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大起産業コモディティ週報 (金市場)
Daiki Commodity Weekly Report
2015/04/17(金)
TEL:052-201-6311(代表)
[email protected]
大起産業株式会社 調査研究室 室長 小菅 努
【金】 米利上げ警戒とギリシャ債務問題の強弱材料が交錯する
<1,200ドル水準で方向性が定まらず>
COMEX金先物相場は、1オンス=1,200ドルの節目を挟
んで方向性を欠く展開になっている。米連邦準備制度
理事会(FRB)の早期利上げに対する警戒感が蒸し返
される中、4月14日には1,183.50ドルまで値位置を切
り下げた。しかし、その後はギリシャ債務問題の先行
き不透明感や原油高に下値を支えられ、1,200ドルの
節目を完全に下抜くには至っていない。
ベントが発生しないのであれば、緩やかなペースで下
値切り下げを打診する展開が続く可能性が高い。
<ギリシャのデフォルト・イベントに怯える>
こうした中、再びギリシャ債務問題がクローズアップ
されている。4月24日にはユーロ圏財務相会合が予定
されているが、ギリシャ政府が支援協議の前提となる
緊縮財政策の提出を渋る中、少なくとも4月中のギリ
シャ救済は見送られる可能性が高くなっている。格付
け会社S&Pはギリシャの信用格付けを「CCC+」に引き
下げており、マーケットはデフォルト・イベントに対
する警戒感を徐々に強めている。仮にギリシャ問題に
このまま何も進展がみられないと、1月と同様に安全
資産に対する退避需要が金価格を押し上げる動きが活
発化するリスクが浮上することになる。実際にギリ
シャがデフォルト状態に陥るリスクは低いと考えてい
るが、ギリシャ債利回りの急伸が続くようであれば、
瞬間的に戻り圧力が強まるリスクがあることは認識し
ておく必要がある。
<利上げ時期の特定は進まず>
4月は、3月分の米雇用統計悪化で早期利上げ観測が後
退する一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録
(3月17~18日開催分)で早期利上げ観測が蒸し返さ
れるなど、短期間で米金融政策見通しが一変する状態
になっている。最短では6月会合で利上げに着手され
る可能性がある一方、5月に発表される雇用統計の結
果次第では9月以降の会合まで利上げ見送りの可能性
もあり、利上げ時期の特定を進めることが困難な状況
が続いている。米長期金利も低迷が続いており、特に
金利見通しが大きく修正されていないことが窺える。
ただ、米金融政策の正常化プロセスが続く限りは、ド
ル建て金相場は下値不安の大きい相場環境が続くこと
になる。米国とその他の国の金融政策環境は余りに大
きく、ドルインデックスは3月下旬以降の下げ幅をほ
ぼ相殺した形になっている。その当時の金価格が
1,150~1,175ドル水準だったことを考慮すると、
1,200ドル水準の現行価格に対しては割高感が否めな
い。本格的な下げを促すには米長期金利が再び上昇に
転じることが必要不可欠とみているが、何もリスクイ
<一時的な戻り圧力の有無>
FRBの正常化プロセスが破綻しない限り、基調はあく
までも下向きになる。金からドルに対する資金シフト
の流れが修正を迫られる必要性は見当たらない。ただ、
ギリシャ情勢がテーマから外れるまでは、瞬間的な上
昇リスクを想定しておく必要が再浮上しているのが現
状である。ダウントレンドの中における、一時的な反
発圧力の有無という視点でみておけば十分だろう。戻
り局面は改めて売りポジションを構築する好機になる。
COMEX金先物 中心限月継足
1,350
5,200
1,300
5,000
1,250
4,800
1,200
4,600
1,150
4,400
1,100
14/12
15/01
15/02
15/03
4,200
14/12
15/04
東京金先物 先限継足
15/01
15/02
15/03
15/04
本レポートは投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。弊社が信頼できると判断した情報源からの情報に基づき
作成したものですが、情報の正確性、安全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断
で行うようお願い申し上げます。注意事項の詳細については、最終項をご参照下さい。
‐1‐
大起産業コモディティ週報 (白金市場)
Daiki Commodity Weekly Report
