働く女性のみなさんへ～こんな症状ないですか～関東労災病院勤労者予防医療センター保健師福田えり生理に伴っておこる病気 • Ⅰ，月経前緊張症（げっけいぜんきんちょうしょう） • Ⅱ，月経困難症（げっけいこんなんしょう） Ⅰ，月経前緊張症 • 月経開始の数日前から始まるもので、下腹部膨満、腰痛、吐き気、めまい、全身倦怠、不安など、人によって様々な症状があります。月経の始まりと共に軽減・消失します。 Ⅰ－１ホルモン分泌の問題 • 月経時の痛み黄体ホルモンが影響しています。子宮からプロスタグランジンを分泌します。このホルモンの分泌が多いと下腹部の痛みや腰痛を感じやすい。予防法は？ • 精神安定を図り、普段から予防ケアをしておくことが再発防止に有効です。鍼灸やマッサージ、カイロプラクテックなどを受けられるというのも、ひとつの手段でしょう。 Ⅰ－２精神的な問題 • 月経前困難症にかかりやすい女性繊細な性格の女性が多い不安や恐怖、怒りなどの心理状態痛みを誘発、増加させることがあります。予防法は？ • 普段から、心理状態の安定を図り、日々のストレスを貯めないことで症状を和らげられます。 Ⅰ－３自律神経的な問題 • 自律神経の変調は、ホルモン分泌にも影響を及ぼします。自律神経が乱れると、ホルモンの分泌に異常がおこります。精神的ストレスと自律神経は密接な関係があります。予防法は？ • 精神の安定を図り、日頃からストレスを貯めないようにし、自律神経の安定を図る必要があります。 Ⅰ－４子宮や卵巣などからくる問題 • 子宮や卵巣などの異常によって起こる反射が腰痛を引き起こす場合もあります。（詳しくは、月経困難症の器質性の問題のところで話します。） Ⅱ，月経困難症 • 月経時に伴う腰痛、下腹部の不快感、下腹部痛が治療を必要とするほど強い場合をいいます。けいれん性の下半身痛が背中や太ももへ広がり、精神面の症状を伴うこともあります。月経が終了すると、これらの症状は軽減・消失します。 Ⅱ－１機能性の問題 • 子宮や骨盤、内臓自体に痛みの原因となる問題がない場合。思春期の少女に多くみられ、加齢と共に症状が改善されます。予防法は？ • 鍼灸やカイロプラクテックなどの保存的治療（手術を伴わない治療）が有効です。 Ⅱ－２器質性の問題 • 子宮や骨盤、内臓自体に痛みの原因となる問題がある場合 ①子宮筋腫 ②子宮内膜症 ③子宮頸がん加齢と共に悪化する ④子宮体がん傾向にあります。 ⑤卵巣腫瘍などが引き起こされて月経を困難とさせている場合があります。 ①子宮筋腫 ①子宮筋腫 • 筋腫が増大すると骨盤内臓器を圧迫するため、痛みが感じられます。 • 多くは月経困難症としての疼痛を伴います。 • 粘膜下筋腫では特に痛みが強く、漿膜下筋腫では茎捻転を起こさない限りは、痛みは軽度です。茎捻転子宮筋腫のエコー画像 ②子宮内膜症 ②子宮内膜症 • 月経困難症として現れることが多い。 • 初経後しばらくなかった月経痛が、２０歳代の終わりか３０歳代の初めから自覚されることが多い。 • 年月と共に次第に増強します。 • 症状が進行すると、月経以外の時期や性交時、排便時にも疼痛があります。 ③子宮頸がん ③子宮頸がん • 早期では痛みがないが、末期になり癌浸潤が骨盤神経に達すると激痛がみられます。 ④子宮体がん ④子宮体がん • 子宮頸がん同様に早期では、痛みがないことが多いが、進行期になると痛みをともなうことが多い。 ⑤卵巣腫瘍 ⑤卵巣腫瘍 • 良性の卵巣腫瘍では、増大すると圧迫症状を呈するが、茎捻転を起こさない限り痛みは伴いません。予防法は？ • 年１回の婦人科健診を実施され、婦人科医の早期診断・早期治療をお勧めします。 