不動産マーケットレポート

2
F e b r u a r y, 2 0 1 6
不動産マーケットレポート
2015 年の住宅着工戸数は、
都心 6 区では
分譲マンション、周辺 17 区では
賃貸アパートが増加 ・・・・・・・・ 2
経済トレンド・ウォッチ ・・・・・・・ 4
不動産市場トレンド・ウォッチ ・・・・ 6
東京 23 区の賃貸マンション戸数は
分譲マンションの賃貸化等による
増加も寄与 ・・・・・・・・・・・・ 8
■本 レポ ートに 関 するお 問 い 合 わ せ 先■
みずほ信託銀行株式会社 不動産業務部
金子 伸幸 TEL.03-3274-9079(代表)
2015 年の住宅着工戸数は、都心 6 区では分譲
住宅着工戸数の増減は長期的に人口動態や世帯数の影響が大きく、加えて景気動向や金利、税制
改正等による短期的な影響で大きく変動することもあります。本稿は、
住宅着工戸数の推移を整理すると
ともに、
変動の背景を考察しました。
● 2015 年の東京圏の住宅着工戸数は2014 年をわずかに上回る水準
東京圏※ 1 の住宅着工戸数は、耐震強度偽装問題を
多くを占める分譲住宅の変動が大きいのが目立ちます。
機に建築基準法等の改正が施行された2007 年と世界
2004 年には2 万戸超であった分譲住宅の着工戸数は、
金融危機後の 2009 年に大幅に減少しました。2010 年
地価高騰によって、分譲マンションの販売価格(単価)が
以降増加が続きましたが、金融危機前の水準まで回復
上昇※ 4し一般的な需要層が購入できる価格帯と乖離が
するには至っていません。2013 年は2014 年 4月の消費
生じたことから供給を抑える動きがあったことや、マンショ
税率引上げ前の駆け込みによって着工戸数が増加し、
ン素地の流通において不足感が高まったこと、また建築
2014年は持家と分譲住宅を中心にその反動の影響を受
基準法等の改正の影響を受けたことなどから2005 年以
けたことなどから減少に転じました。
降減少が続きました。2008 年は建築基準法等が改正さ
2015 年 10月時点の住宅着工戸数は、貸家が前年同
月に比べて増加し、持家と分譲住宅も前年同月とほぼ同
2009 年は世界金融危機の影響を受けて4,342 戸まで減
水準です[図表 1 上]
。11月、12月の着工数が前年の実
少しました。2010年以降は1万戸前後で推移しています。
績を確保すると想定すると、2015 年の年間の住宅着工
貸家の着工戸数は、2010 年に4,575 戸まで減少した後
戸数は前年をわずかに上回る計算になります。
増加傾向で推移し、特に消費税増税に備えた駆け込み
東京都や東京 23 区のうち周辺 17 区
※2
の住宅着工戸
数は東京圏と同様の動きをしていますが、都心 6 区の動
都心 6 区の住宅着工戸数は、総数が少ないため変動
※3
が大きくなる傾向がありますが、特に分譲マンション が
(%)
40
<東京圏>
400,000
20
300,000
0
200,000
-20
100,000
-40
0
2004 05
06
07
分譲住宅
前年比
(持家)
08
09
10
11
12
貸家
前年比
(貸家)
(戸)
40,000
13
14
-60
15(年)
持家
前年比
(分譲住宅)
↑
105%
(2010年)
30
20,000
0
10,000
-30
0
2004 05
06
分譲住宅
前年比
(持家)
07
08
09
10
貸家
前年比
(貸家)
11
12
13
14
-60
15(年)
持家
前年比
(分譲住宅)
※ 2015 年は1〜10月までのデータ
(前年比は前年同月比)
データ出所:国土交通省「建築着工統計」
2016, February
戸数のほぼ 3/4を占めている分譲マンションと合計が貸
家着工戸数の85%前後を占めている賃貸マンション※ 5と
分析しました。
※ 1:東京圏:東京都、
神奈川県、
埼玉県、
千葉県
※ 2:東京 23 区のうち都心 6 区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋
谷区、
文京区)
を除く17 区
※ 3:分譲マンション:構造=鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート
造・鉄骨造、
建て方=共同建、
利用関係=分譲住宅
※4:都心6区の分譲マンション販売戸数は、
分譲単価が高騰した2007年、
2008年に減少し、
東京23区に占める割合も落ち込んだ
[図表2]
。