2015/04/17(金)
TEL:052-201-6311(代表)
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大起産業株式会社 調査研究室 室長 小菅 努
【白金】 ランド安が上値圧迫も、金相場動向に要注意
<金相場同様に方向性が定まらず>
NYMEX白金先物相場は、改めて1オンス=1,150ドル割
れを打診する展開になっている。南アフリカ通貨ラン
ドが再び軟化する中、戻り売り優勢の展開になってい
る。ただ、価格連動性の強い金相場が明確な方向性を
打ち出せていないこともあり、大きな値動きには発展
していない。下値切り下げ傾向は維持されているが、
依然として4月初めの価格水準に回帰するレベルの値
動きに留まっている。
は、白金需要の拡大が続いていることを報告してい
る。その一方で、鉱山生産の低迷が続いていることに
危機感を示している。ただ、こうした需給関連の動き
は、引き続き殆ど材料視されていない。現在の鉱山生
産とリサイクル供給では、拡大する需要に対応できな
いことは周知されている。ただ、問題は膨大な地上在
庫がそのギャップを埋め続けていることにあり、需給
見通しに若干の調整を迫るレベルの動きでは、白金価
格に対する影響は限定的にならざるを得ない。引き続
き、需給ギャップを地上在庫の還流で穴埋めするフ
ローがどの段階で限界に達するのかが、白金市場にお
ける重大な関心事になる。地上在庫の動きが弱まるま
では、白金価格形成において需給動向は参考程度の評
価に留まることになる。
<通貨環境との連動性>
引き続き、白金需給動向よりも通貨環境が重視された
相場環境になっている。米金融政策の先行き不透明感
は根強いが、為替市場でランド安・ドル高トレンドが
維持されている限り、ドル建て金相場に対しては下値
切り下げ圧力が強まり易い環境になっている。米連邦
準備制度理事会(FRB)の利上げが南アフリカからの
資本流出に直結するとの懸念が広がる中、ランド安
(ドル高)がドル建て白金の生産コスト引き下げ圧力
に直結し易い。このため、基本的な相場環境について
は、金と白金は共通する部分が多い。米早期利上げの
織り込みが本格化すれば、ドル高圧力が金同様に白金
相場の下振れを促すことになるだろう。引き続き、米
指標や要人発言などから、FRB利上げ着手の流れを織
り込む形で、下値切り下げを打診する展開がメインシ
ナリオになる。
<ランド安のペースを長めながらの展開に>
白金上場投資信託(ETF)からの資金流出傾向が続く
など、白金相場を取り巻く環境は良好とは言い難い。
定期市場でも売りポジション解消の動きに一服感が浮
上し、更に相場を押し上げるハードルは高くなってい
る。今後もランド安・ドル高連動で下値切り下げを打
診する展開が続く見通し。当然にギリシャ情勢に絡ん
で金相場が急伸すれば、白金相場も連れ高する可能性
が高いことは否めない。ただ、金相場同様に一時的な
戻り圧力の有無という視点で十分だろう。そもそも、
欧州金融・経済の混乱は、欧州自動車触媒需要に対す
る依存度が高い白金需要の観点からは、白金価格の押
し下げ要因になる。あくまでもどの価格水準で売りポ
ジションを構築すべきかを検討すべき相場である。
<鉱山会社から需要拡大が報告されるも>
露ノリリスク・ニッケルのマーケティング部門責任者
NYMEX白金先物 中心限月継足
1,300
5,000
1,250
4,800
1,200
東京白金先物 先限継足
4,600
1,150
4,400
1,100
1,050
14/12
15/01
15/02
15/03
4,200
14/12
15/04
15/01
15/02
15/03
15/04
本レポートは投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。弊社が信頼できると判断した情報源からの情報に基づき
作成したものですが、情報の正確性、安全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断
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‐2‐
大起産業コモディティ週報 (原油市場)
Daiki Commodity Weekly Report
2015/04/17(金)
TEL:052-201-6311(代表)
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大起産業株式会社 調査研究室 室長 小菅 努
【原油】 シェールオイル減産観測を背景とした上昇に違和感あり
<年初来高値を更新>
