資料(PDF 223KB)

2015/2/4
札幌支店
住所:札幌市中央区南 2 条西 9-1-17
TEL:011-272-3033(代表)
URL:http://www.tdb.co.jp/
特別企画:北海道の休廃業・解散動向調査(2014 年)
2014 年の休廃業・解散は 1322 件、倒産の 4.7 倍
~倒産と合わせ年間約 1600 社が事業活動停止~
はじめに
2014 年の北海道の企業倒産は 281 件で、前年比 9.1%減と 9 年ぶりに 300 件を割り込んだ。リ
ーマン・ショックの影響が色濃く出た 2009 年は 385 件(休廃業・解散は 1431 件)で、この時期
と比べると 2014 年は 27.0%の減少になるが、休廃業・解散件数では 7.6%の減少に過ぎない。企
業倒産件数は減っているものの、業績悪化から立ち直れない企業や、後継者難などから休廃業や
解散を余儀なくされる企業は依然として後を絶たない。
帝国データバンク札幌支店は、企業概要データベース「COSMOS2」
(145 万社収録)から削除され
たデータ(
「削除ファイル」)を用いて、2014 年に休廃業・解散に至った事業者(法人・個人含む)
を集計した。なお、本調査の年間集計ははじめて(年度ベースでも発表予定)。
調査結果(要旨)
1. 北海道の 2014 年の休廃業・解散件数は 1322 件判明。4 年ぶりに前年を下回った。同年
の倒産件数 281 件に比べ、
「約 4.7 倍」
(全国ベースでは 2.6 倍)の件数となった。
2. 種類別は、「休廃業」
(895 件)が全体の 67.7%を占め、前年比 19.0%減少。「解散」
(427
件)は同 12.1%減少した。
3. 業種別は、「その他」を除く 7 業種中、全業種が前年比減少。
4. 地域別は、14 地域中 10 地域が減少。増加したのは「十勝」のみ。
休廃業・解散の件数(年間ベース)
(件数)
1,800
1,600
1,431
1,400
1,371
1,465
1,497
1,591
1,322
1,200
1,000
800
600
400
200
0
2009年
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
1
2015/2/4
特別企画:北海道の休廃業・解散動向調査(2014 年)
1.種類別 ― 「休廃業」が 895 件、2014 年の倒産件数の 3.2 倍
2014 年の休廃業・解散件数は 1322 件(前年比 16.9%減)判明した。4 年ぶりに前年を下回った
が、2014 年の倒産件数 281 件と比較すると「約 4.7 倍」の件数で、2009 年以降(6 年間)、平均す
ると倒産件数の約 4 倍強発生している。種類別に見ると、
「休廃業」(895 件)が前年比で 19.0%
減少し、休廃業・解散件数全体の 7 割弱(67.7%)を占め、年間の倒産件数の 3.2 倍の高水準。
「解
散」(427 件)も前年比 12.1%減少した。
2009年
休廃業
解散
合計
979
452
1,431
前年度比
前年度比
前年度比
前年度比
前年度比
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
(%)
(%)
(%)
(%)
(%)
▲ 7.6
▲ 14.2
▲ 9.8
924
447
1,371
▲ 5.6
▲ 1.1
▲ 4.2
972
493
1,465
5.2
10.3
6.9
1,006
491
1,497
3.5
▲ 0.4
2.2
1,105
486
1,591
9.8
▲ 1.0
6.3
895
427
1,322
構成比 前年度比
(%)
(%)
67.7
32.3
100.0
▲ 19.0
▲ 12.1
▲ 16.9
◇「休廃業」とは、企業活動を停止している状態を指す。倒産とは異なり、資産が負債を上回っている状態で
企業活動を停止すること。また、官公庁等に「廃業届」を提出して企業活動を終えるケースのほか、いわゆる
夜逃げ状態にある企業も含む
◇「解散」とは、企業が解散した場合を指す。主に、商業登記等で解散が確認されたケース
2.業種別 - 7 業種が前年を下回る
業種別に見ると、その他を除く全 7 業種が前年を下回った(前年は建設の 1 業種のみ)。減少率
トップは、「運輸・通信業」
(前年比 31.8%減)、次いで「小売業」
(同 26.8%減)、
「不動産業」
(同
20.6%減)の順となっている。
建設業
製造業
卸売業
小売業
運輸・通信業
サービス業
不動産業
その他
合計
2009年
前年度比
(%)
2010年
前年度比
(%)
2011年
前年度比
(%)
2012年
前年度比
(%)
2013年
前年度比
(%)
524
87
152
298
41
217
75
37
1,431
0.6
▲ 22.3
▲ 16.0
▲ 18.1
10.8
▲ 13.9
▲ 3.8
▲ 9.8
▲ 9.8
455
102
149
274
33
233
83
42
1,371
▲ 13.2
17.2
▲ 2.0
▲ 8.1
▲ 19.5
7.4
10.7
13.5
▲ 4.2
524
94
128
265
38
275
93
48
1,465
15.2
▲ 7.8
▲ 14.1
