1年数学科

第1学年2組
数学科学習指導案
場 所:1年2組教室
授業者:緒方 宏一
1 題材名「空間図形(立体の切り口の形)」(教科書名;啓林館1年 P.236~237)
2 題材について
(1) 題材観
空間図形は視点を変えると形や大きさが変化し、実際の形や大きさが視覚的に捉え難い。しかし、意
外な発見や論理に基づく真理は、図形学習への興味・関心を高めるものである。これまで、平面図形に
ついて、直線、角、距離などの意味や基本の作図、円とおうぎ形など、図形学習に関する基礎的なこと
がらや見方を学んできている。本題材は立体の観察や操作を通して、空間図形に対する見方や考え方を
深めるとともに、目的に応じて見取図や展開図、投影図に表現し、空間図形の性質を筋道立てて考察す
る能力や、立体の表面積や体積を求める能力を高めることが主なねらいである。本題材は、小学校段階
の直観的な学習から論理的な図形学習へと橋渡しするものである。
(2) 系統観
(小4)
・直方体と立方体
・見取図、展開図
・平行と垂直
(小5・小6)
・角柱、円柱
(中1)
・平面図形
・直線と角
・図形の移動
・基本の作図
・円とおうぎ
形
(中1)
・空間図形
・いろいろな立体
・平面と直線
・立体のいろいろな見方
・立体の表面積、体積
(中3)
・三平方の定理
(高校)
・空間のベクトル
・微分・積分
(3) 学習者の実態
対象は男子 15 名、女子 17 名、計 32 名のクラスで、全体的に素直で男女の仲もよく、発表や発言も
比較的多い、明るいクラスで、数学の授業にも真剣な態度で取り組んでいる。標準学力の結果に関し
ては本市の平均的なレベルにあるものの、空間図形に関する事前テストでは平均正答率 53%で、2
(1)・(2)の直方体・円柱の各名称が各22%・50%や4(1)・(2)の底面に垂直な辺・面を問う位置関係が各
41%・28%、2(1)・(2)の直方体・円柱の体積の計量が各63%・41%等、基礎事項については未定着な
面が見受けられる。また、正答数の分布においては上位から下位まで偏りのない集団としての傾向が
伺われる。
(4) 指導観
指導にあたっては、空間図形をいろいろな視点から観察・操作する学習を通して、形や大きさ、位置
関係を的確に捉える能力や筋道を立てて図形を考察する態度を育てたい。また、予想・検証・説明の
学習プロセス、及び、理由や根拠の問い直し(働きかけ)で、論理的学習への導入を図りたい。実態
として、基礎事項の未定着な面が見られるので、丁寧な扱いを心がけ、理解に時間を要する生徒や空
間把握に抵抗のある生徒には、ICT を活用し、学習環境を整えるとともに、グループ学習を取り入れ、
促進生徒を活かした教え合いにより、理解の共有・援助を図りたい。本時においては、立方体の切り
口がいろいろな形になることを発見的・協働的に学ぶことを通して、空間図形に対する見方や考え方
を広げ、図形学習への興味・関心を高めたい。
【ICT 活用の視点】 ・生徒が立方体を自由に切断し、考察するために ICT を活用する。
・図形の操作過程を可視化し、結果や考え方を共有するために ICT を活用する。
【人権教育の視点】 ・ 数学が苦手な生徒にも ICT を活用して、図形を操作しやすい環境を整える。
・グループ学習の協働機能を活用し、教え合い、学び合いの互恵的な学習活動を
行う。
3
題材の目標
(1) 空間図形の性質や表現、計量の仕方を積極的に考察しようとする。【関心・意欲・態度】
(2) いろいろな立体の観察や操作を通して、空間図形の性質を考察することができる。【知識・理解】
(3) いろいろな立体を目的に応じて、見取図や展開図、投影図に表現することができる。【技能】
(4) 立体を直線や平面図形が動いてできたものとみることができる。【数学的な考え方】
(5) 柱体、錐体、および、球の表面積、体積を求めることができる。【技能】
(6) 空間図形の性質を根拠を示しながら、説明することができる。【数学的な考え方】
4
指導計画および評価規準 (19時間取り扱い
節
1
立体と
空間図形
項
いろいろな立体
(11)
平面と直線
立体のいろいろ
な見方
2 立体の
表面積と
体積
立体の表面積
立体の体積
(6)
球の計量
・まとめ(2)
5
章末問題
本時 11/19)
学習活動
評価規準
・角柱、円柱の見取図・展
開図
・角錐、円錐の見取図・展
開図
・点、直線、平面の位置
関係
・立体の見取図・展開図をかくこ
とができる。
