佐賀県の金融経済概況

2016 年 1 月 22 日
日本銀行佐賀事務所
日本銀行福岡支店
Bank of Japan Saga Office / Fukuoka Branch
佐賀県の金融経済概況
(2016 年冬)
当資料は当事務所ホームページに掲載しています
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日本銀行佐賀事務所 Tel:0952-23-8165
1.総論
○
佐賀県の景気は、着実に持ち直している。
最終需要の動向をみると、個人消費は、一部に弱い動きがみられるものの、全体とし
ては持ち直しつつある。住宅投資は、持ち直している。設備投資は、緩やかに増加して
いる。公共投資は、緩やかに減少している。
こうした中で、生産は、一部に弱い動きがみられるものの、自動車関連を中心に高め
の生産水準で推移している。雇用・所得情勢をみると、労働需給は緩やかな改善基調に
あり、雇用者所得は振れを伴いながらも持ち直しつつある。
先行きについては、引き続き公共投資が緩やかに減少することが見込まれる中、それ
を補う形で民間需要を中心とした持ち直しの動きが持続するかどうかに注視していく必
要がある。
<景気判断の前回との比較>
基調判断
項目
前回
景 気 全 体
個 人 消 費
今回
着実に持ち直している。
着実に持ち直している。
一部に弱い動きがみられるものの、全体 一部に弱い動きがみられるものの、全体
としては持ち直しつつある。
としては持ち直しつつある。
需 要 項 目
住 宅 投 資 持ち直しつつある。
持ち直している。
公 共 投 資 高水準ながら緩やかに減少している。
緩やかに減少している。
設 備 投 資 緩やかに増加している。
緩やかに増加している。
産
一部に弱い動きがみられるものの、自動
一部に弱い動きがみられるものの、全体
車関連を中心に高めの生産水準で推移
としては緩やかに持ち直している。
している。
雇 用 ・所 得
労働需給は緩やかな改善基調にあり、雇
労働需給は緩やかな改善基調にある。
用者所得は振れを伴いながらも持ち直し
所得は持ち直しつつある。
つつある。
生
1
2.個人消費
○
個人消費は、一部に弱い動きがみられるものの、全体としては持ち直しつつある。
▽個人消費関連の動向
百貨店・スーパー売上高
乗用車新車登録台数
(含む軽自動車)
暖冬の影響から季節商品の動きが鈍いものの、飲食料品などが緩やかな増加を
続けており、全体としては持ち直している。
弱めの動きとなっている。
旅行は、国内向けは引き続き堅調な一方、海外向けがテロを含めた政情不安の
影響から落ち込みがみられている。
旅
行
・
観
光
観光は、外国人観光客が増加しているほか、国内観光客層にも広がりがみられて
おり、好調に推移している。
3.住宅投資
○
住宅投資は、持ち直している。
4.公共投資
○
公共投資は、緩やかに減少している。
2015年10~12月の公共工事請負金額は前年を下回った。
5.設備投資
○
設備投資は、緩やかに増加している。
法人企業景気予測調査(2015年10~12月期調査)における2015年度の設備投資は、非
製造業が前年を下回る一方、製造業は前年を上回っており、全産業でも前年を上回る見
込みとなっている(全産業:+16.9%、製造業:+28.1%、非製造業:▲4.1%)。
2
6.生産
○
生産(鉱工業生産)は、一部に弱い動きがみられるものの、自動車関連を中心に高め
の生産水準で推移している。
▽主要業種の生産動向
食
料
化
輸
送
機
品
横ばい圏内の動きとなっている。
学
国内向けを中心に堅調に推移している。
械
新型車関連を中心に高めの生産水準で推移している。
一 般 機 械 等
公共工事関連を中心に低水準の生産が続いている。
7.雇用・所得
○
雇用・所得情勢をみると、労働需給は緩やかな改善基調にあり、雇用者所得は振れを
伴いながらも持ち直しつつある。
11月の有効求人倍率は前月から横ばいとなった(11月:0.99倍)。10月の雇用者所得
総額1は、常用労働者数の増加を主因に前年を上回った(10月:+1.0%)。
8.物価
○
11 月の消費者物価指数(佐賀市、生鮮食品を除く総合)の前年比は、0%台前半とな
った(11 月:+0.3%)。
9.金融2
○
11 月の預金残高をみると、個人・法人預金を中心に、前年を上回った(11 月:+2.0%)。
○
11 月の貸出残高をみると、法人向けや個人向けを中心に、前年を上回った(11 月:+
4.3%)。
以
上
1 雇用者所得総額は、
「常用労働者数×一人当たり現金給与総額(名目)<ともに事業所規模5人
以上>」で算出。
2 日本銀行福岡支店 HP「地域の時系列データ」
(佐賀県)参照。
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