▲ 3.3
15.2
18.0
12.0
14.3
6.9
466
96
140
295
36
312
89
63
1,497
▲ 11.1
2.1
9.4
11.3
▲ 5.3
13.5
▲ 4.3
31.3
2.2
456
96
151
354
44
338
97
55
1,591
▲ 2.1
0.0
7.9
20.0
22.2
8.3
9.0
▲ 12.7
6.3
2014年
374
92
130
259
30
305
77
55
1,322
構成比
(%)
前年度比
(%)
28.3
7.0
9.8
19.6
2.3
23.1
5.8
4.2
100.0
3.地域別 - 14 地域中、10 地域が減少
地域別(振興局別)に見ると、全 14 地域中、10 地域で前年を下回った(前年 5 地域)
。件数ト
ップは、
「石狩」の 546 件(前年比 20.2%減)で、道内全体の 41.3%を占める。以下、「十勝」
(117
件)、
「上川」
(113 件)
、
「胆振」
(108 件)の順。減少率トップは「釧路」で同 28.0%減。
「日高」
(28 件)、
「根室」
(20 件)は変わらず、増加したのは「十勝」のみ(前年 8 地域)。
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
2
▲ 18.0
▲ 4.2
▲ 13.9
▲ 26.8
▲ 31.8
▲ 9.8
▲ 20.6
0.0
▲ 16.9
2015/2/4
特別企画:北海道の休廃業・解散動向調査(2014 年)
2009年
石狩
空知
後志
渡島
檜山
胆振
日高
上川
留萌
宗谷
オホーツク
釧路
根室
十勝
合計
590
72
65
111
11
120
20
142
10
21
72
78
21
98
1,431
前年度比
前年度比
前年度比
前年度比
前年度比
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
(%)
(%)
(%)
(%)
(%)
▲
▲
▲
▲
▲
10.9
25.0
31.6
18.4
38.9
4.3
▲ 16.7
2.9
▲ 28.6
▲ 22.2
▲ 12.2
▲ 6.0
75.0
16.7
▲ 9.8
612
59
66
83
11
124
22
126
13
21
63
61
18
92
1,371
3.7
▲ 18.1
1.5
▲ 25.2
0.0
3.3
10.0
▲ 11.3
30.0
0.0
▲ 12.5
▲ 21.8
▲ 14.3
▲ 6.1
▲ 4.2
726
68
64
94
14
114
14
104
10
10
47
87
24
89
1,465
18.6
15.3
▲ 3.0
13.3
27.3
▲ 8.1
▲ 36.4
▲ 17.5
▲ 23.1
▲ 52.4
▲ 25.4
42.6
33.3
▲ 3.3
6.9
640
78
69
88
7
157
21
128
10
20
65
78
20
116
1,497
▲ 11.8
14.7
7.8
▲ 6.4
▲ 50.0
37.7
50.0
23.1
0.0
100.0
38.3
▲ 10.3
▲ 16.7
30.3
2.2
684
6.9
74 ▲ 5.1
84
21.7
111
26.1
10
42.9
140 ▲ 10.8
28
33.3
148
15.6
17
70.0
15 ▲ 25.0
57 ▲ 12.3
93
19.2
20
0.0
110 ▲ 5.2
1,591
6.3
546
70
61
100
8
108
28
113
13
14
57
67
20
117
1,322
構成比 前年度比
(%)
(%)
41.3
5.3
4.6
7.6
0.6
8.2
2.1
8.5
1.0
1.1
4.3
5.1
1.5
8.9
100.0
▲ 20.2
▲ 5.4
▲ 27.4
▲ 9.9
▲ 20.0
▲ 22.9
0.0
▲ 23.6
▲ 23.5
▲ 6.7
0.0
▲ 28.0
0.0
6.4
▲ 16.9
4.まとめ
2014 年の休廃業・解散件数は 1322 件判明した。同年の倒産件数 281 件の 5 倍弱(4.7 倍)発生
していることが明らかになった。全国的に見ると、東京都の 2674 件に次ぐ 2 位(3 位は愛知の 1316
件)となっている。
北海道内で業績悪化や先行き見通し難を理由に事業活動を停止する企業は、2009 年から 6 年間
で 8677 件(年平均 1446 件)発生しており、倒産件数の約 4.2 倍に上っていることが判明した。
北海道の景況感はピークを過ぎ、回復の明確な兆しが見えないなか、中小零細企業を取り巻く
環境は厳しい。円安の影響による電力や各種資材の高騰や人手不足懸念、消費税増税後の影響な
どの懸念材料は多く、法的整理などの倒産には至らないまでも、休廃業・解散といった事態を余
儀なくされる企業は今後も高水準で発生するものと見られる。
【内容に関する問い合わせ先】
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TEL 011-272-3933
FAX 011-272-3934
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