マイナス金利の導入により高まる、 家計の余資運用の必要性

楽読
(ラクヨミ)
2016年2月10日
Vol.
1,064
マイナス金利の導入により高まる、
家計の余資運用の必要性
日銀は1月29日、景気や物価の押し上げに向け、市場の金利水準を引き下げ、投資や消費を促すことを狙
い、マイナス金利の導入を決定しました。市中銀行が2月16日以降、新たに日銀に預ける当座預金の金利は
▲0.1%となりますが、これに先立ち、既に債券利回りが低下(債券価格が上昇)し始めており、償還までの年
数が10年以内の国債の利回りがマイナスとなったほか、社債についても高格付の優良銘柄の利回りが気配
値でマイナスになったケースが報じられています。こうした中、市場金利の低下に伴なう運用難を見越し、金
融機関や運用会社の間で預金金利の引き下げやMMFの新規購入の受付停止などの動きが拡がっています。
既にかなり低い金利水準が一段と下がるとすれば、日々の生活のために確保しておくべき資金などは別と
して、直ぐに使う予定のない余資まで預金や低利回りの金融商品に置いたままで良いのか、真剣に考える必
要性が高まっていると言えるでしょう。国内主要資産の利回りは9日時点で、10年物国債▲0.025%、株式
2.17%、REIT3.13%、海外主要資産の利回りは、10年物国債が9日時点でドイツ0.233%、米国1.727%、世
界(除く日本)の株式およびREITが1月末時点でそれぞれ2.77%、4.25%となっています。株式やREITといっ
た資産は、配当や分配金の利回りが高い分、価格変動リスクも高くなっています。さらに、海外資産には為替
リスクもあります。しかし、投資信託などを通じて、値動きの異なる複数の資産に分散投資を行なえば、全体と
しての価格変動を抑える効果が期待されます。また、安全性をより重視する場合でも、償還までの年数が10
年超の超長期日本国債であれば、20年物の利回りは9日時点で0.720%となっています。なお、個人では超
長期国債を直接購入することはできませんが、同国債を組入れた投資信託などの利用が考えられます。
ライフサイクルやリスク許容度など、家計の諸事情を確認の上、一段の低金利局面を賢く乗り越えるべく、こ
の機会に、投資信託などを通じての中長期の分散投資を検討してみてはいかがでしょう。
満期までの年数別の日本国債の利回り
1.4
(%)
主要国内資産の利回りと円相場の推移
7
(%)
(2011年1月初~2016年2月9日)
円安
1月28日時点 (マイナス金利の導入決定前日)
1.2
(円)
6
2月9日時点
140
120
円高
1.0
5
0.8
円相場(対米ドル、右軸)
100
4
80
3
60
0.6
0.4
利回り:東証REIT指数(左軸)
2
40
0.2
1
0.0
-0.2
10年までの国債の利回り
がマイナス圏に
-0.4
1
2
3
4
5
0
利回り:TOPIX<東証株価指数>(左軸)
利回り:10年物国債(左軸)
-1
11
12
13
14
15
6 7 8 9 10 15 20 30 40
(満期までの年数)
信頼できると判断したデータを基に日興アセットマネジメントが作成
20
0
-20
16 (年)
※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。
■当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘
資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料
作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建
資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことが
あります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付
目論見書)をご覧ください。
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