LTIシステムとその入出力 • これからデジタルシステム(離散時間システ )を考察 行く前 、基本的な 性質 ム)を考察して行く前に、基本的な2つの性質 について見ていく。 – 線形性 – 時不変性 システムの表現 • これから離散時間システムを扱うに当たり、 表 システムの表現方法について説明をする。 • ブ ブロック図 離散時間シ テ を図 表す場合、以下 よ 離散時間システムを図で表す場合、以下のよ うなブロック図によって表現する。 入力x[n] 離散時間システム 出力y[n] x[n]は入力であり、これがシステムにより変換 力 あり れが り変換 されてy[n]が出力される。 y[ ] • システムでは入力された値に対してさまざまな処理 ざ を行うが、処理を関数の形で以下のように表すこと がある。 がある y[n] = φ ( x[n]) φは任意の関数を表している。入力されたx[n]は関 は任意 関数を表 る 入力された は関 数φで何らかの変換が行われ、出力y[n]として取り 出される とを 出されることを示している。 る • その他に次のように表されることもある。 他 次 う 表され もあ x[n] a y[n] 線形性 • 線 線形性を持つシステムを線形システム(linear 性を持 を線 system)と呼ぶ。 • 線形システムを満たすための必要十分条件は次 のようになる。(aは任意の実数) φ (ax[n]) = aφ ( x[n]) φ ( x1[n] + x2 [n]) = φ ( x1[n]) + φ ( x2 [n]) あるシステムが上の二つの式を満たすとき、その システムは線形システムと言える。 • それぞれの式について考察してみる。 ぞ 考 φ (ax[n]) = aφ ( x[n]) • この式では、システムに入力する前に値をa 倍にした場合と、システムに通してから値をa 倍にした場合で出力結果が等しいことを示し ている。 ている • 上式を満たすシステムの例として次のような ものがある。 • このシステムは入力値を2倍にするだけのシ ステムである。 • 入力の値を3倍にしてシステムに通すと、出 力値はもとの入力値の6倍となる。 力値はもとの入力値の6倍となる • よって入力をそのままシステムに通して(この 時点で2倍)、さらにあとから3倍した場合と結 果は同じになる。 • 補 補足 信号 信号のかけ算に関しては乗算器と呼ばれる け算 関 乗算器 呼 れる 記号を用いる。乗算器を用いて先ほどの図を 書き直すと次のようになる。 書き直すと次のようになる φ ( x1[n] + x2 [n]) = φ ( x1[n]) + φ ( x2 [n]) • この式では、システムに入力する前に2つの 値を加算した場合と 別々にシステムに通し 値を加算した場合と、別々にシステムに通し てから加算した場合で出力結果が等しいこと を示している。 を示している • 上式を満たすシステムの例として先ほどの入 力値を2倍にするだけのシステムがある。 • 例で示したように、入力値を2倍にして出力す る け シ テ るだけのシステムは、2つの式を満たすため 、 式を満 す 線形システムであるといえる。 時不変性 • 時 時不変性を持つシステムを時不変システム(time変性を持 を時 変 invariant system)と呼ぶ。 • 時不変システムを満たすための条件は次のように なる。(n0は任意の整数) y[n] = φ ( x[n]) のとき 入力が時間方向にn0シフトして x[n − n0 ] となった場合、出力が y[n − n0 ] = φ ( x[n − n0 ])) と入力と同様にn0だけシフトするシステム。波形自 体は変わらない。 • 次 次の図は時不変システムの入出力の例を示 図は時 変シ ム 入出力 例を している。時不変システムでは、次の図のよう に入力される時点のずれと出力波形のずれ が 致する。波形は変わらない。 が一致する。波形は変わらない。 • 例題 y[n]=φ(x[n])= y[ ] φ( [ ]) x2[[n]で与えられる離散時間シス ] テムの線形性、および時不変性について述 べよ。 べよ • 例題 あるシステムの入出力関係が y[n] ax[n]+b y[n]=ax[n]+b で与えられるとき、このシステムの線形性を で与えられるとき このシステムの線形性を 調べよ。ただしx[n]とy[n]はそれぞれ入力と出 力 力で、a,bは定数である。 定数 ある • 例題 あるシ テ あるシステムの入出力関係が 入出力関係 y[n]=φ(x[n])=x[kn] であるとき このシステムの時不変性を検討 であるとき、このシステムの時不変性を検討 せよ。ただしkは自然数である。 • 線形かつ時不変なシステムを線形時不変シ y ステム(linear time-invariant system:LTI system)と呼ぶ。 • 基本的なデジタルフィルタではLTIシステムを 扱う。 因果システム • 入力x[n]が x[n]=0 n<n0 ならば、 y[n]=0 n<n0 であるばあい(n0は任意の整数)、このシステムは因 果性を満足しており因果システムと呼ぶ。 入力 値 入 初め 出力 値 出るシ テ • 入力に値が入って初めて出力に値が出るシステム であると考えることができる。 出力値の決定には それ以前の入力値のみを用い • 出力値の決定には、それ以前の入力値のみを用い るシステムである。(未来値を用いない) • LTIシステムのインパルス応答でh[n]=0 n<0を満足 するとき、そのシステムは因果システムである。
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