NEWS RELEASE 2016年01月26日 【格付維持】 メキシコ合衆国 外貨建発行体格付: BBB+ [格付の方向性:安定的] 格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。 【格付理由】 ここ1-2年、成長率は想定よりも緩やかなものにとどまっているが、米国向けの輸出が先導する経済 成長の構図に変化はなく、今後、潜在成長率付近への緩やかな回復が見込める。原油価格の下落で、重 要財源である石油関連収入に大きな影響が出ているが、税収増や歳出削減で財政赤字の拡大を避けてい る。中期的な財政健全化へのコミットメントを高める制度改正なども確認でき、経済の回復が見通し通 り進めば、債務比率は安定化しよう。こうした点に鑑み、外貨建発行体格付を維持した。大きな経済の 崩れは想定しておらず、格付の方向性は安定的。ただ、連動性が高い米国経済の動向と、不透明感が晴 れない原油市場の情勢には引き続き留意が必要だ。 実質国内総生産(GDP)成長率は、2013年に通年で1.4%と低迷した後、3%を超えて回復していくとみ られていたが、2014年、2015年ともに2%台前半にとどまった。この間の米国経済の回復テンポが緩やか で、また石油生産の落ち込みも大きく影響した。ただ、メキシコ自身の成長モデルに大きな崩れはな く、おおむね潜在成長率とみられる3%程度にかけて回復していくとみている。 ペソの減価はここまで輸入インフレを引き起こしてはいないが、長引く減価圧力は気掛かりだ。メキ シコ銀行は、米国との金利差を保つために2015年12月に連邦準備制度理事会(FRB)に追随して利上げを 行った。不安定な市場環境にあってはやむを得ないが、国内要因で動く局面ではなく、政策遂行環境と してはやや手足を縛られた格好だ。 メキシコの資本市場は規模と流動性から、地域情勢などを反映し中南米全体のリスク調整弁となりや すい。市場のボラティリティが高い中、中央銀行は流動性供給のための介入を行い、外貨準備は2015年 下半期に減少した。自動車やエネルギー部門を中心に対内直接投資は底堅い流入が期待でき、資金流入 の減少で経済活動が急減速するシナリオをメーンに置いていないが、こうした市場環境にあっては一定 の留意が必要だろう。 公的部門借入必要額(PSBR)でみた財政赤字は、2014-2015年にそれぞれGDP比4.6%、4.1%とやや拡 張気味の推移が続いた。政府はこれを2018年にかけて同2.5%に低下させる意向だ。石油関連収入の減少 は歳出削減を軸に埋め合わせるが、2013年の税制改革により税収が堅調で、油価下落の影響をある程度 相殺している。また、2016年に必要となる歳出削減を2015年から開始し、経済への影響をならしている ことも評価できる。中期的な財政健全化へのコミットメントは各種の制度改正にも表れている。2016年 に入り原油価格はさらに低下しているが、プット・オプションを行使価格49米ドルで締結している。見 通し通り経済が回復すれば、債務比率もGDP比50%強(IMF推計)で安定化が見込めよう。 現与党PRIの支持率はいまひとつだが、これまで与党にとって鬼門だった中間選挙も善戦し、政策運営 環境に大きな劣化はないとみている。改革の象徴的存在だったエネルギー分野は、ここまで数回の国際 的な鉱区入札を経て経験を積んでいる。今後の入札でメキシコ湾の深海油田開発にもめどを付け、石油 生産の安定化を図る。国内経済の生産性を高めるための各種の改革を、社会問題や政治動向に足をすく われることなく推し進められるか注目していく。 人口は約1億1800万人(2013年、政府公表値)とスペイン語圏で最大。1人当たりGDPは約1万米ドルを 超える中所得国であり商圏としての魅力も大きいが、貧富の格差は大きく、長期的な視点からの政策的 対応を強化してしかるべきだろう。また、広範な非公式経済の存在が生産性向上の足かせの一因として 指摘される。政府も課題として認識しており、税制改正を通じた正規雇用の伸びなど、労働の質の面に も注目していく。 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス本部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438 株式 会社 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE 【格付対象】 発行者:メキシコ合衆国 名称 格付 格付の方向性 外貨建発行体格付 BBB+(維持) 安定的 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス本部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438 株式 会社 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE 信用格付に関わる事項 信用格付業者 登録番号 株式会社格付投資情報センター 金融庁長官(格付)第6号 直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。 主任格付アナリスト 関口 健爾 信用格付の付与について 代表して責任を有する者 神林 尚 信用格付を付与した日 2016年01月19日 主要な格付方法 ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16] 上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して います。 http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html 評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。 http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html 格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。 http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html 格付関係者 メキシコ合衆国 注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。 利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料 品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ れている資料であること。 情報提供者 - 信用格付の前提、意義及び限界 R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定 通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等 の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見 を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の 表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い かなる保証もしていません。 R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの 情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格 付を保留したり、取り下げたりすることがあります。 利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が 高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり ます。 信用格付に関わる留意事項 当該信用格付は、格付関係者からの依頼によるものではありません。 格付関係者から信用評価に重要な影響を及ぼす非公開情報は入手していません。 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス本部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438 株式 会社 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc.
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