Ⅱ－３ホルモン分泌の問題 • 月経時の痛み黄体ホルモンが影響しています。子宮からプロスタグランジンを分泌します。このホルモンの分泌が多いと下腹部の痛みや腰痛を感じやすい。子宮頸がんのＱ＆Ａ今、話題の！！ 1. 子宮頸がんは何が原因？子宮頸がんのＱ＆Ａ２．子宮頸がんにならないように日常生活で気をつけることは？子宮頸がんは、ワクチン接種と１～２年に一度の定期的な子宮がん検診の受診で予防が可能です。子宮頸がんのＱ＆Ａ３．どんな症状があらわれるのか？子宮頸がんは、最初の頃は全く症状がないことがほとんどで、自分で気づくことがありません。そのため、不正出血やおりものの増加、性交のときの出血などに気がついたときには、がんはかなり進行していることがあります。子宮頸がんのＱ＆Ａ４．子宮頸がんになっても、子供を産めますか？がんになる前（前がん病変）、０期Ⅰa１期などの初期・・・妊娠も出産も可能 Ⅰa２期・・・子宮の全摘出を行うことが多く、妊娠・出産はできなくなってしまう子宮頸がんのＱ＆Ａ５．健診は痛いですか？検診（内診）細胞診子宮頸がんのＱ＆Ａ６．検診はいくらくらいかかりますか？【自治体が実施している住民健診】比較的安く受診可能（1000円～2000円程度）【職場の健康診断】健康保険組合によって補助額がさまざま。【婦人科での検診】住民健診より割高ですが、症状があれば保険診療になります。子宮頸がんのＱ＆Ａ７．子宮がん検診の結果は「異常なし」でしたが、今後は検診を受けなくても大丈夫？検診で異常が発見されなかった場合でも、少なくとも１～2年に一度は検診を受けることが大切です。子宮頸がんのＱ＆Ａ８．ワクチンを接種すれば一生子宮頸がんにならないですか？一部のウイルスにはワクチンが効きますが、すべてのウイルスに効くとは限りません。ワクチンについては、現在も調査中ですが、接種して最長で６．４年までは前がん病変を予防することが確認されています。子宮頸がんのＱ＆Ａ９．ワクチンを接種すれば子宮がん検診は必要なくなるの？このワクチンがすべての発がん性を防ぐことができるとは限りません。ワクチン接種後も、１～2年に一度はがん検診を受けるようにしましょう。子宮頸がんのＱ＆Ａ１０．ワクチンの副作用としてはどのようなものがありますか？注射した部分が痛んだり、痒みを感じることがあります。全身の副反応としては、疲労感、頭痛、吐き気、下痢、腹痛などがあります。子宮頸がんのＱ＆Ａ１１．ワクチンを受けることによって逆にウイルスに感染して、その結果子宮頸がんになることはないの？子宮頸がんになることはありません。子宮頸がんのＱ＆Ａ１２．このワクチンで子宮頸がんやその前の段階（前がん病変）を治すことはできませんか？できません。子宮頸がんのＱ＆Ａ１３．ワクチンはどこに何回打つの？半年間の間に3回（1回目、2回目：1ヵ月後、 3回目：6ヵ月後）、腕の筋肉に注射します。子宮頸がんのＱ＆Ａ１４．ワクチンは誰でも受けられますか？接種対象は10歳以上の女性です。下記の方は接種不可能です。（１）明らかに発熱がある。（２）重篤な急性疾患にかかっている。（３）このワクチンの成分に対して過敏症を示したことがある。（４）先生がワクチンを接種すべきではないと判断した場合。子宮頸がんのＱ＆Ａ１５．ワクチン接種はいくらかかりますか？自費になりますので、医療機関によって料金が異なります。直接医療機関へお問い合わせください。まずは、予防です！１に健診２に相談３，４がなくて５に健診です。勤労者予防医療センターでは無料で電話相談も行っています。こちらへどうぞ０１２０－６１－８７３９