 年の - 帝国データバンク

2016/2/15
宮崎支店
宮崎県宮崎市橘通東 1-6-13
TEL:0985-29-1211
http://www.tdb.co.jp/
特別企画:宮崎県「休廃業・解散」動向調査(2015 年)
2015 年の「休廃業・解散」は「倒産」の 10.4 倍
~宮崎県の「休廃業・解散」率は全国第 2 位の高さ~
はじめに
2015 年の全国の企業倒産件数(法的整理による倒産、負債 1000 万円以上)は 8517 件と 6 年連
続で前年を下回り、2005 年(8225 件)以来 10 年ぶりに 9000 件を下回った。背景には、建設投資
拡大の恩恵を受けて「建設業」の倒産が大幅に減少したほか、中小企業金融円滑化法の終了後も
引き続き返済猶予を受けている企業が多い点が挙げられる。
一方で、中小・零細企業を中心に後継者難や代表の高齢化が深刻化しており、倒産に至らない
までも事業継続を断念し、
「休廃業・解散」を選択する件数は全国で倒産件数の 2.8 倍に当たる 2
万 3914 件にのぼったことが判明した。
帝国データバンク宮崎支店は、企業概要ファイル「COSMOS2」
(146 万社収録)から削除
されたデータを収録したファイル(削除ファイル)を用いて、2005~2015 年の間に休廃業、解散
に至った事業者(法人、個人含む)を集計。倒産件数との比較や、業種別、代表者年齢別、都道
府県別に分析した全国調査をもとに、宮崎県内の「休廃業・解散」の傾向をまとめた。
なお、本調査は 2015 年 2 月 13 日に続いて 3 回目。
◇「休廃業」とは、企業活動を停止している状態を指す(官公庁等に「廃業届」を提出して企業活動を終えるケースを含む)
。
調査時点では当該企業の企業活動が停止していることを確認できているが、将来的な企業活動再開を否定するものではない
◇「解散」とは、企業が解散した場合を指す。主に、商業登記等で解散を確認
◇「休廃業・解散」は、企業活動停止が確認できた企業のうち、倒産(任意整理、法的整理)に分類されないケース
調査結果(要旨)
1. 2015 年(1~12 月)の宮崎県内「休廃業・解散」は 355 件判明。前年(319 件)を 36 件(11.3%)
上回った。前年を上回ったのは 2 年ぶり。この数は、同年の「倒産」件数の 10.4 倍。
2. 業種別では、
「建設業」が 136 件(構成比 38.3%)で最多。
3. 代表者年齢別では、
「60 代」の割合が 41.3%で最多。
4. 都道府県別の「休廃業・解散」率(
「休廃業・解散」事業者数/事業者総数)は、愛媛県に次
いで宮崎県が全国第 2 位。
5. 「休廃業・倒産」した全国の事業者の 76.8%に後継者なし。
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1
2016/2/15
特別企画:宮崎県「休廃業・解散」動向調査(2015 年)
1. 種類別
― 「休廃業」、「解散」ともに 2 年ぶりに前年を上回る
2015 年(1~12 月)の「休廃業・解散」は、355 件判明。前年(319 件)を 36 件(11.3%)上
回り、2 年ぶりの増加となった。直近のピークは、リーマン・ショックが発生した翌年、2009 年
の 404 件。その後は減少傾向にあったが、2015 年はリーマン後で最大となった。
種類別にみると、
「休廃業」
(272 件)が前年比 12.9%増、
「解散」
(83 件)も同 6.4%増となり、
「休廃業」と「解散」がともに前年を上回った。
その結果、2015 年の「休廃業・解散」件数は、同年の「倒産」件数の 10.4 倍にのぼり、実際に
事業を停止した企業数は相当数におよんでいる。直近 10 年間で見ても、2015 年は 2013 年の 10.2
倍を上回った。
「はじめに」で触れたように、全国の「休廃業・解散」件数は「倒産」の 2.8 倍で
あるため、いかに宮崎県内の「休廃業・解散」が「倒産」と比べて多いことが分かる。
休廃業・解散
倒産
「休廃業・解散」と「倒産」の件数推移
(件)
450
400
350
300
404
402
377
331
320
282
355
347
323
311
319
250
200
150
100
53
67
47
50
87
70
53
48
72
34
38
34
0
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
「休廃業・解散」件数
休廃業
解散
合計
(件)
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
258
279
302
301
313
253
236
247
264
241
272
24
41
75
101
91
78
75
76
83
78
83
282
320
377
402
404
331
311
323
347
319
355
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
53
47
67
87
70
53
48
72
34
38
34
<参考>
「倒産」件数
倒産
(件)
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
2
2016/2/15
特別企画:宮崎県「休廃業・解散」動向調査(2015 年)
2. 業種別
― 「建設業」が全体の 3 割
