西暦 2016 年 01 月 27 日 ダレナン博士の研究所 研究報告書 No.162 題名:子供の「脳力」を鍛えるには 報告者:ナンカイン 子供には無限の可能性が秘められている。しかしながら、親の子供への介入の仕方によって、その可能性が 将来に渡って無限のままとなるのか、はたまた、有限となってしまうのかも、決定づけられる。 「三つ子の魂、 100 まで」ということわざもあるために、 「うちの子はすでに三歳を過ぎたので…」と子供の可能性を諦める 方もいるかもしれない。しかしながら、脳のニューロンは死すとも、ニューロンのネットワーク(ここでは「脳 力」としたい)は、生涯に渡って発達する(No.25)。すなわち、三歳を過ぎた子供であっても、むろん大人で も、 「脳力」はいつでも変えられる。 子供の「脳力」の発達にとって重要なのは、 「非認知能力」と言われる。 「非認知能力」について図に示す。 図 非認知能力 1) 「非認知能力」は、学力のような認知能力とは違い、机上では測りにくい。しかしながら、図を見て分かるよ うに、大人になってからも非常に重要な項目が並んでいることが一目瞭然である。中でも、子供の教育に重要 とされるのは、 「自制力」と、 「自己認識」の「やり抜く力」であり 1)、子供の「脳力」を鍛えるには、まずこ の 2 つに焦点を絞ることが必要とされる。 「自制心」に関しては、マシュマロ実験が有名である 1, 2) 。子供にマシュマロを差し出し、「いつ食べても いいけれども、大人が部屋に戻ってくるまで我慢できれば、マシュマロを 2 つ食べられますよ」という実験 である。結果、2 つのマシュマロを手に入れた子供は、後年も成績がよいとの判定が出ている。もし、仮に親 として自身の子にこれをするとどうなるだろうか。2 つ手に入れる自身の子は「自制心」があると判断しても よいかもしれない。ただし、すぐに食べた子供であっても、心配はいらない。 「自制心」は、 「筋肉」と同じく 継続と反復によって鍛えることができる 1)。もう一方の「やり抜く力」であるが、これはグリッド 3)とも言わ れ、 「成功を予測できる性質」とも言われている。これに関しては、 「自分のもともとの能力は、努力によって 後天的に伸ばすことができる」と子供に信じさせることが、親として大事である。そのために親としてできる ことは、自身の子に小さな成功体験を繰り返し与えられることが有用となるであろう。 子供の「脳力」はすぐには鍛えられず、一夜にして成し得ない。その裏には、親としての大人の「脳力」も 日々磨かなければならない事実もある。 1) 中室牧子: 「学力」の経済学. ディスカヴァー・トゥエンティワン. 2015. 2) ミシェル, ウォルター: マシュマロ・テスト. 早川書房. 2015. 3) https://www.ted.com/talks/angela_lee_duckworth_the_key_to_success_grit?language=ja (閲覧 2016.1.27)
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