イーストスプリング・インド・バイウィークリー Vol.120を発行しました。 (PDF)

ご参考資料
Vol. 120
(対象期間:2015年12月28日~2016年1月8日)
年明け後の世界の株式市場は、中国株の急落などを受けてほぼ全面安となりました。為替市場では、投資家のリスク回避姿
勢が強まる中で円高が進む一方、円を除く主要通貨は対米ドルで下落しました。このような状況下、インドでも株安、通貨安が
進みました。しかし、市場では今回の株安、通貨安はインドの国内経済要因ではなく、海外要因によるものとの見方が大勢で
す。また、世界銀行は世界経済への逆風が続く中でインドの経済成長率は加速するとの予想を発表しました。市場の見方と世
界銀行の見通しについては、ニュース欄をご参照ください。
[株式市場]
[株式市場]SENSEX指数の推移
個別銘柄では、インドの代表的株価指数であるSENSEX指数構成
(2002年12月31日~2016年1月8日)
(ポイント)
40,000
30,000
30銘柄のうち、年明けから1月8日までの期間に上昇したのは、石
油化学品メーカーのリライアンス・インダストリーズのみでした。
週間騰落率
(前週末比)
12月24日* 25,838.71
1月1日
月 日 26,160.90
,
1.2%
1月8日 24,934.33
-4.7%
日付
終値
[債券市場]
インド10年国債利回りは、昨年11月末以降、概ね7.7%から7.8%の
狭いレンジ内での動きが続いています。対象期間中も、世界的な
金融市場混乱の影響はほとんどなく、ほぼ横ばいで推移しました。
* 12月25日は、祝日のため休場。
[為替市場]
20,000
年明け後に円高が進む一方、他の主要通貨は対米ドルで下落し
ました。1月8日時点の年初来対米ドル騰落率は、インドルピーが
0.8%安、ロシアルーブルが0.3%安、中国人民元が1.5%安、ブラジ
ルレアルが2.1%安、豪ドルが4.0%安となり、インドルピーの下落
は比較的小幅に留まっています。
10,000
0
月 2005年12月
月 2008年12月
月 2011年12月
月 2014年12月
月
2002年12月
[ニュース]
[ニュ
ス]
[債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移
(2002年12月31日~2016年1月8日)
10%
日付
利回り
12月25日
1月1日
1月8日
7.75%
7.73%
7.74%
依然として高いインドの投資魅力度
変化幅
(前週末比)
-0.02%
0.01%
9%
金融
8%
7%
6%
5%
4%
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
[為替市場]インドルピーの対円レートの推移
(2002年12月31日~2016年1月8日)
(
年 月 日
年 月 日)
(円)
3.5
円安インドルピー高
3.0
日付
為替レ ト
為替レート
12月24日*
1月1日
1月8日
1.826
1.819
1.775
中国株の急落や原油安など国際金融市場が混乱する
中で、インドにおいても株安、通貨安が進みました。外国
ポートフォリオ投資家(FPI)は、1月1日から7日までに1日
平均4,781万米ドルの株式を売り越し(2015年通年で見
ると、1日平均1,359万米ドルの買い越し)ています。しか
し、市場関係者の間では、今回の株安と通貨安はインド
の国内経済要因ではなく、専ら海外要因によるものとの
見方が大勢です 海外売上高比率の高い企業が多く含
見方が大勢です。海外売上高比率の高い企業が多く含
まれるSENSEX指数が年初から1月8日までに4.5%下落
したのに対して、ボンベイ中型株指数が1.4%、同小型
株指数が1.6%の下落に留まったことも、インド経済に対
する投資家の信頼を示唆しています。さらに、原油輸入
国のインドにとって、原油価格の下落は貿易赤字の縮
小とインフレ圧力の緩和につながるためプラスと考えら
れます。
世界銀行見通し: 逆風の中、インドは成長を加速
週間騰落率
(前週末比)
-0.4%
-2.4%
* 12月25日は、祝日のため休場。
2.5
経済
2.0
15
1.5
円高インドルピー安
1.0
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ
ストメンツ作成。
世界銀行は1月6日に発表した「世界経済見通し」におい
世界銀行は1月6日に発表した「世界経済見通し
におい
て、世界の実質国内総生産(GDP)対前年比成長率が
2014年の+2.6%から2015年は+2.4%に減速したと推定
し、2016年の成長率についても昨年6月時点予想の
+3.3%から+2.9%に下方修正しました。中国経済の減速
やブラジル、ロシアの予想が引き下げられマイナス成長
となったことなどが要因です。世界経済への逆風が続く
中、インドについては、2015/6年度(2015年4月~2016
年3月)は前年度と同じ+7.3%の高成長が続き、さらに
2016/7年度は政府によるインフラ開発の加速などがけ
ん引して+7.8%と成長ペースを速め、主要国の中で最も
高い経済成長が続くと予想しています。また、インド経済
は経常赤字の大幅削減などにより、国際金融市場の混
乱などの外的要因に対する耐性が高まったと評価して
います。
英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開
しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。
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ご参考資料
Vol.120(対象期間:2015年12月28日~2016年1月8日)
[インド基礎講座] 2015年の振り返り:高成長続く中、インフレ鈍化
モディ政権が経済改革を進める中、インド経済は高成長が続きました。ま
た、インフレ鈍化で金融緩和余地が生じ、計4回の利下げが実施されまし
た(図表1)。SENSEX指数は経済改革への期待から、2014年2月の20,000
ポイント近辺の水準から急騰 2015年3月には 時30 000ポイントを超えま
ポイント近辺の水準から急騰、2015年3月には一時30,000ポイントを超えま
