九州・沖縄の金融経済概況

2015 年 2 月 19 日
日本銀行福岡支店
Bank of Japan Fukuoka Branch
九州・沖縄の金融経済概況
(2015 年 2 月)
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1
1.総論
○
九州・沖縄の景気は、緩やかに回復している。
個人消費は、一部に弱めの動きがみられるものの、雇用・所得環境が着実に改善する
もとで、全体としては持ち直しつつある。住宅投資は、弱い動きとなっている。この間、
着工ベースでは一部に下げ止まりに向けた動きがみられている。公共投資は、高水準で推
移している。設備投資は、着実に持ち直している。輸出は、持ち直している。生産は、
持ち直しつつある。雇用・所得情勢をみると、労働需給は着実に改善しており、雇用者
所得も緩やかに持ち直している。
先行きについては、海外経済の動向等が製造業の生産や企業収益に及ぼす影響、それ
らが設備投資や雇用・所得、さらには家計の支出行動に及ぼす影響を注視していく必要
がある。
<景気判断の前回との比較>
基調判断
項目
前回
景 気 全 体
今回
緩やかに回復している。
緩やかに回復している。
雇用・所得環境が着実に改善するもと
一部に弱めの動きがみられるものの、雇
で、基調としては持ち直しつつある。この
用・所得環境が着実に改善するもとで、
個 人 消 費
間、消費税率引き上げに伴う駆け込み需
全体としては持ち直しつつある。
要の反動減は和らいでいる。
需 要 項 目
住 宅 投 資 弱い動きとなっている。
弱い動きとなっている。この間、着工ベー
スでは一部に下げ止まりに向けた動きが
みられている。
公 共 投 資 高水準で推移している。
高水準で推移している。
設 備 投 資 着実に持ち直している。
着実に持ち直している。
輸
持ち直している。
生
出 横ばい圏内で推移している。
産
雇 用 ・所 得
全体として横ばい圏内で推移している
持ち直しつつある。
が、一部に持ち直しの動きがみられる。
労働需給は着実に改善しており、雇用者
所得も緩やかに持ち直している。
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労働需給は着実に改善しており、雇用者
所得も緩やかに持ち直している。
2.個人消費
○
個人消費は、一部に弱めの動きがみられるものの、雇用・所得環境が着実に改善する
もとで、全体としては持ち直しつつある。
▽個人消費関連の動向
非耐久消費財
耐久消費財
百 貨 店 売 上 高
衣料品は婦人服を中心に弱めの動きとなっているが、飲食料品が底堅く推
移しているほか、身の回り品や化粧品、宝飾品が好調であることから、全体
としては横ばい圏内の動きとなっている。
スーパー売 上 高
飲食料品のほか、玩具等の好調が続いており、基調としては堅調に推移し
ている。
コンビニエンスストア売 上 高
新規出店効果や新たな顧客層の取り込みに向けた販売戦略が奏功してい
ることから、緩やかな増加基調を続けている。
家
売
テレビに持ち直しの動きがみられるほか、スマートフォンやタブレット端末等
に支えられて、底堅く推移している。
乗用車新車登録台数
新型車投入効果等から、持ち直しに向けた動きがみられている。この間、本
年4月の軽自動車税の増税を控えた駆け込み需要がみられている。
電
販
サービス
(含む軽自動車)
旅 行 取 扱 額
旅行取扱額は、横ばい圏内で推移している。この間、観光面では、外国人
観光客の好調もあって、九州・沖縄域内への入込みは増加している。
3.住宅投資
○
住宅投資は、弱い動きとなっている。この間、着工ベースでは一部に下げ止まりに向け
た動きがみられている。
12月の新設住宅着工戸数は、持家を中心に前年を下回った。
4.公共投資
○
公共投資は、高水準で推移している。
1月の公共工事請負金額は、市町村発注分が増加したものの、県等発注分が減少した
ことから前年を下回った。
5.設備投資
○
設備投資は、着実に持ち直している。
12月短観における2014年度の設備投資は、製造業・非製造業ともに前年を上回る計画
(全産業:+12.7%、製造業:+23.9%、非製造業:+8.7%)となっている。
12月の建築物着工床面積(民間非居住用、後方3か月移動平均)は、7か月連続で前
年を下回った。
6.輸出
○
輸出は、持ち直している。
3
7.生産
○
生産(鉱工業生産)は、持ち直しつつある。
▽主要業種の生産動向
械
自動車は、新型車の生産本格化、一部車種の生産再開に伴い、増加している。
船舶は、持ち直している。
電 子 部 品 ・デバイス
国内外からの受注増加を背景に、半導体関連を中心に緩やかな増加基調に
ある。
はん用 機 械 等
海外向けを中心に、増加に向けた動きがみられている。
化
学
全体としては高水準で横ばい圏内の動きとなっている。
鉄
鋼
住宅向けに弱い動きがみられるものの、全体としては高水準で横ばい圏内の動き
となっている。
輸
送
機
8.雇用・所得
○
雇用・所得情勢をみると、労働需給は着実に改善しており、雇用者所得も緩やかに持
ち直している。
労働需給では、新規求人は製造業、非製造業ともに増加しており、有効求人倍率も上
昇基調にある。
所得環境では、雇用者所得は、常用労働者数が増加する中、1人当たり現金給与総額
も前年を上回って推移していることから、緩やかに持ち直している。
9.物価
○
12 月の消費者物価指数(九州地区、生鮮食品を除く総合)の前年比は、消費税率引き
上げの影響もあって、2%台半ばとなった(12 月:+2.6%)。
10.金融
○
12 月の預金残高をみると、個人・法人預金が増加していることを背景に、前年を上回
った。
○
12 月の貸出残高をみると、法人向けや個人向けの増加を背景に、前年を上回った。
○
1月の企業倒産をみると、件数は前年を上回ったものの、負債総額は前年を下回った。
以
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上