コロンビアの発行体格付BBB[安定的]を維持

NEWS RELEASE
2016年01月29日
【格付維持】
コロンビア共和国
外貨建発行体格付: BBB [格付の方向性:安定的]
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
【格付理由】
経済成長は減速局面にあるが、政府が交易条件の変化に対する経済の調整という方向に政策の舵を
切っている点は評価できる。財政規律は揺らいでおらず、財政悪化が続く可能性は低い。外部環境は厳
しいものの、中長期的な課題である競争力の底上げに向けた施策もようやく本格化する見通しだ。大詰
めを迎えている反政府組織との和平交渉の妥決もポジティブなニュースとなり得る。こうした点を勘案
し、外貨建発行体格付を維持した。格付の方向性も引き続き安定的とするが、原油市場の不透明感が増
し、リスク回避から新興国への資金流入が細る中で、資本フローの動向には留意が必要だ。
原油価格の急落は、輸出と関連投資の減少を通じ経済への下押し圧力となっており、実質国内総生産
(GDP)成長率は2014年の4.6%から2015年には3.2%へ減速したようだ。中南米が全体でマイナス成長に
沈む中で底堅さを見せたが、交易条件の悪化はコロンビア経済にとって重要な局面変化と言える。国道
建設プロジェクトの工事開始など経済成長率の押し上げ要因はあるものの、2016年は全体的には財政面
・対外面で拡大した赤字への調整期だ。気象条件やペソの急落を背景にインフレ率は高まっており、金
融政策も引き締め局面にある。政府は3.2%と2015年と同水準の成長を見込むが、原油価格も想定より低
位で推移しており、R&Iでは2%台半ばへの減速は十分にあり得るとみている。
経常収支は慢性的な赤字体質で、特に主要輸出品価格の急落を受けて2014年に貿易収支が赤字化し、
それ以降はGDP比でみた赤字幅が拡大している。ある程度改善した後も、インフラ建設などを背景に国内
の貯蓄投資ギャップは過去と比べてやや拡大する推移が予想される。それだけに安定的な資金流入がこ
れまで以上に重要になる。直接投資の受け入れ先は、石油・ガス部門から製造業や金融など多様化してき
ているが、こうした環境下ではさすがに細るだろう。短期的な債務返済に懸念があるわけではない。経
済の安定成長のために、健全なマクロ経済運営の下、事業環境の改善と競争力の底上げに向けた努力が
必要だ。
2014年に中央政府歳入の15.6%あった石油関連収入は、2015年には7.4%へと大きく減少、2016年には
1.1%まで減ると見積もられている。これに対応するため、政府は歳出削減などを行った上で、中央政府
の赤字をやや拡大させる意向だ。ただ、経済成長率や原油価格の推移次第では、追加的な財政措置が必
要となる可能性は残る。
制度設計を含めて財政規律はしっかりしており、財政赤字の継続的な拡大から経済が不安定化する懸
念は小さいとみている。構造的財政収支の赤字を2022年度までにGDP比1.0%へ削減する中央政府の目標
に変わりはなく、その間の石油関連収入も相応に保守的な見通しだ。前提となっている経済成長が大き
く崩れない限り、債務比率も安定化しよう。政府は2016年中にも課税ベースの拡大と税体系の効率化を
念頭に抜本的な税制改正の議論を開始する構えで、その行方にも注目していく。
代表的な反政府組織であるコロンビア革命軍(FARC)との武力衝突は事実上、終結しており、治安は
2000年代初頭と比べると大きく改善している。2012年末からキューバの首都ハバナで行われている和平
交渉は紆余曲折を経ながらも大詰めを迎えている。2014年6月の大統領選挙では、改めて対FARCの姿勢が
争点となり、和平交渉継続を掲げた現職のサントス大統領が再選されたことで、複雑な感情を持つコロ
ンビア国民の民意も一応確認されたと言える。和平合意はコロンビアの変化の象徴とも言えるだけに、
経済的にもセンチメント改善のきっかけとなる可能性があろう。
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス本部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
株式
会社
格付投資情報センター
〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
ⓒRating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
【格付対象】
発行者:コロンビア共和国
名称
格付
格付の方向性
外貨建発行体格付
BBB(維持)
安定的
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ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
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NEWS RELEASE
信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
関口 健爾
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
神林 尚
信用格付を付与した日
2016年01月22日
主要な格付方法
ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して
います。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
コロンビア共和国
注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料
品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ
れている資料であること。
情報提供者 -
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定
通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等
の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見
を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の
表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に
ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い
かなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの
情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に
は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格
付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が
高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり
ます。
信用格付に関わる留意事項
当該信用格付は、格付関係者からの依頼によるものではありません。
格付関係者から信用評価に重要な影響を及ぼす非公開情報は入手していません。
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