【更新】イーストスプリング・インドネシア・バイウィークリー Vol.120を発行

ご参考資料
Vol. 120
(対象期間:2016年1月4日~2016年1月15日)
年明け後の世界の株式市場は、中国株の急落や原油安などを受けてほぼ全面安となりました。為替市場では、投資家のリス
年明け後の世界の株式市場は
中国株の急落や原油安などを受けてほぼ全面安となりました 為替市場では 投資家のリス
ク回避姿勢が強まる中で円高が進む一方、多くの新興国・資源国通貨は対米ドルで下落しました。国際金融市場は大きく混乱
しましたが、インドネシアの株と通貨はインフレ鈍化など経済ファンダメンタルズの改善を背景に、比較的小幅の下落に留まり
ました。一方、インドネシア10年国債利回りは低下(価格は上昇)しました。また、1月14日にはインドネシア中央銀行(BI)は11ヵ
月ぶりに利下げに踏み切りました。詳しくは、ニュース欄と2ページ目の基礎講座をご参照ください。
[株式市場]ジャカルタ総合指数の推移
[株式市場]
(ポイント)
6,000
5,000
4,000
日付
終値
12月30日* 4,593.01
1月8日 4,546.29
1月15日 4,523.98
週間騰落率
(前週末比)
-1.0%
-0.5%
世界の株式市場がほぼ全面安となる中、インドネシアの代表的株
価指数であるジャカルタ総合指数は、年初から1月15日までで
1 5%下落しました しかし この間 日経平均株価が-99.9%、ダウ
1.5%下落しました。しかし、この間、日経平均株価が
9% ダウ
工業株30種平均(NYダウ)が-8.2%、上海総合指数が-18.0%の
大幅安となっており、ジャカルタ総合指数の下落は比較的小幅に
留まっています。
* 12月31日と1月1日は、
祝日のため休場。
3,000
[債券市場]
年初からインドネシア10年国債利回りは8.86%まで上昇しました。
その後、低下に転じ8.55%で対象期間の取引を終えました。1月5
日に行われた今年初の国債入札では、12兆ルピア(約1,000億円)
の発行目標額に対して26.2兆ルピア(約2,200億円)の応札があり、
インドネシア国債の需要が高い とを示しました
インドネシア国債の需要が高いことを示しました。
2,000
1,000
2006年12月 2008年12月 2010年12月 2012年12月 2014年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月28日からの推移を示しています。
[為替市場]
年明け後に円高が進む一方、多くの新興国・資源国通貨は対米ド
ルで下落しました。1月15日時点の年初来対米ドル騰落率は、イン
ドネシアルピアが-0.8%、ブラジルレアルが-2.1%、中国人民元が
-1.4%、インドルピーが-2.2%、ロシアルーブルが-5.2%、豪ドルが
-6.2%となり、インドネシアルピアの下落は比較的小幅に留まって
います。
[債券市場]インドネシア自国通貨建て10年国債利回りの推移
25%
20%
15%
日付
利回り
1月1日
1月8日
1月15日
8.76%
8.81%
8.55%
変化幅
(前週末比)
0.05%
-0.26%
[[ニュース]]
10%
利下げの背景に、政府の強い意向
5%
0%
2006年12月 2008年12月 2010年12月 2012年12月 2014年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベトメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。
政治
[為替市場]インドネシアルピアの対円レートの推移
インドネシアルピア高円安
(円)
1.5
1.3
週間騰落率
日付 為替レート
(前週末比)
1月1日
0.873
1月8日
0.850
-2.6%
1月15日
0.840
-1.2%
1.1
0.9
BIが利下げに踏み切った背景には、インドネシア政府の
強い意向があったと考えられます。昨年1-3月期から3四
半期連続で4%台の低成長が続く中、カラ副大統領は繰り
返し利下げを求めてきました。ダルミン経済担当調整相
は、1月13~14日の金融政策決定会合に出席しました。投
票権はありませんが、BI総裁経験者で「政府の投資促進
策には、金融政策のサポートが必要」と語る同氏の出席
は利下げへの圧力になったと考えられます 政府の強い
は利下げへの圧力になったと考えられます。政府の強い
意向は今後も金融政策に影響を与え、インドネシアの経
済成長を引き上げる方向に働くと考えられます。BIは金融
政策決定会合後の声明文で、「インフレの抑制、成長の促
進、構造改革の加速を通じて持続的な経済成長を支える
ために、政府との協働を強める」と述べています。
連続テロ、金融市場への影響は一時的
インドネシア
ルピア安
円高
金融
0.7
2006年12月 2008年12月 2010年12月 2012年12月 2014年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 (100インドネシアルピア対
円レート)
インドネシアの首都ジャカルタで、1月14日に連続テロが発
生しましたが、金融市場への影響は一時的でした。ジャカ
ルタ総合指数は連続テロ発生直後に 時前日比1 8%安
ルタ総合指数は連続テロ発生直後に一時前日比1.8%安
となりました。その後はBIの利下げも好感されて上昇に転
じ、前日比0.5%安で14日の取引を終えました。インドネシ
アルピアは14日に対米ドルで1.1%下落しました。インドネ
シア10年国債利回りは前日の8.58%から14日には8.55%
まで低下(債券価格は上昇)しました。
英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開
しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。
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ご参考資料
Vol.120(対象期間:2016年1月4日~2016年1月15日)