※ 5:賃貸マンション:構造=鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート
造、
建て方=共同建、
利用関係=貸家
※ 6:賃貸アパート:構造=鉄骨造・木造、
建て方=共同建、
利用関係=貸家
[図表 2]
都心 6 区分譲マンション販売戸数の推移
(%)
60
<都心 6 区>
30,000
[図表 1 下]
。
賃貸アパート※ 6 について、都心 6 区と周辺 17 区の動きを
[図表 1]
利用関係別新設住宅着工戸数の推移
(戸)
500,000
着工の影響等を受けて2014 年は大幅に増加しました
以下では、2010 年以降東京 23 区で、分譲住宅着工
きには大きな特徴がみられます
[図表 1 下]
。
2
れた前年の大幅減少の反動等によって増加しましたが、
(戸)
10,000
(万円/m2・%)
150
8,000
120
6,000
90
4,000
60
2,000
30
0
2005 06
07
08
09
10
都心6区の分譲マンション供給戸数
m2単価
(万円/m2)
11
12
13
14
0
15(年)
東京23区に占める割合
(%)
※ 2015 年は1〜10月までのデータ
データ出所:株式会社不動産経済研究所
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
マンション、周辺 17 区では賃貸アパートが増加
●都心6区では富裕層や海外投資家によるマンション需要の高まりなどを背景に分譲マンション、
周辺 17 区では相続対策の一環として賃貸アパートの着工戸数が、それぞれ増加
<都心 6 区>
と平均賃料収入が安定推移していること
(
[図表5])
な
分譲マンションは、土地価格や建築費が上昇する中で、
価格が上昇しても立地を優先する投資家や富裕層など
の需要や、相続対策の一環としての取得ニーズなどを背
景にして、都心部での供給が堅調に推移しています。
どを背景に、海外投資家などによる都心マンションへの
需要が高まったこと。
<周辺 17 区>
2013 年 1月に、2015 年 1月1日から導入される相続税
2012 年と2013 年には、消費税増税前の駆け込み需要に
改正が盛り込まれた「平成 25 年度税制改正」が閣議決
伴って分譲マンションの着工が増加し、各年とも11,000 戸
定され、土地オーナー等による相続対策として賃貸マン
を上回りました。2014 年は反動減となりましたが、2015 年
ションや賃貸アパートの建設が増加するとの見方が強ま
10月時点の着工数は 9,577 戸となり、前年同月比 25%
りました。
賃貸マンションは2012 年以降、賃貸アパートは2013 年
増加しました
[図表 3 上]
。
2015 年に都心 6 区で分譲マンションの着工数が増加
以降着工戸数が高水準で推移しています。2015 年 10月
した背景として、
次のようなことが考えられます。
時点では、賃貸マンションが前年同月比を下回る一方、
・富裕層の相続対策として、都心高層マンションへの需
賃貸アパートは 17,000 戸を上回っており、通年で賃貸
アパートの着工戸数が賃貸マンションを大きく上回ると見
要が高まったこと。
・東京のマンション価格が香港、上海、
シンガポール等の
込まれます[図表 3 下]
。相続税制の改正によって課税
アジアの主要都市よりも低い水準である([図表 4]
)こ
対象が広がったため、相続対策が必要と考える土地所
とや東京オリンピックの開催等に伴う先行きの価格上
有者等が拡大したことが背景と考えられます。
昇期待、J-REIT が保有するマンションのデータによる
[図表 3]
分 譲マンション・賃貸マンション・賃貸アパート
(以上、
都市未来総合研究所 佐藤 泰弘)
[図表 4]
マンション/高級住宅の価格水準の比較
着工戸数の推移
(東京=100)2015 年 10月
<都心 6 区>
(戸)
40,000
(%)
150
12
13
14
-50
15
(年)
分譲マンション
賃貸マンション
賃貸アパート
前年比
(分譲マンション)
前年比
(賃貸マンション)
前年比
(賃貸アパート)
<都心周辺 17 区>
(戸)
100,000
(%)
50
データ出所:一般財団法人日本不動産研究所
「国際不動産価格賃料指数」
[図表 5]J-REITが保有する住宅の貸室賃料収入単価
80,000
25
60,000
0
40,000
-25
15
20,000
-50
10
0
-75
15
(年)
5
2004 05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
分譲マンション