NYMEX原油先物相場は、1バレル=50ドル台中盤まで値
位置を切り上げる展開に。米シェールオイル生産に鈍
化の兆候が見られる中、将来の需給均衡化を先取りす
る形で地合を引き締めている。足元ではなお潤沢な在
庫環境が報告されているが、需給緩和状態はピークを
脱したとの観測が、投機買いを呼び込んでいる。年初
来高値を更新している。
まったばかりである。
<シェールオイル生産にブレーキ>
米エネルギー情報局(EIA)の掘削生産性レポートに
よると、5月には米国におけるシェールオイルなど非
在来型原油が4月比で減産に転じる見通しになってい
る。4月段階でバッケンやイーグルフォードなどの主
要生産地で減産圧力が報告され始めていたが、シェー
ルオイル全体でも5月は減産が想定されている。実際
に、週間需給統計でも米産油量は前週比マイナスとな
る週が増えており、原油相場急落の余波は原油生産環
境に着実なダメージを与え続けている。もはやリグの
生産性向上では、増産トレンドを維持できない状況に
なっている。もっとも、こうしたシェールオイル生産
の鈍化をきっかけとした原油高に対しては違和感が強
い。国際原油需給バランスはなお大幅な供給超過環境
にあり、シェールオイル生産が多少鈍化したとしても、
余剰在庫の解消が進むシナリオを描くのは難しい。価
格が上昇すれば、シェールオイルの生産調整の動きが
止まり、更には巻き戻されるリスクもある。シェール
オイルの生産鈍化、減産は需給均衡化に向けての第一
歩であり、まだ原油相場急落を受けての需給調整は始
80
<IEAは原油価格の先行きになお悲観的>
国際エネルギー機関(IEA)は、4月月報において原油
価格の崩壊を受けて需給のリバランスが進展している
ことを報告する一方で、原油価格の先行きは「暗く
なっている(murkier)」ことを報告している。2015
年の世界石油需要見通しは前月から日量0.9万バレル
引き上げられているが、これからイラン産原油の市場
復帰が進む可能性に強い警戒感が示されている。3月
の石油輸出機構(OPEC)産油量が前月から日量89.0万
バレル増の3,102万バレルに到達していることも、原
油価格の反発シナリオに暗雲をもたらしている。サウ
ジアラビアは、アジア向け公式販売価格(OSP)を4月
に続いて5月も引き上げているが、その動きと連動し
て産油量も増加させている。これは、シェールオイル
の減産分を十分に吸収できる規模であり、需給環境か
らは原油相場の上振れよりも下振れリスクが警戒され
ることになる。
<違和感の強い高値>
投機筋の物色意欲が強くなっているが、引き続き原油
価格のボトム確認には慎重スタンスが求められる。ド
ライブシーズンに向けて米原油在庫の急増傾向にはブ
レーキが掛かる見通しだが、なお潤沢な在庫が上値を
圧迫する展開は維持されよう。現在の値位置は、過度
の楽観ムードを背景に実現した投機色の強い高値と評
価しており、改めて50ドルの節目割れから一段安を試
す展開を想定している。
NYMEX原油先物 中心限月継足
60,000
東京原油先物 先限継足
70
50,000
60
50
40,000
40
30
14/12
15/01
15/02
15/03
30,000
14/12
15/04
15/01
15/02
15/03
15/04
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大起産業コモディティ週報 (石油製品/天然ガス市場)
Daiki Commodity Weekly Report
2015/04/17(金)
大起産業株式会社 調査研究室 室長 小菅 努
【石油製品】 原油同様に割高感が強い
【天然ガス】 戻りは売り場になる
<店頭価格は3週連続で下落>
東京ガソリン先物相場は、1kl=6万円台まで上昇し
た。海外原油相場の上昇が続く中、国内ガソリン相場
もそれに連動する形で値位置を切り上げている。石油
連盟発表の週末在庫(4月5~11日)は前週比+3.5%の
171万3,498キロリットルとなった。推定出荷量が5.5%の90万3,116キロリットルと伸び悩む中、在庫の
積み増しが行われている。店頭小売価格は3週連続で
下落しているが、価格低下の需要喚起効果などはみら
れず、ガソリン市場でも特に国内需給動向は材料視さ
れていない。引き続き、原油調達コスト環境と連動し
た値動きが想定される。ドル建て原油相場は年初来高
値を更新しているが、最近の上昇地合に対しては強い
違和感がある。原油相場同様に、ダウンサイドリスク
に備えるべき相場と考えている。
<自立反発>
天然ガス先物相場は、1mmBtu=2.6ドル台まで小反発