[インドネシア基礎講座] 金融政策: 米利上げ後の不透明感後退で、利下げに踏み切る
BIは1月13 14日の金融政策決定会合で政策金利を7.50%から7.25%に引き下げました。インドネシアでは物価上昇率が鈍化し、通貨安に
BIは1月13~14日の金融政策決定会合で政策金利を7
50%から7 25%に引き下げました。インドネシアでは物価上昇率が鈍化し、通貨安に
歯止めがかかる中、BIは昨年11月には預金準備率の引き下げを決めて政策の軸足を緩和方向に移していました。今回、12月の米国の利
上げ決定により国際金融市場の不透明感が後退したとして、利下げに踏み切りました。インドネシアの消費者物価指数(CPI)上昇率は、ガ
ソリンなど燃料価格が引き上げられた2014年11月の翌12月には前年同月比+8.36%まで加速しましたが、2015年12月には目標の+3~5%
の範囲内である同+3.35%まで鈍化しています(図表1)。為替市場では、昨年9月以降に政府が相次いで発表した経済政策などによりインド
ネシアルピアは大きく反発しました。その後、米国の利上げや中国株の急落、原油安を受けて国際金融市場が混乱したにもかかわらず、ル
ピアは比較的安定した動きを示しています(図表2)。BIは、今年から金融政策決定会合の開催日を1日から2日間に伸ばして政策決定のた
めの分析を充実させるとともに、3ヵ月ごとの会合後に記者会見を開いて市場との対話を強化しています。
(図表1)政策金利とCPI上昇率*(前年同月比)及び
インフレ目標の推移(2014年7月~2016年1月)
10%
9%
CPI上昇率
2014年12月
8.36%
政策金利
8%
7%
(図表2)インドネシアルピアの対米ドルレートの推移
(図表2)インドネシアルピアの対米ドルレ
トの推移
(2015年7月1日~2016年1月15日)
(ルピア)
CPI上昇率
13,000
政策金利
2016年1月
7.25%
13,500
票
6%
14 000
14,000
5%
14,500
4%
3%
2014年7月
インドネシアルピア高
米ドル安
インフレ目標
2015年1月
2015年7月
2015年12月
3.35%
※左軸は逆目盛
15,000
2015年7月
2016年1月
(注)インフレ目標(2014年は3.5%~5.5%、2015年と2016年は3%~5%)を示す。
*CPI上昇率は2015年12月まで。
出所:インドネシア中央銀行などのデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
2015年9月
2016年1月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベトメンツ作成。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について
165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産
運用サービスを提供しています。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界
各国で業務を展開しています。
●最終親会社グル プはいち早くアジアの成長性に着目し アジアでは14の国や地域で生命保険および
●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および
資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年
6月末現在、約5,050億ポンド(約97兆円、1ポンド=192.72円)に上ります。
アジア株式・債券の運用拠点であるイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて
■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドネシアを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した運用を行い
ます。
■株式運用においてはボトムアップ・アプローチによる銘柄選択で厳選したポートフォリオの構築とリスク管理を重視、債券運用においては金利、クレ
ジ ト 為替に対して
ジット、為替に対してファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル等複数の視点で分析、ポートフォリオを構築し、トータル・リターンの最大化を目
ダメ タ ズ バリ
シ
テク カ 等複数の視点で分析 ポ ト
リオを構築し ト タ
リタ
の最大化を目
指した運用を行います。
[当資料に関しご留意いただきたい事項]
当資料は、インドネシアの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が
株式会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融
商品取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なく
これらを変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パ
フォーマンス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するもの
ではありません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
はありません 当資料は信頼 きると判断された材料を使
十分な注意を払
作成し
ますが 当社および株式会社
ナ シ
リサ チ
は、必ずしもその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させてい
ただいたものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
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