賃貸マンション
賃貸アパート
前年比
(分譲マンション)
前年比
(賃貸マンション)
前年比
(賃貸アパート)
※ 2015 年は1〜10月までのデータ
(前年比は前年同月比)
データ出所:国土交通省「建築着工統計」
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
ロンドン
11
ニューヨーク
10
ジャカルタ
09
ホーチミン
08
バンコク
07
クアラルンプール
06
シンガポール
2004 05
台北
0
香港
0
上海
10,000
北京
50
ソウル
20,000
大阪
100
東京
30,000
400
350
300
250
200
150
100
50
0
(千円/坪)
20
都心6区
東京23区
0
上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015(年)
データ出所:都市未来総合研究所「ReiTREDA」
2016, February
3
経済トレンド・ウォッチ
■ 景気の動向(全国)
図 1 景気動向指数
140
(景気動向:CI指数 2010年=100)
(10月)
130
120
A.
先行指数
C112.6
110
B110.3
A106.0
100
90
B.
一致指数
C.
遅行指数
80
70
1月
2005年
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
1月
2013年
1月
2014年
1月
2015年
注:図の指数は第 10 次改定の値。
データ出所:内閣府
「景気動向指数」
図 2 景気ウオッチャーの景気判断指数
70
(景気の方向性:DI指数)
(11月)
60
B48.2
50
A.
景気の現状判断DI
A46.1
40
30
B.
景気の先行き判断DI
20
10
1月
2005年
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
1月
2013年
1月
2014年
1月
2015年
データ出所:内閣府
「景気ウォッチャー調査」
図 3 企業の業況判断指数
30
(業況判断指数:業況DI)
18
(13)
20
14
(8)
9
(3)
3
(-2)
10
0
‒10
(12月)
‒20
全規模合計
大企業
中堅企業
‒30
‒40
中小企業
‒50
‒60
3月 6月 9月12月 3月6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
注:「大企業」は資本金 10 億円以上、
「中堅企業」
は資本金 1 億円以上 10 億円未満、
「中小企業」
は資本金 2 千万円以上 1 億円未満。
( )内の数値は直近調査の 3 ヶ月後に関する予測値
(本稿は 2016 年 3 月を対象とする予測値)
。
データ出所:日本銀行
「全国企業短期経済観測調査
(短観)
」
【データ概要】
4
2016, February
図 1 景気動向指数の CI 指数
:CI 指数は、景気の拡大・後退の大きさやテンポを示す。
(CI:コンポジット・インデックス) 景気先行指数は、景気一致指数より数ヶ月先行して動き、景気を予知するための指数。
景気一致指数は、
実際の景気動向とほぼ一致して動き、景気の現状を示す指数。
景気遅行指数は、景気一致指数より数ヶ月遅れて動き、景気の変化を確認する指数。
図 2 景気ウオッチャーの景気判断指数
:景気の動きに敏感な職業の人を景気ウオッチャーに選び、街中の景気の現状や先行き
( 2 , 3 ヶ月先)について、景気ウオッチャーの判断による景気の方向性を示す指数。
(DI 指数:50=変わらない・横ばい、50 より高い =良くなる、50 より低い = 悪くなる)
図 3 企業の業況判断指数
:業況が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた企業の割合を引いた値を
業況判断指数とするもの。「良い」と「悪い」の回答割合が同じ場合は「0」となる。
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
■ 物価・雇用・金利等の動向(全国)
図 4 物価指数
(2010年=100)
110
(11月)
105
A103.4
100
C101.4
A. 消費者物価指数
(生鮮食品を除く総合)
B. 消費者物価指数
(民営家賃)
B97.6
95
90
1月
2005年
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
