IE04 クラウド&オンプレミスの連携 要旨 先を見越したクラウド連携 ~ハイブリッドクラウドのススメ~ 1. 背景・目的 総務省の 「平成 26 年 通信利用動向調査」 (http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei /statistics/data/150717_1.pdf)の「クラウドサービスの利用状況」によれば、クラ ウドサービスを利用している企業の割合は、 平成 26 年末には 38.7%にも達しています。 このデータからもわかるようにクラウドは我々の生活に身時な存在になっており、今 後はより、クラウドを活用する時代が来ることに異論はないでしょう。それと同時に、 社内システムを完全クラウド化すれば多くのメリットが享受できることも周知の事実 となってきています。一方で、 「平成 26 年 通信利用動向調査」の「クラウドサービス の利用状況」からもわかる通りおよそ 60%の企業がクラウドの導入に踏み込めていな い現状もあります。原因を調査しますと、「平成 26 年 通信利用動向調査」の「クラウ ドサービスを利用しない理由」からクラウドへの移行時に生じるいくつかのデメリッ トがハードルとなっているとわかります。 そこで、我々は、クラウドの導入を考えているが、移行に踏み切れない企業をター ゲットとします。そして、完全クラウド化へ向け、いくつかのステップ(ハイブリッ ドクラウド)を踏むことで移行時のデメリットを解決し、社内システムの完全クラウ ド化への手助けとなる手法を提案することで、ターゲット企業の手助けとなることを 目的としています。 2. 研究概要 ア クラウド化への道 クラウドには様々な代表的なメリットが存在します。 ・導入コスト低減 ・導入期間の短さ ・スペックの拡張性 ・保守の手間が掛からない これらのクラウドの恩恵を受けるためには社内システムを完全にクラウド化す ることがもっとも理想とされています。しかし、どの企業もいきなり完全クラウ ド化は無理でしょう。障壁となるのは、移行の困難さや、クラウドへのネガティ ブな印象です。そこで、我々は、今後のクラウド社会に向けて、一歩でもクラウ ド化へ近づける手法として、ハイブリッドクラウドを利用し段階的にクラウドへ 移行することで、一気に移行せずとも、クラウドのメリットを享受できる手法を 提案します。 2015 Beacon Users' Group IE04 クラウド&オンプレミスの連携 要旨 ① オンプレミス + パブリッククラウド ② オンプレミス + プライベートクラウド ③ プライベートクラウド + パブリッククラウド 図 1:提案するハイブリッドクラウドの種類とステップ イ ハイブリッドクラウドとは ハイブリッドクラウドとは一般的に次のように定義されます。 「パブリッククラウドやプライベートクラウド、オンプレミスなどを自社に適 した形態に組み合わせたもの」 我々は、これを少し読み替え、「それぞれの企業からみて、クラウドのハードル の高い、低いが違うので、自社にあった組み合わせを選択して、徐々にクラウド 化していくためのテクニック」と定義しました。そして、図 1 のように 3 種類に 分類しました。 ウ 提案ストーリー 我々は、分類したハイブリッドクラウドについて移行のしやすさ、オンプレミ スと連携することで解決できる課題を探り、独自にクラウド化へのステップに順 序をつけ、クラウド化への一歩となるストーリーを作成しました。それが図の① ~③です。 そして、具体的に一つの会社を想定し、クラウド化への一歩となる ことを検証しました。 3. まとめ 結論としては、将来的にクラウドへ完全移行することがもっとも効率的だと考えま す。しかし、いきなり移行することは不可能です。そこで、我々が提案した 3 つのス テップ、つまりハイブリッドクラウドをうまく活用することで、社内システムの完全 クラウド化へ挑戦してみてはいかがでしょうか。 以上 文章内の記載の会社名および製品名は、各社の登録商標および商標です。 2015 Beacon Users' Group
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