『「地域防災」研修から学んだこと』 [PDFファイル/182KB]

岡山県審査入賞作品 作文中学生の部
(防災砂防課長賞)
佳作
「「地域防災」研修から学んだこと」
ふじむら
まさ と
岡山県 倉敷市立南中学校 2年 藤村 将斗
8月6日に行われた高校生「地域防災ボランティアリーダー養成研修」に参加した理由は、今年度の1月
に震災学習があり、阪神・淡路大震災の被災地へ行くので、その準備学習・関連学習となるから是非参加
したらと先生に勧められたからです。この研修に参加して、僕のような中学生でも災害時にできることがある
、具体的にどうすればいいのかよく分かりました。
実技講習では、「地震・災害から守る」について倉敷消防署の方から講義と実習がありました。起震車で、
実際に震度6の揺れを体験しました。「まずテーブルの下などに隠れて頭を守ることが大切だ。」と教えられ
ましたが、激しい揺れの中、頭では分かっていてもなかなか机の下に潜れません。揺れが収まってから、火
を消して逃げ道を作らないといけないのですが、机の下から這い出て立ち上がろうとしても膝がガクガクし
てうまくいきませんでした。想像以上の揺れやイメージ化できていない出来事には、頭で理解しても対応で
きないことが体験することでよく分かりました。日頃行っている避難訓練の必要性・重要性を肌で感じました
。
午後からのグループ討議は、クロスロードと避難所運営ゲーム(HUG)でした。災害時には「1+1=2」と
ならないので話し合いが必要になります。クロスロードでは、自分と反対の意見の人がいました。反対の意
見の人の理由を聞いてみると、「それもそうだな。」と納得できました。いろんな考え方があることも知りました
。また、避難所運営ゲームでは、様々な事情を抱えた人たちをうまく配置するのに苦労しました。どれだけ
、その人の立場に立って深く考えられるのか、難しかったです。このゲームで、話し合いの大切さ・難しさが
よく分かりました。
僕の住んでいる岡山県倉敷市が大きな災害を受けたことはありません。今年夏休み直前、台風が上陸し
ましたが被害はほとんどありませんでした。本当に恵まれた安全な地域ではないかと思います。
1年前広島県で大きな土砂災害が起こったのは記憶に新しい事です。8月 20 日、新聞・ニュースで取り
上げられていました。広島土砂災害は、広島安佐北区・南区で土石流とがけ崩れによる災害で 74 名もの
人が亡くなり、255 戸の家屋が全・半壊した大惨事でした。なぜ、あんなに大きな災害になったんだろう?
不思議に思って、インターネットで調べてみました。すると、ここまで被害が大きくなった原因は3つありまし
た。
1つ目は真夜中の豪雨です。1 時間で 100 ミリ、3 時間で 200 ミリを超える大雨が 20 日の午前 1 時から4
時にかけ降りました。土石流が午前3時 20 分ぐらいから4時ぐらいにかけて発生していました。
2つ目は、都市開発が山地の近くまで拡大したことです。住宅地は傾斜のある土地に立地することになり
、また住宅地と山と斜面との距離が短くなってしまいました。そのため、土石流などは大きなエネルギーの
まま流れ、家が破壊されてしまいました。
3つ目は、砂防えん堤などのハード対策がほとんどされていなかったことです。今回の被災地では、対策
工事が十分にされていなかったため、発生した土石流による災害を防止・軽減することができなかったので
す。
8月の研修を体験してみて、もし僕だったら真夜中豪雨の中の避難はできないと思います。外は真っ暗で
豪雨、その中を避難所まで歩く、いつもは通らない道、不慣れな避難場所、避難したくても避難できない状
況だったのではないかと思いました。改めて、防災の大切さを感じました。自分の住んでいる地域がどんな
場所なのか。どういった状況なのかを、まず知らなければと思いました。そして、1月の校外学習では、被害
の状況とともに、復興の歩みをしっかりとこの目で確かめて来たいです。そして、自分たちの町が災害に強
い地域になるための対策もしっかり学んでこようと思います。