したが、その後は調整局面となり、年間では5.0%安と4年ぶりの下落となり
ました(図表2)。外部要因の影響を受けやすい大型株に対して、消費など
内需関連銘柄の多い中小型株については、ボンベイ中型株指数で10.0%
高、同小型株指数で6.1%高と上昇しました。インド10年国債利回りは、イ
ンフレが鈍化する中で小幅に低下(債券価格は上昇)し(図表3)、為替市
場では新興国通貨が全般に売られる中で、対円で3.8%、対米ドルで4.6%
のインドルピー安となりました(図表4)。
(図表2)SENSEX指数の推移
30,000
28 000
28,000
26,000
24,000
2014年12月
2015年6月
2015年12月
(図表3)インド自国通貨建て10年国債利回りの推移
(2014年12月31日~2015年12月31日)
(図表1)政治経済の振り返り(2015年)
8.0%
モディ政権、経済改革を促進
7.8%
政 モディ政権は、インドの経済成長率を引き上げるため、「メイク・イ
ン・インディア(インドでものづくりを)」を掲げて製造業の活性化を
治
目指しています。外資規制緩和などの経済改革を進め、積極的な
外交を展開してインドへの投資を呼びかけています。
7.6%
7.4%
2014年12月
経済成長率は7%台を持続、物価上昇率は6%の目標以下
実質GDP成長率は2015年1-3月期に前年同期比+7.5%、4-6月期
経 に同+7.0%、7-9月期に同+7.4%と3四半期連続で7%台の高成長
が続きました 消費者物価指数(CPI)上昇率は 2014年9月から
済 が続きました。消費者物価指数(CPI)上昇率は、2014年9月から
15ヵ月連続で、2016年1月までの目標である6%を下回る水準で推
移しています。
金
融
政
策
(2014年12月31日~2015年12月31日)
(ポイント)
(円)
20
2.0
2015年12月
(2014年12月31日~2015年12月31日)
1.9
物価上昇率が鈍化する中、4回の利下げ
物価上昇率が鈍化する中、インド準備銀行(RBI、中央銀行)は
2015年1月に政策の軸足を緩和方向に移し、政策金利であるレポ
金利を2015年の間に、8.00%から6.75%まで引き下げました。利下
げは計4回実施され、3回目までの下げ幅は0.25%ずつでしたが、4
回目は市場予想を上回る0.50%の下げ幅となりました。
2015年6月
(図表4)インドルピーの対円レートの推移
1.8
円高インドルピー安
1.7
2014年12月
2015年6月
2015年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について
165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産
運用サービスを提供しています。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界
各国で業務を展開しています。
●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および
資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています 最終親会社グル プの運用資産総額は 2015年
資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年
6月末現在、約5,050億ポンド(約97兆円、1ポンド=192.72円)に上ります。
イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて
■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した
運用を行います。
イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について
■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属
するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、1955年に設立され、2015年3月末現在、総資産は約6兆4,612億ル
す
弁
展
す
銀
、
設
、
月
、 資産 約
,
ピー(約12兆3,798億円、1ルピー=1.916円で換算)となっています。
■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。2015年6月末現在、運用資産総額は約1兆5,552億
ルピー(インドにおけるシェア約12.7%)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。
[当資料に関しご留意いただきたい事項]
当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式
会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品
取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら
を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン
を変更
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りする
あります。ま 、将来 市場環境 変動等を保証するも
ありま
。当資料 使用
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ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではありま
せん。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ずし
もその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたも
のであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
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