・数種類の異なる図をかくこと
ができる。
・位置関係を工夫して図示する
ことができる。
・立体内の位置関係を捉えるこ
とができる。
・面、線を動かしてできる ・点、線、面の構成的な見方を
立体
理解することができる。
・立体の投影図を完成すること
・立体の投影図
ができる。
・切り口の形を見つけることが
・立体の切り口の形
できる。
・角柱、円柱の表面積
・柱体の表面積を求めることが
できる。
・角錐、円錐の表面積
・錐体の表面積を求めることが
できる。
・角柱、円柱の体積
・柱体の体積を求めることがで
きる。
・角錐、円錐の体積
・錐体の体積を求めることがで
きる。
・球の体積、表面積
・球の体積を求めることができ
る。
・球の表面積を求めることがで
きる。
・演習とまとめ
時
3
3
5
本
時
5/5
2
2
2
2
本時の学習
(1) 本時の目標
① 立方体を切断したときの切り口の形がいろいろな形になることがわかる。
② 立方体の切断を通して、空間図形に対する見方や考え方を広げ、図形学習に対する興味・関心を
高める。
(2) 本時の展開
過
程
導
入
形 態
発問・指示や指導の留意点(手立て)
備 考
評価
(時間)
ICT活用の工夫
ICT
1 本時の学習とめあてを知
一斉 ・円柱や球を平面で切ったときの、切り口の形を
・立体模型
(4)
る。
確かめながら、切断のイメージを掴ませたい。
カッター
・身近な立方体である豆腐を提示し、本時への興
・豆腐
味を高めたい。
包丁
・豆腐を切る様子から、平面で切る具体的なイメ
・立方体
ージを掴ませ、本時の学習を知らせる。
(模型)
<課題> 立方体を平面で切ったとき、切り口の形はどんな形になるか、調べよう。
学
習
活 動
2 切り口の形を予想し、
調べ
方を知る。
展
3 正方形になる切り方を見
つける。
4 いろいろな切り口の形を
見つける。
開
個別 ・目を閉じて、切る様子を想像させ、切り口の形
(2)
がどんな形になるか、予想を立てさせる。
一斉 ・予想を発表させ、意欲を持たせる。
(3) ・学習シートで、立方体(見取図)の辺上に3点P,
Q,Rをとり、切る位置を決め、図示しながら
一斉
調べることを知らせる。
(6) ・平面決定条件から、4点目のSは自動的に決ま
ることに気づかせたい。
・例は縦と横の長さの違いに気づかせ、長方形に
なることを掴ませたい。
・電子黒板で確認し、併せて、タブレットの操作
法を知らせる。
・予想した形(台形や三角形など)になるように、
個別
切り方(3点)を考え、いろいろな切り口の形を ➊
(3)
考えさせる。
・班に立方体(模型)を配付し、相談しながら調べ
班
させる。
(18)
・班にタブレットを配付し、切断した立方体を動
かして、切り口の形を確かめさせる。
・いろいろな切り方を考え、いろいろな切り口の
形を見つけさせる。
・学習シート
・立方体
(模型)
・学習シート
立方体
(見取図)
・立方体
(模型)
・電子黒板
・学習シート
立方体
(見取図)
・立方体
(模型)
・タブレット
切断位置を自由に決め、いろいろな形を見つける。
5 切り口の形を確かめる。
・どの辺を通るか、どの面を切るか等、4点目の
位置を意識して、操作させたい。
・電子黒板で、見つけた切り方と切り口の形を示 ❷
一斉
しながら説明させ、理解の共有と深化を図る。
(7)
切断した立方体を動かし、切り方や形を説明する。
班
(4)
ま
と
め
6 本時の学習をふり返る。
7 本時のまとめと次時予告
を聞く。
・正三角形など、その形になる理由として、位置
関係や辺、角の相等関係に気づかせたい。
・班にゴム紐を配付し、立方体(模型)につけ、切
り口の形や根拠を確かめさせる。
個別 ・本時の学習をふり返り、シートに記入させる。
(2) ・切り口の形はいろいろあることを確認し、図形
一斉
学習への興味・関心を高めたい。
(1) ・次時の計量へ意欲を持たせたい。
・電子黒板
・立方体
(模型大)
・立方体
(模型)
ゴム紐
・学習シート
・立方体
(模型)
(3) 本時の評価
評
価
規
準
❶
B規準:いろいろな切り口の形を見つけようとしている。
A規準:切る平面や立方体を動かし、視点を変えながら、考察している。
❷
B規準:書き込んだ立方体(見取図や模型)を使って、説明しようとしている。
A規準:切られる辺や面の数、長さや角度に着目して、説明しようとしている。
観点および評価方法
学習シート
【関心・意欲・態度】
観察・発表(挙手)
【数学的な考え方】