している。気温上昇で需給緩和圧力が強まるも、2.5
ドルの節目を完全に割り込むことには失敗したことで、
チャート主導で反発している。4月13日には一時2.475
ドルまで値位置を切り下げ、年初来安値は更新した。
しかし、そこから更に一段安を試すような動きはみら
れず、自立反発局面を迎えている。
<在庫増加トレンドは維持される>
米エネルギー情報局(EIA)によると、4月10日時点の
全米ガス在庫は前週比+630億立方フィートの1兆5,390
億立方フィートとなった。全国的な気温上昇で家庭・
商業施設向け需要が大幅な落ち込みを迫られる中、供
給超過構造への転換が着実に進んでいることが確認で
きる。前年同期比では+81.7%に達している。過去5年
平均比でも-8.6%となり、昨年の需給逼迫環境が一気
に解消されつつある。石油同様に天然ガス分野でもリ
グ数減少の影響が警戒されるが、供給環境は総じて安
定している。今後は、来年の需要期まで概ね現在の需
給ギャップが維持される見通しであり、在庫積み増し
圧力が天然ガス相場の上値を圧迫する展開は維持され
よう。引き続き、2.5ドルの節目は完全に下抜く方向
でみておきたい。2.7~2.8ドル水準の抵抗は強く、緩
やかなペースで下値切り下げを打診する展開が続く可
能性が高い。
<海外原油連動で6万円台回復>
東京灯油先物相場は、1kl=6万円台まで上昇し、年初
来高値を更新した。ガソリン相場同様に、海外原油相
場の堅調地合が続いていることが好感され、戻り高値
を更新している。石油連盟発表の週末在庫は前週比2.7%の127万0,553キロリットル、推定出荷量は+6.6%
の27万2,876キロリットル。引き続き、原油調達コス
ト環境と連動した相場展開が想定され、ガソリンや原
油相場と同様に戻り売り対応が基本になるだろう。短
期トレンドは上向きになっているが、国際原油需給環
境はなお原油相場の安値低迷の必要性を訴えており、
6万円台を回復するような値動きに対しては違和感が
強い。
東京ガソリン/灯油先物 先限継足
80,000
4.5
ガソリン
灯油
70,000
TEL:052-201-6311(代表)
[email protected]
NYMEX天然ガス先物 中心限月継足
4.0
3.5
60,000
3.0
50,000
2.5
40,000
14/12
15/01
15/02
15/03
2.0
14/12
15/04
15/01
15/02
15/03
15/04
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大起産業コモディティ週報 (ゴム市場)
Daiki Commodity Weekly Report
2015/04/17(金)
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大起産業株式会社 調査研究室 室長 小菅 努
【ゴム】 TOCOMの買い玉整理一巡で、高まる短期リバウンド期待
<下げ一服も反発は見送られている>
東京ゴム先物相場は、1kg=190円台中盤から200円の
節目にかけて揉み合う展開になっている。東京商品取
引所で投機玉のポジション調整に一巡感が広がる中、
4月9日の194.00円で下げ一服となっている。ただ、改
めて上値を試すような必要性も見当たらず、明確な方
向性を打ち出せていない。上海ゴム相場もほぼ横ばい
推移に留まっており、薄商いの中でポジション調整中
心の小動きに終始している。
から自然減産が開始されるか否かの限界ラインとみら
れ、少なくとも産地主導で更に相場水準を切り下げる
のは難しいと考えている。もちろん、農家が投げ売り
に動き出すリスクには注意が必要だが、現状では安値
での売却よりも在庫として保管を続け、相場の反発を
待つスタンスが優勢になっている。
<TOCOMの玉整理は一巡に向かう>
東京商品取引所(TOCOM)では、非当業者の買いポジ
ション整理が急ピッチに進んでいる。ネットロングは
3月25日の1万0,777枚をピークに、直近の4月15日には
1,003枚まで減少している。これで3週連続で買いポジ
ションの整理が進んでいる計算であり、内部要因主導
で更に大きく値崩れを起こす必要性は薄れている。こ
のままネットショートに転換するリスクには注意が必
要だが、下値不安は限定されよう。
<タイの集荷量は更に落ち込む>
タイは13~14日にかけてソンクラン(水掛け祭り)の
連休になったが、ソンクラン明け後も供給量は低迷し
ている。タイ中央ゴム市場における未燻製シート
(USS)の集荷量は10トン台も割り込むなど、明らか
に減産期型の供給環境が実現している。ただ、マー