業種別に「休廃業・解散」件数をみると、
「建設業」が 136 件(構成比 38.3%)で全体の 4 割弱
を占めた。以下「サービス業」の 71 件(同 20.0%)、「小売業」の 56 件(同 15.8%)と続いた。
業種別に前年と比較すると、件数が増えたのは「建設業」
「小売業」
「サービス業」の 3 業種、
減ったのは「製造業」
「卸売業」
「その他」の 3 業種、横ばいだったのは「運輸・通信業」
「不動産
業」の 2 業種。
最多の「建設業」は 32 件(30.8%)増。
「建設業」は宮崎県内の事業者の 3 割近くを占めてい
るため、
「休廃業・解散」件数が全体の 38.3%を占めた点に違和感はない一方、
「建設業」の 2015
年の「倒産」は前年同数の 7 件にとどまっており、
「休廃業・解散」件数の多さが際立った。
次いで多い「サービス業」は 17 件(31.5%)増。2014 年 4 月の消費税増税以降の消費低迷を受
けて、事業継続を断念する動きが加速したと見られる。
業種別件数
業種別
(件)
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
建設業
84
133
177
191
164
160
118
145
129
104
136
製造業
21
30
28
24
24
17
17
20
22
21
19
卸売業
46
28
30
31
48
25
22
23
27
40
35
小売業
55
64
79
68
60
42
54
39
49
55
56
運輸・通信業
3
4
4
5
12
3
7
4
8
7
7
サービス業
39
41
31
42
54
47
53
48
61
54
71
不動産業
11
6
9
19
14
20
24
23
22
16
16
その他
23
14
19
22
28
17
16
21
29
22
15
282
320
377
402
404
331
311
323
347
319
355
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
建設業
26
16
33
40
34
19
19
29
9
7
7
製造業
6
5
5
8
6
5
5
7
3
3
4
卸売業
8
10
6
10
8
6
4
8
5
8
5
小売業
6
7
15
14
8
11
8
14
10
6
10
運輸・通信業
1
1
0
1
4
0
4
1
2
0
1
サービス業
5
6
7
13
7
8
3
8
1
9
5
合計
<参考>
「倒産」件数
業種別
(件)
不動産業
1
0
0
0
1
3
2
1
2
0
0
その他
0
2
1
1
2
1
3
4
2
5
2
53
47
67
87
70
53
48
72
34
38
34
合計
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3
2016/2/15
特別企画:宮崎県「休廃業・解散」動向調査(2015 年)
3.代表者年齢別 ― 「60 代」以上で全体の 7 割を占める
「休廃業・解散」した事業者の代表者を年齢別にみると、
「60 代」が 130 件(構成比 41.3%)
で最多。次いで「70 代」の 77 件(同 24.4%)となった。過去 10 年間の推移を見ると、いずれの
年も「60 代」の割合が最多となった。
帝国データバンクが 2016 年 1 月に発表した「特別企画:2016 年全国社長分析」によれば、全
国の社長の平均年齢は過去最高の 59.2 歳(2015 年 1 月調査では 59.0 歳)となり、代表者の平均
年齢は年々上昇している。ちなみに同調査によれば、宮崎県内の社長の平均年齢はやはり過去最
高の 59.0 歳で、1990 年時点と比べて 6.0 歳上昇している。
2017 年にはいわゆる「団塊の世代」が 70 代になり、事業者全体に占める 70 代代表者の比率が
今後急増する可能性がある。これまで構成比が最多だった「60 代」に代わり、
「70 代」が増加し
そうだ。
代表者年齢別件数
代表者年齢 2005年
30歳未満
※対象は代表者年齢が判明している先のみ
(件)
(%)
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
1
1
0
0
1
0
1
1
0
0
0.0
14.3
2
前年比
30代
10
6
12
11
10
12
9
6
6
7
8
40代
28
33
34
29
32
23
31
19
16
30
38
26.7
50代
74
81
97
92
91
66
60
54
50
54
46
▲ 14.8
60代
83
94
117
136
140
128
97
134
124
114
130
14.0
70代
55
76
91
84
69
60
73
61
90
68
77
13.2
80歳以上
19
13
15
29
23
15
16
24
26
21
16
▲ 23.8
合計
271
304
367
381
365
305
286
299
313
294
315
7.1
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
0.334
0.319
-
-
代表者年齢別構成比
代表者年齢 2005年
30歳未満
0.738
※「30歳未満」を除いて小数点第2位で四捨五入
2006年
2007年
0.329
0.272
2008年
2009年
-
-
