ビジネス基礎 テレビ学習メモ 第 18 回 第 4 章 ビジネスと売買取引 代金決済 ビジネス基礎 監修 執筆 岩瀬紀子 学習のねらい 売買取引は、商品の引き渡しと代金の支払いによって完了します。代金の支払いには、 現金通貨だけでなく、小切手や約束手形などが用いられます。小切手や約束手形の振り 出しや決済の基本的なしくみを理解しましょう。また、電子マネーやクレジットカードなど、 日常の売買でも用いられる代金決済の方法についてもその特徴を確認しましょう。 調べておこう・覚えておこう 小切手/約束手形/不渡り/電子マネー Point 小切手 ① 小切手を支払いで使うには、まず銀行で当座預金口座を開設し、小切手用紙を受け取ります。 小切手用紙に金額や振出日などの必要記載事項を記入し、押印して渡すことを小切手の振り出 てい じ しと言います。小切手の受取人は、小切手の裏面に記名、押印して支払銀行に呈示することで、 ▼ 支払いを受けることができます。そして、その金額分だけ小切手の振出人の当座預金が減少し ます。この振り出しと受け取りのしくみを理解しましょう。 小切手を用いることで、紙幣の数え間違いをなくしたり、多額の現金通貨を手もとにおいた り運んだりする危険をはぶくことができます。ただし、振り出した小切手金額に対して、当座 預金の金額が不足している場合は、支払銀行は小切手の支払いを拒絶します。拒絶された小切 ふ わたり 手を不渡小切手といい、小切手が不渡りになると受取人に損害を与えるだけでなく、振出人は 信用を失ったり、当座預金取引ができなくなったりします。 Point 約束手形 ② 小切手の支払日は振出日の翌日から10 日以内が原則ですが、支払期限を延長して、資金の準 備にゆとりを持たせる方法に約束手形の振り出しがあります。 約束手形の振り出しや受け取りのしくみは、基本的に小切手と同じですが、約束手形用紙を用 − 36 − 高校講座・学習メモ ビジネス基礎 代金決済 います。また、振出日と支払日の間に一定の期間があることが小切手との違いです。受取人がす ぐに現金化したい場合は、期日前に取引銀行で割引を受けたり、他人に譲渡して商品代金など の支払いにあてたりします。 小切手も約束手形も支払場所に指定されている銀行で支払いの呈示をすれば支払いを受ける ことができますが、手間がかかる場合は自分の取引銀行を通じて、取り立てを依頼し、手形交換 所を通して決済することもできます。 Point さまざまな代金決済の方法 ③ そのほかの代金決済の方法としては、預金の振替、クレジットカード、電子マネーなどがあ り、ビジネスだけでなく、私たちの日常生活でもよく使用されています。 ⃝預金の振替……取引銀行に依頼して、自分の預金口座から受取人の預金口座に支払金額を 振り替えることをいい、公共料金の支払いなどでよく使われます。 ◦クレジットカード……所持人が店にカードを提示し、支払伝票に署名することで支払いを しますが、クレジットカード会社が店に即時に立て替え払いをしています。 後日クレジットカード会社はカード所持人の預金口座から自動振替で立て替 えた金額を回収します。 ▼ ◦電子マネー……貨幣価値をデータ化したもので、IC カード型とネットワーク型がありま す。鉄道会社やスーパーやコンビニ会社が発行する IC カード型の電子マネー などは少額の買い物によく利用されています。 − 37 − 高校講座・学習メモ
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