2016年2月9日 投資情報室 臨時レポート 国内株式市場等の動向と今後の見通し 国内株式市場等の動向 本日の日経平均株価は、前日の欧米株安や急激な円高進行をうけて、16,085.44円と前日比5.4%の下落と なり、1月21日の直近安値16,017円へ迫る動きとなりました。 世界の株式市場は1月前半に中国株急落や原油安をうけて大きく下落した後、1月下旬から月末にかけて は原油安の一服、欧州の追加緩和期待や日銀による追加緩和策をうけて一旦持ち直しとなっていました が、2月に入ると米景気指標の低調による景気への懸念や原油価格の続落から、再び下落基調となって います。 為替市場では、リスク回避の動きから、対新興国通貨や対高金利通貨ではドル高が進む一方、ドル/円は 安全資産の円が買われる形で円高・ドル安の動きが強まり、114円台まで円高・ドル安が進んでいます。 債券市場では、先月末の日銀によるマイナス金利導入をうけて、国債金利の低下が進んでいましたが、マ イナス金利導入にもかかわらず円高・株安が逆に進んだことから、市場ではさらなる金融緩和強化への期 待感が高まる形となり、本日の10年国債利回りは一時マイナス水準まで低下しました。 図表2:日米株価の推移 図表1:日米長期金利の推移 (2015年12月30日~2016年2月9日 日次) 2.4% 0.3% (2015年12月30日~2016年2月9日 日次) 18000 19500 円 日経平均(左) NYダウ(右) 19000 0.2% 2.2% 0.1% 2.0% 0.0% 1.8% ドル 17500 18500 17000 18000 16500 17500 16000 17000 15500 16500 15000 16000 14500 日本10年金利(左) 米国10年金利(右) -0.1% 1/3 1/10 1/17 1/24 1/31 1.6% 2/7 (月/日) 図表3:直近の主要マーケット指標 指標 日付 直近値 15500 1/3 1/10 1/17 1/24 1/31 14000 2/7 (月/日) 図表4:為替レート(ドル/円)の推移 変化率(幅) 日経平均株価(円) 2/9 16,085.44 -5.4% NYダウ(ドル) 2/8 16,027.05 -1.1% ドル/円レート 2/9 114.75 -2.58 日本10年金利 2/9 -0.007% -0.052% 米国10年金利 2/8 1.748% -0.087% (注)日経平均株価は大引け、日本10年金利とドル/円レートは15時 10分時点。日経平均およびNYダウは対前日での変化率を、他は 対前日での変化幅を記載。ドル/円レートは東京外国為替市場 (2015年12月30日~2016年2月9日 日次) 122 円 121 120 119 118 117 116 円高 115 114 113 1/3 1/10 1/17 1/24 1/31 2/7 (月/日) (出所)図表1~4は、Bloomberg、ニッセイ基礎研究所等のデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価 証券等の勧誘を目的とするものではありません。 ●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しております が、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将 来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投 資成果を示すものではありません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 01/02 (審査確認番号H27-TB192) 今後の見通し <株価> 日本株は、企業業績の悪化懸念や海外株安から下値を探る動きが続いています。ただし、企業業績は、 外需企業の一部で下方修正が行われる一方、内需企業では上方修正も見られるなど、全体で底堅い状 況が期待でき、日経平均16,000円台の株価は企業業績面等から見て売られ過ぎの状況にあると考えら れます。株価は調整の一巡後は徐々に反発に向かうと見ています。 米国株は、ドル高・エネルギー安が企業業績を抑制する圧力が続き、製造業の在庫調整も想定より長引 いたことで、年明け後に下落が加速しました。今後は、在庫調整の進展で企業景況感の悪化が和らぐとと もに、米FRB(連邦準備制度理事会)が景気・市場動向に配慮しながら利上げペースを調整すると見込ま れ、株価は調整の一巡後は徐々に反発に向かうと見ています。 <為替> ドル/円は、購買力平価や日本の経常黒字の状況から見て、中期的にドルが買われ過ぎの水準にあると 見ており、昨年夏までのドル高・円安の修正局面(すなわち円高局面)が暫く続き易いと考えています。 日銀によるマイナス金利政策の導入が、この円高ペースをより緩やかなものにする効果があると思われ ます。 <長期金利> 日本の長期金利(10年金利)は、従来のマネタリーベースを拡大(年間約80兆円の増加)させる方針に加 え、日銀当座預金の一部にマイナス金利を導入したことで、一段の低位安定化を見込んでいますが、そ の後は、金利低下の反動や円安・株高も想定され、上下動の激しい展開にも留意が必要と考えられます。 米国長期金利(10年金利)は、米FRBが再利上げを急がないスタンスをとると見られることや、海外金利 低下の影響などから、低位で安定的に推移していくものと見込んでいます。 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価 証券等の勧誘を目的とするものではありません。 ●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しております が、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将 来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投 資成果を示すものではありません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 02/02
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