2010年
0.328
(%)
-
(ポイント)
対前年
0.0
30代
3.7
2.0
3.3
2.9
2.7
3.9
3.1
2.0
1.9
2.4
2.5
40代
10.3
10.9
9.3
7.6
8.8
7.5
10.8
6.4
5.1
10.2
12.1
1.9
50代
27.3
26.6
26.4
24.1
24.9
21.6
21.0
18.1
16.0
18.4
14.6
▲ 3.8
60代
30.6
30.9
31.9
35.7
38.4
42.0
33.9
44.8
39.6
38.8
41.3
2.5
70代
20.3
25.0
24.8
22.0
18.9
19.7
25.5
20.4
28.8
23.1
24.4
1.3
7.0
4.3
4.1
7.6
6.3
4.9
5.6
8.0
8.3
7.1
5.1
▲ 2.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
80歳以上
合計
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0.1
-
4
2016/2/15
特別企画:宮崎県「休廃業・解散」動向調査(2015 年)
4.都道府県別 ― 宮崎県の「休廃業・解散」率は全国第 2 位の高さ
「北
都道府県別にみると、
「休廃業・解散」が最も多かったのは、
「東京都」の 2611 件。以下、
海道」
(1376 件)
、
「大阪府」
(1209 件)
、
「愛知県」
(1200 件)と続いた。企業数が多い都市圏では
「休廃業・解散」も多い傾向にあるが、これらの地域では新設企業も多く、新陳代謝が進む。
事業者総数に対する「休廃業・解散」事業者数を示す「休廃業・解散」率を都道府県別に見る
と、
「宮崎県」は全国第 2 位の高さとなった。トップの「愛媛県」と同様、農林水産事業者や畜産
業者が多い地方は、後継者不足の問題に加えて、TPPによる関税撤廃で地場産品と輸入品との
価格競争が激化する業界を中心に、事業継続が困難な事業者が増える見通しで、さらに「休廃業・
解散」が増加する可能性がある。
都道府県別「休廃業・解散」率 上位順
都道府県名
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
休廃業・
解散率
(%)
愛媛県
宮崎県
山梨県
徳島県
岡山県
山口県
富山県
佐賀県
鳥取県
福井県
奈良県
群馬県
北海道
新潟県
高知県
島根県
京都府
滋賀県
広島県
長崎県
香川県
三重県
和歌山県
栃木県
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2015年
(件)
前年比
(%)
2.605
456
12.6
2.414
355
11.3
2.238
298
9.6
2.205
212 ▲ 7.4
2.191
532
11.1
2.185
367
10.9
2.182
349
35.8
2.074
249
0.8
2.061
160
6.0
1.973
297
17.9
1.946
241
16.4
1.933
531 ▲ 2.9
1.916 ② 1376
4.1
1.906
634
6.4
1.898
185 ▲ 11.9
1.867
178 ▲ 7.3
1.855
539
14.9
1.846
252 ▲ 3.8
1.842
695 ▲ 16.2
1.822
267
12.7
1.803
247 ▲ 11.2
1.783
377
5.6
1.769
227 ▲ 12.7
1.753
380
0.0
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
-
都道府県名
休廃業・
解散率
(%)
福岡県
長野県
石川県
岐阜県
沖縄県
埼玉県
熊本県
大分県
静岡県
愛知県
兵庫県
千葉県
岩手県
秋田県
神奈川県
青森県
福島県
茨城県
山形県
鹿児島県
宮城県
東京都
大阪府
全国
1.750
1.741
1.730
1.715
1.684
1.675
1.665
1.637
1.591
1.584
1.571
1.566
1.561
1.537
1.506
1.490
1.486
1.456
1.446
1.427
1.352
1.280
1.206
1.645
2015年
(件)
前年比
(%)
930 ▲ 2.0
451 ▲ 2.6
273
3.8
389 ▲ 3.7
269
0.0
1,030 ▲ 1.0
321
0.6
265
4.7
682 ▲ 7.8
④ 1200 ▲ 8.8
786 ▲ 8.6
786
1.9
219
7.9
189 ▲ 6.4
⑤ 1065 ▲ 0.8
263 ▲ 5.7
338 ▲ 5.6
429
2.6
227 ▲ 0.9
243
4.3
335 ▲ 17.9
① 2611 ▲ 2.4
③ 1209 ▲ 6.5
23,914 ▲ 0.8
5
2016/2/15
特別企画:宮崎県「休廃業・解散」動向調査(2015 年)
【参考データ】
都道府県別「休廃業・解散」倒産件数
休廃業・解散
都道府県
北海道
青森県
岩手県
宮城県
秋田県
山形県
福島県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県
新潟県
富山県
石川県
福井県
山梨県
長野県
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