1月
2013年
注:国内企業物価指数の 11 月は速報値。
1月
2014年
C. 国内企業物価指数
(総平均)
1月
2015年
データ出所:総務省
「消費者物価指数」
、
日本銀行
「企業物価指数」
図 5 雇用情勢
8.0
(完全失業率 : %)
(有効求人倍率 : 倍)
(11月)
7.0
1.25
6.0
1.4
1.2
1.0
5.0
0.8
4.0
0.6
3.0
3.3% 0.4
2.0
0.2
1.0
1月
2005年
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
1月
2013年
1月
2014年
1月
2015年
完全失業率
(左目盛)
有効求人倍率
(右目盛)
0.0
注:図の値は季節調整値。完全失業率の 2011 年 3 月から 8 月は、
岩手県、
宮城県、
福島県を除く全国の結果
(11 月は速報値)
。
データ出所:総務省
「労働力調査」
、
厚生労働省
「職業安定業務統計」
図 6 主要金利
(%/年)
4.000
(11月)
3.500
3.000
2.475
2.500
2.000
1.900
1.100
1.500
1.000
0.500
0.000
1月
2005年
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
【データ概要】
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
0.300
1月
2013年
1月
2014年
長期固定金利型
住宅ローン
(返済期間20年以下)
都市銀行
住宅ローン
(変動)
長期プライムレート
長期国債
(10年物)
新発債流通利回り
1月
2015年
データ出所:日本銀行
「金融経済統計」
、
日本相互証券及び住宅金融支援機構ホームページ公表資料
図 4 消費者物価指数
国内企業物価指数
:全国の家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価を時系列的に測定する指数。
:企業間で取引される国内向け国内生産品の価格水準を示す指数。
図 5 完全失業率
有効求人倍率
:労働力人口
(15 歳以上で働く意志をもつ人)に占める完全失業者の割合。完全失業者は一定
期間中に収入を伴う仕事に従事しなかった人で、実際に求職活動を行った人。
:公共職業安定所で扱う求職者1人に対する求人数。
図 6
長期固定金利型住宅ローン
都市銀行住宅ローン
(変動)
長期プライムレート
長期国債新発債流通利回り
:民間金融機関と住宅金融支援機構の提携商品「フラット35」の借入金利の最高。
(保証型は含まない)
:個人向け都市銀行住宅ローンの変動金利型の基準金利。
:民間金融機関が信用力の高い企業に資金を1年以上貸付ける際の基準となる貸出金利。
:金融機関や機関投資家などの間で取引される長期国債新発債の利回り。
注記:図 1 から図 6 はいずれも 2015 年 12 月末日時点で入手できたデータに基づき作成
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート 2016, February
5
不動産市場トレンド・ウォッチ
■ 東京圏
図 1 用途別平均地価
(基準地価の前年比)
(%)
8.0
7.0
住宅地2014年
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
3.2
4.0
1.9 2.1
1.0 0.7
1.0
1.4 1.5
1.7 1.4
2.2 2.5
住宅地2015年
3.1 2.9
1.5
2.2 2.5
1.1 0.9
1.1
商業地2014年
0.2 0.2 0.3 0.4
0.0
商業地2015年
-1.0
-2.0
東京23区
多摩地域
横浜市
川崎市
さいたま市
千葉市
注:各年 7 月 1 日現在の地価の対前年変動率の平均。
データ出所:国土交通省
「都道府県地価調査」
図 2 総人口の推移
12,000
(千人)
(%)
2.0
2013年4月(左目盛)
10,000
1.5
8,000
1.0
2015年4月(左目盛)
6,000
0.5
4,000
0.0
2014年4月
前年同月比増減率
(右目盛)
2,000
-0.5
0
東京都区部
東京都下
横浜市
川崎市
さいたま市
-1.0
千葉市
2014年4月(左目盛)
2015年4月
前年同月比増減率
(右目盛)
注:各年 4 月 1 日現在の値。
データ出所:各都市の
「推計人口」
及び総務省公表資料
図 3 J-REIT 保有賃貸マンションの NOI 評価額利回り