ケットではこうした供給サイドの動向は殆ど材料視さ
れていない。タイヤメーカーなどの需要家サイドが明
確に高値拒否のスタンスを示す中、現物需給の逼迫感
は見られないためだ。十分な安値水準と評価できる値
位置だが、需要家は更にディスカウントを求める動き
を強めており、ベトナムなど国際価格と比較して割安
感のある生産国での調達量を増やす傾向が見受けられ
る。
<反発は円安頼みか>
上海ゴム相場が完全な膠着相場と化す中、基本的に大
きな値動きは装置しづらい。生産コストの制約が下値
を限定するが、相場が上昇すればこれまでの反動で供
給量が上振れし易く、明確なトレンドを形成するのは
難しい。このため、円や株価、原油相場など他マー
ケットの動向が注目され易いが、ドル/円相場も膠着
気味の展開が続く中、東京ゴム相場の値動きは限定的
となる可能性が高い。TOCOMのポジション動向からは
物色妙味の多い相場環境とみているが、210円台まで
のリバウンドの有無という視点に留まろう。高値を更
新していくには、円安の支援が必要不可欠である。
<生産者はこれ以上の安値を拒否>
もっとも、生産者サイドもこれ以上のディスカウント
に応えられる余力はなく、産地現物相場はフロアー・
プライス形成に動いている。現行価格は、コスト要因
上海ゴム先物 中心限月継足
15,000
230
東京ゴム先物 先限継足
220
14,000
210
13,000
200
12,000
190
11,000
14/12
15/01
15/02
15/03
180
14/12
15/04
15/01
15/02
15/03
15/04
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大起産業コモディティ週報 (トウモロコシ市場)
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2015/04/17(金)
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【トウモロコシ】 産地降雨で、作付けの遅れリスクを織り込む
<方向性が定まらず>
CBOTトウモロコシ先物相場は、1Bu=370~380セント
水準で揉み合う展開に。小麦相場の急落につられて調
整売りが膨らむも、新穀の作付け作業の遅れに対する
警戒感が下値を支え、明確な方向性を打ち出せていな
い。1月下旬から続くボックス下限を試す動きがみら
れたが、明確なトレンドを打ち出せてはいない。
まわった。この時期の作付け進捗率の数値に大きな意
味はないが、少なくとも作付け作業のスタートダッ
シュを切れなかったのは明らかである。今週の降雨を
考慮すると、4月19日時点の統計では更に遅れが生じ
るリスクも警戒され、新穀生産環境に対する不確実性
は高まる見通し。これまでは、小麦相場急落のショッ
クもあってトウモロコシ相場の反発力は限定されてい
たが、今後は新穀の天候相場色が強まる見通しであ
り、上振れリスクが高まるとみている。
<降雨はポジティブであり、ネガティブでもある>
米トウモロコシ生産地では、比較的まとまった降雨が
観測されている。ただ、これはトウモロコシ相場に
とってポジティブな影響とネガティブな影響の双方が
あることで、明確な方向性を打ち出しづらくなってい
る。3月の米穀倉地帯では降水量不足が懸念され、特
に冬小麦の作柄懸念が高まっていたことが、小麦相場
を押し上げていた。しかし、4月の降水量増加で乾燥
懸念が後退する中、小麦相場が急落に転じていること
が、トウモロコシ相場に対してもネガティブな影響を
及ぼしている。ただ、既にトウモロコシの作付け作業
が開始される中、この時期の降雨はトウモロコシの供
給不安に直結することになる。天候プレミアムを相場
に上乗せする動きが始まる中、「小麦につれ安」と
「天候プレミアム加算」の強弱バランスが交錯してい
ることが、トウモロコシ相場のトレンド形成を難しく
させている。
<降雨継続なら買い>
あくまでも産地気象環境次第の天候相場になるが、今
年度は作付面積が旧穀から下振れする可能性が高いこ
ともあり、例年以上に産地天候リスクには敏感に反応
する展開が想定される。このまま雨がちな天候が続け
ば、作付け作業の停滞が進み、更には5~6月にかけて
洪水リスクも警戒する必要があるだろう。まだ南部で
は土壌水分が不足がちになっているが、コーンベルと
は全体として通常の土壌水分環境が実現しているだけ
に、降雨が継続すればリスクプレミアム加算の形で上
値トライの展開が想定される。直ちに400セント台回
復を打診するような相場環境にはないが、新穀の在庫