奈良県
和歌山県
鳥取県
島根県
岡山県
広島県
山口県
徳島県
香川県
愛媛県
高知県
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県
合計
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
2014年
1,322
279
203
408
202
229
358
418
380
547
1,040
771
2,674
1,074
596
257
263
252
272
463
404
740
1,316
357
262
469
1,293
860
207
260
151
192
479
829
331
229
278
405
210
949
247
237
319
253
319
233
269
24,106
2015年
1,376
263
219
335
189
227
338
429
380
531
1,030
786
2,611
1,065
634
349
273
297
298
451
389
682
1,200
377
252
539
1,209
786
241
227
160
178
532
695
367
212
247
456
185
930
249
267
321
265
355
243
269
23,914
倒産
前年比
(%)
4.1
▲ 5.7
7.9
▲ 17.9
▲ 6.4
▲ 0.9
▲ 5.6
2.6
0.0
▲ 2.9
▲ 1.0
1.9
▲ 2.4
▲ 0.8
6.4
35.8
3.8
17.9
9.6
▲ 2.6
▲ 3.7
▲ 7.8
▲ 8.8
5.6
▲ 3.8
14.9
▲ 6.5
▲ 8.6
16.4
▲ 12.7
6.0
▲ 7.3
11.1
▲ 16.2
10.9
▲ 7.4
▲ 11.2
12.6
▲ 11.9
▲ 2.0
0.8
12.7
0.6
4.7
11.3
4.3
0.0
▲ 0.8
2014年
281
59
46
84
69
61
39
144
92
120
381
287
1,776
558
57
69
100
67
38
91
161
284
602
105
101
297
1,245
485
109
84
20
48
88
195
81
42
35
58
45
293
46
62
64
40
38
64
69
9,180
2015年
265
49
45
90
57
57
39
133
134
101
351
238
1,720
480
58
52
63
57
42
93
126
270
547
94
75
226
1,175
485
121
75
23
48
78
170
48
42
46
44
39
316
32
36
66
55
34
58
64
8,517
前年比
(%)
▲ 5.7
▲ 16.9
▲ 2.2
7.1
▲ 17.4
▲ 6.6
0.0
▲ 7.6
45.7
▲ 15.8
▲ 7.9
▲ 17.1
▲ 3.2
▲ 14.0
1.8
▲ 24.6
▲ 37.0
▲ 14.9
10.5
2.2
▲ 21.7
▲ 4.9
▲ 9.1
▲ 10.5
▲ 25.7
▲ 23.9
▲ 5.6
0.0
11.0
▲ 10.7
15.0
0.0
▲ 11.4
▲ 12.8
▲ 40.7
0.0
31.4
▲ 24.1
▲ 13.3
7.8
▲ 30.4
▲ 41.9
3.1
37.5
▲ 10.5
▲ 9.4
▲ 7.2
▲ 7.2
6
2016/2/15
特別企画:宮崎県「休廃業・解散」動向調査(2015 年)
5. まとめ
~ 中小企業経営者は適切な事業承継を ~
「休廃業・解散」した企業の後継者
全国で見た場合、2015 年の「休廃業・解散」は 2013
後継者あり
23.2%
年以来 3 年連続で減少し、法的整理による「倒産」
も 2010 年以来 6 年連続で減少している。
ただ、宮崎県に限れば「倒産」件数こそ低水準で
推移する一方、
「休廃業・解散」率は全国第 2 位の高
水準にあり、
「倒産」件数の 10 倍を超える「休廃業・
後継者なし・未定など
76.8%
解散」で地域経済の基盤が失われていることが判明
した。
2015 年に
「休廃業・解散」
した全国の事業者のうち、
後継者が定まっていなかった事業者は 76.8%
にもおよんでおり、宮崎県でも同様だったと推定される。
「休廃業・解散」件数が多かった「建設
業」は、県内インフラ投資の一巡や中長期的な建設需要の減少予測を背景に、後継者不在の事業
者に加えて、後継者候補がいたとしても代表者が継がせないという事業者もあり、全体の件数を
押し上げる結果となった。時代の流れに対応して変化できない事業者、規模格差の優劣が際立つ
業界の零細事業者が生き残るのは難しく、この傾向は今後も続く見通しである。
2017 年にはいわゆる「団塊の世代」が 70 代になり、団塊世代の経営者は事業承継の決断を迫ら
れる。事業承継の問題として会社株式の相続税問題は避けられない。未上場企業や赤字企業でも、
株主である代表者や親族が高額な相続税を払えず、廃業に至るケースも出ている。特に家族経営
の中小企業は、相続税を巡って内紛に発展したり、相続税納税資金を会社から借り入れるなど、
その後の経営に影響を及ぼす可能性があり、中小企業経営者は今すぐにでも適切な事業承継の準
備に取り組む必要がある。
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