[運用時 NOI 利回り]
(%)
16.0
(前年同期比:%ポイント)
2.0
14.0
1.5
2013年6月期
(左目盛)
12.0
1.0
2014年6月期
(左目盛)
10.0
6.0
0.5
0.0
8.0
-0.3
-0.3
5.1
4.0
0.0
4.7
5.3
-0.4
5.4
-0.4
5.9
-0.3
-0.5
-1.0
-1.5
2.0
0.0
5.7
全国
東京23区
都下
(多摩地域)
-2.0
神奈川県
埼玉県
2015年6月期
(左目盛)
2014年6月期
前年同月比増減率
(右目盛)
2015年6月期
前年同月比増減率
(右目盛)
千葉県
注:各投資法人の 2015 年 6 月末までの決算資料による。
【データ概要】
6
2016, February
データ出所:都市未来総合研究所「ReiTREDA(リートレーダー)
」
図 1 用途別平均地価
(基準地価)
:都 道府県地価調査に基づく各年 7月1日現在の地価の対前年平均変動率。
都 道府県地価調査は、国土利用計画法施工令に基づき、都道府県知事が毎年 7月1日における調査
地点の正常価格を不動産鑑定士の鑑定評価を求めた上で判定するもの。
図 2 総人口
:各 都市の行政区域に常住する人口総数の推計値。
国勢調査人口を基準とし、これに毎月の住民基本台帳等の増減数を加えて推計したもの。
図 3 NOI 評価額利回り
:NOI 評価額利回りは、J-REIT(上場不動産投資信託)の全投資法人が保有する住居専用型賃貸
マンションの期末鑑定評価額に対する直近 1年間の純収益
(NOI )の割合を示す。
図は地域別に物件毎
(賃料保証・固定賃料物件を除く)の NOI 評価額利回りを単純平均したもの。
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
■ 主要大都市(札幌・仙台・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡)
図 4 用途別平均地価
(基準地価の前年比)
(%)
8.0
7.0
6.1
6.0
5.0
4.2
4.0
3.0
2.0
1.0
2.6
0.7
1.4
3.6
4.0
4.9
4.7
2.4
1.0
1.0
0.4 0.5
0.2 0.4
住宅地2015年
3.4
2.1
1.9
0.0
3.9
3.8
3.1
住宅地2014年
4.8
0.6
1.5 1.5
1.8 2.1
商業地2014年
商業地2015年
-1.0
-2.0
札幌市
仙台市
名古屋市
京都市
大阪市
神戸市
福岡市
注:各年 7 月 1 日現在の地価の対前年変動率の平均。
データ出所:国土交通省
「都道府県地価調査」
図 5 総人口の推移
(千人)
3,000
(%)
2.0
2013年4月(左目盛)
2,500
1.5
2,000
1.0
2015年4月(左目盛)
1,500
0.5
1,000
0.0
2014年4月
前年同月比増減率
(右目盛)
500
-0.5
0
札幌市
仙台市
名古屋市
京都市
大阪市
神戸市
-1.0
福岡市
注:各年 4 月 1 日現在の値。
2014年4月(左目盛)
2015年4月
前年同月比増減率
(右目盛)
データ出所:各都市の
「推計人口」
及び総務省公表資料
図 6 J-REIT 保有賃貸マンションの NOI 評価額利回り
[運用時 NOI 利回り]
(%)
16.0
(前年同期比:%ポイント)
2.0
14.0
1.5
12.0
1.0
10.0
0.5
8.0
6.0
4.0
-0.4 5.8
-0.2
0.0
-0.4
6.4
-0.7 6.3
-0.4 5.8
-0.3
5.5
-0.5 5.5
5.4
-0.2
5.7
2.0
0.0
-0.5
-1.0
-1.5
政令指定都市
札幌市
仙台市
注:各投資法人の 2015 年 6 月末までの決算資料による。 【データ概要】
名古屋市
京都市
大阪市
神戸市
福岡市
-2.0
2013年6月期
(左目盛)
2014年6月期
(左目盛)
2015年6月期
(左目盛)
2014年6月期
前年同月比増減率
(右目盛)
2015年6月期
前年同月比増減率
(右目盛)
データ出所:都市未来総合研究所「ReiTREDA(リートレーダー)
」
図 4 用途別平均地価
(基準地価)
:都 道府県地価調査に基づく各年 7月1日現在の地価の対前年平均変動率。
都道府県地価調査は、国土利用計画法施工令に基づき、都道府県知事が毎年 7月1日における調査
地点の正常価格を不動産鑑定士の鑑定評価を求めた上で判定するもの。
図 5 総人口