減少リスクを織り込む形で、緩やかなペースでボック
ス上限を試す展開になるだろう。引き続き小麦相場の
軟化がリスク要因になるが、時間の経過はトウモロコ
シ相場の天候相場化を押し進めることになり、産地気
象環境・見通しとの連動性を高めていくことになるだ
ろう。「作付け→発芽」が一服するまでは、押し目買
い方針が基本になる。
<作付のスタートダッシュには失敗か>
米農務省(USDA)によると、4月12日時点の作付け進
捗率は2%となっており、前年同期の3%、平年の5%を下
CBOTトウモロコシ先物 中心限月継足
29,000
425
東京トウモロコシ先物 先限継足
28,000
400
27,000
26,000
375
25,000
350
14/12
15/01
15/02
15/03
24,000
14/12
15/04
15/01
15/02
15/03
15/04
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‐6‐
大起産業コモディティ週報 (大豆市場)
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【大豆】 需要環境に強弱評価が交錯も、反発力は限定されよう
<一時950セントを割り込む>
CBOT大豆先物相場は、1Bu=950~975セント水準で揉
み合う展開に。南米産との競合が警戒される中、一時
は950セントの節目を割り込む場面も見られた。た
だ、その後は良好な圧砕統計や原油高に下値を支えら
れ、大きな値崩れを起こすには至らなかった。下値切
り下げ傾向は維持されるも、大きく値崩れを起こすこ
ともない不安定な相場展開が続いている。
ただ、中国からの大豆需要に上振れ期待が強まる中、
大きな値崩れは回避されている。大連大豆相場が底固
さを見せていることで、中国が南米産のみならず米国
産にも大規模な買いを入れるとの観測が浮上してい
る。このタイミングで、独オイル・ワールドは2015年
の中国大豆生産が24年ぶりの低水準となる1,000万~
1,50万トン(14年は1,200万トン)に留まるとの見通
しを示している。この通りであれば、中国の大豆輸入
は大きく上振れすることになり、必ずしも中国の大豆
需要は弱気ではないとの見方が、大豆相場の下値不安
を後退させている。
<南米産の供給に対する警戒感>
南米産の良好な生産環境が報告される中、米国産大豆
の輸出環境に対して、悲観的なムードが強い。ブラジ
ル食糧供給公社(Conab)は4月10日、同国の大豆生産
高見通しを従来の9,330万トンから9,430万トンまで上
方修正した。ブラジルに関しては旱魃によるイールド
低下リスクを指摘する声が強かったが、収穫期終盤に
Conabが生産高見通しを100万トンも引き上げたこと
は、南米産と米国産との競合がマーケットの想定以上
に厳しいものになるリスクを示唆している。米農務省
(USDA)の5月需給報告で示された9,450万トンは下
回っているが、15日にはアルゼンチンのロサリオ穀物
取引所も同国大豆生産高見通しを従来の5,800万トン
から5,900万トンまで上方修正している。こちらは、
USDA予想の5,700万トンを200万トンも上回る数値であ
り、旧穀に関しては米国産と南米産との間で激しい需
要獲得競争が展開される可能性が高いことが再確認で
きる。
<米大豆圧砕需要は堅調>
一方、全米油糧種子加工業者協会(NOPA)の発表した
3月大豆圧砕高は1億6,280万Buとなり、3月としては過
去最大、全月を通じても過去4番目の高水準を記録し
ている。圧砕マージンの拡大を受けて、予想以上の
ペースで米国内の大豆消費が進んでいることが確認で
きる。
<戻り売り方針を維持>
まだ大豆の天候相場は本格化しておらず、相場テーマ
が定まりづらい。ただ、新穀の需給緩和リスクが高い
状況に変化はなく、大豆相場の反発力は限定されよ
う。トウモロコシの作付け作業に遅れが生じるリスク
が浮上していることは、大豆面積見通しが更に上振れ
する可能性も高めることになる。短期スパンでは乱高
下し易いが、引き続き戻り売り対応を基本とした。
950セントの節目は完全に下抜く方向になろう。
<中国向け輸出に上振れ観測が浮上>
CBOT大豆先物 中心限月継足
1,100
60,000
1,050
57,500
1,000
55,000
950
52,500
900
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15/02
15/03
50,000
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東京一般大豆先物 先限継足
