農林水産物と健康に関する研究開発について (概要)

農林水産物と健康に関する研究開発について
(概要)
1.背景
・ 人口減少と少子高齢化の急速な進展、生活習慣病患者とその予備軍が増加等
・ 厚生労働省「健康日本 21(第 2 次)
」
、内閣府「第 2 次食育推進基本計画」の取組
・ 農林水産物の機能性に関する研究蓄積はあるが、機能性食品の活用は不十分
2.研究開発を推進していく上での課題
・ 機能性食品の有効性・安全性に関するエビデンスの不足及び食品提供システムの未整備
・ 産学官連携の不足、食品衛生法、健康増進法等既存法体系と整合を図る努力の不足
3.研究成果を社会で活用するための留意点
○ 全般的留意点
・国民が日常の食生活の中で、農林水産物・食品の持つ機能を疾病予防や生活の質の改善等
に活用し、健康の維持・増進を図ることのできる社会を構築していくことが国の役割
○ 各視点からの留意点
・機能性食品の生産技術等に関する研究開発の促進(生産者)
・機能性成分の安定的な摂取等のための加工品開発の促進(加工事業者)
・機能性を持つ農林水産物の差別化、品質を確保した流通の促進(流通事業者)
・消費者が機能性を持つ食品等の特性を理解した継続的に摂取の促進(消費者)
・医師の診療、管理栄養士の栄養指導に活用可能なシステムの確立(医療関係者等)
○ 研究推進上の留意点
・加工食品開発等の主体である企業と大学等がオールジャパンで研究開発を進める産学連携
体制の構築
・研究成果の民間企業による事業化や技術の海外展開を考慮した知的財産マネジメント等の
徹底
4.具体的な研究開発の戦略
○ 研究目的
・機能性が科学的に確認された農林水産物・食品を活用した、バランスのよい食生活の推進
○ 研究対象
・本研究の対象は日常的に食品として摂取する農林水産物及びその加工食品とし、医薬品や
サプリメントは対象外
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○ 研究の推進方針
ア 機能性を持つ農林水産物等の研究開発
・健康状態の改善状況を確認するための指標(バイオマーカー等)を明確化等
・機能性成分のみでなく、食品全体を対象とした有効性・安全性試験を実施し、過剰摂取し
た場合の影響を考慮した上で適正な摂取方法を検討
・動物愛護やヒト介入試験の倫理規程等を遵守
イ 評価情報に関するデータベースの構築にかかる研究
・機能性を持つ農林水産物・食品の評価情報に関するデータベースを構築
・DBの維持方策やデータの更新等について専門の検討会を設置して検討
・民間企業の機能性研究を支援する試験指針の作成及びDB登録にかかる検討会の設置
ウ 次世代での機能性の活用が有望な農林水産物等の研究
エ 機能性食品の提供システムの社会実装
○ 「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト」
(平成 24 年度補正予算)の推進の考
え方
ア 研究対象
・食経験があり、既に動物試験等でのエビデンスがある農林水産物・食品が研究対象
・研究対象とする機能性は、生活習慣病予防を主とし、疾病治療は対象外
イ 機能性農林水産物・加工品の開発
・エビデンスが明確になった農林水産物・食品とその情報の提供システムを構築
・なお、将来的に健康機能性の活用が有望なものも研究対象
ウ 食品提供システムの構築
・農林水産物・食品を提供するシステムのモデルの構築
・情報提供のモデルの構築
エ スケジュール
・平成 27 年度末までに機能性が確認された農林水産物等の提供モデルを構築
5.本プロジェクト終了後に望まれる姿
・機能性を持つ農林水産物・食品を活用したバランスのよい食生活を実現し、国民の健康の
維持増進を図る
・利便性向上及び効率的運営の視点でシステムを改良し、効果的なシステムを構築
・機能性を持つ農林水産物・食品の開発により、消費者等の食品の選択肢を拡大
・本評価モデルを活用した表示制度への発展を期待
・機能性食品が真に国民の健康の維持増進に貢献するよう、関係省庁と連携・調整を推進
・必要に応じ、本戦略を見直し
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