:各 都市の行政区域に常住する人口総数の推計値。 国勢調査人口を基準とし、これに毎月の住民基本台帳等の増減数を加えて推計したもの。
図 6 NOI 評価額利回り
:NOI 評価額利回りは、J-REIT
( 上場不動産投資信託)の全投資法人が保有する住居専用型賃貸
マンションの期末鑑定評価額に対する直近 1年間の純収益
(NOI)
の割合を示す。
図は地域別に物件毎
(賃料保証・固定賃料物件を除く)の NOI 評価額利回りを単純平均したもの。
注記:図 1 から図 6 はいずれも 2015 年 12 月末日時点で入手できたデータに基づき作成
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート 2016, February
7
東京 23 区の賃貸マンション戸数は分譲マンションの賃貸化等による増加も寄与
国土交通省の「住宅土地統計調査」と「建築着工統計(月次)
」を使用して、東京 23 区における2008 年
10月〜2013 年 9月の滅失等※ 1 の数を下記の方法で試算しました。
2008年10月~ 2013年9月
2008年9月末時点の
2008年10月~ 2013年9月
2013年9月末時点の
=
+
-
滅失等の数
ストック数
供給数
ストック数
※ 1 滅失等:除却や災害等による滅失のほか、
利用の変化等による増減数も含む。
東京 23 区の住宅における2008 年から2013 年の滅失等の数は持家が 53,900 戸、貸家が 24,600 戸でした。
貸家のうち、
賃貸アパートの滅失等の数は40,700 戸でしたが、
賃貸マンションは-41,200 戸でした※ 2。
賃貸マンションにおいては、分譲マンションの賃貸化や賃貸オフィスビルがコンバージョンによって賃貸マンション
に用途変更となったケースなど、建築確認時点と調査時点における利用用途の変化による増加数が滅失数を
上回ったためと考えられます。賃貸マンション戸数の増加には、新築による供給に加え、利用の変化等による
増加も寄与していると考えられます。
※ 2:本試算は、
「住宅土地統計調査」と「建築着工統計」から算出したものであり、滅失数や利用等の変化による増減数の内訳などは不
明である。
[ 図表]
東京 23 区賃貸マンション・賃貸アパートの滅失等の数
(試算)
2008年9月末時点の
ストック数
2008年10月~
2013年9月供給数
2013年9月末時点の
ストック数
2008年10月~
2013年9月滅失等の数
持家
1,768,700
273,400
1,988,200
53,900
貸家
2,092,900
617,100
賃貸アパート
賃貸マンション
1,381,700
+
215,300
76,200
-
111,000
2,283,600
652,600
=
1,533,900
24,600
40,700
-41,200
注 1)
ストック数の「貸家」は住宅土地統計調査における
「借家」
を集計したものである。
注 2)住宅土地統計調査では持家や借家は「居住世帯あり」の戸数のため、ストック数には空き家などが含まれる「居住世帯なし」の戸数は
含んでいない。
注 3)2008 年住宅土地統計調査では、構造区分が木造・非木造の 2 区分のため、非木造については平成 25 年調査における構造別戸数
割合を適用して、
賃貸マンション、
賃貸アパートの戸数を算出した。
注 4)供給数は、着工から完成まで持家、借家は9ヶ月、賃貸アパートは6ヶ月、賃貸マンションは12ヶ月と想定し、着工数から試算した。持家
の供給数は、
「持ち家」
と
「分譲住宅」の合計。
注 5)賃貸マンションと賃貸アパートの定義は、
2 ページの※ 5、
※ 6を参照。
注 6)100の単位で四捨五入しているため合計が合わない場合がある。
データ出所:国土交通省「住宅土地統計調査」
「建築着工統計」に基づき都市未来総合研究所作成
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〈お 問 合 せ 先〉
宅地建物取引業:届出第2号
所属団体:一般社団法人不動産協会、一般社団法人不動産流通経営協会
公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会加盟
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不動産マーケットレポート 2016.2
発 行 みずほ信託銀行株式会社 不動産業務部
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