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本レポートは投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。弊社が信頼できると判断した情報源からの情報に基づき
作成したものですが、情報の正確性、安全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断
で行うようお願い申し上げます。注意事項の詳細については、最終項をご参照下さい。
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大起産業コモディティ週報 (小麦/コメ市場)
Daiki Commodity Weekly Report
2015/04/17(金)
【小麦】 天候リスク後退なら売り
【コメ】 1年ぶりの高値も、割高感が強い
<産地の降雨で調整売りが続く>
CBOT小麦先物相場は、1Bu=500セントの節目を完全に
下抜く展開に。米穀倉地帯南部で降雨が観測される中、
旱魃懸念が後退していることが小麦相場の急落を促し
ている。500セントの節目でのサポートは弱く、改め
て下値模索の展開になっている。
<旱魃懸念が後退>
依然として米南部では土壌水分不足が報告されている
が、ここにきて降水量が増えていることが、小麦相場
の上値を圧迫している。3月下旬に織り込んできた天
候プレミアムの正当性が失われる中、その反動から戻
り売り圧力が強くなっている。依然として2月から続
くボックス圏内での調整売りに留まっているが、三度
にわたって550セントの節目ブレイクに失敗する中、
チャート環境からも戻り売り圧力が強くなっている。
米農務省(USDA)の作況報告によると、4月12日時点
で冬小麦の「良」以上の比率は42%となっており、前
週の44%から下振れした。前年同期の34%は上回ってい
るが、厳しい作柄環境が続いていることが確認できる。
ただ、マーケットでは足元の降雨環境の方が重視され
ており、産地で着実に降水量が増えていることが、小
麦相場の上値を圧迫している。為替市場では対ユーロ
でのドル高圧力が一服しているが、天候プレミアムを
織り込むような動きが見られなければ、小麦相場が売
られ易い地合に変化はない。再び乾燥懸念が浮上する
ようなことがなければ、戻り売り対応が基本になるだ
ろう。
CBOT小麦先物 中心限月継足
700
<戻りを試す展開が続く>
関東産コメ先物相場は、1俵(60kg)=8,800円水準ま
で上昇する展開に。特に注目されるような統計などの
発表はなかったが、期先主導で買いが膨らみ、約1年
ぶりの高値を更新している。
<供給減少の思惑もあるが>
政府の「食料・農業・農村基本計画」で、飼料用米の
生産拡大方針が示されたことが、食用米の供給減少の
思惑につながっているとの指摘がある。同計画では、
「優れた生産装置である水田をフルに活用し、食料自
給率・食料自給力の維持向上を図るため、飼料用米等
の戦略作物の生産拡大を推進する」とされており、水
田を維持し、かつ食料自給率を維持する能力を確保し
た上で、食用から飼料用米への生産転換を促す方針が
示されている。ただ、同計画が発表されたのは3月31
日であり、特に今週に入ってからコメ相場を大きく押
し上げる必要性は見出せない。場中に断続的に買いが
膨らむ場面が見られるなど、相場は明らかに勢い付い
ている。しかし、現物市場の方では今後の需給緩和に
対する警戒感が強く、定期相場のみが急伸していく環
境にはないだろう。需給・価格動向調査でも弱気見通
しは根強く、引き続き戻り売り対応が基本になると考
えている。投機色の強い割高な価格水準と評価してい
る。
9,000
650
8,750
600
8,500
550
8,250
500
8,000
450
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TEL:052-201-6311(代表)
[email protected]
大起産業株式会社 調査研究室 室長 小菅 努
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7,750
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大阪 関東産コメ先物 先限継足
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大起産業コモディティ週報 (砂糖/コーヒー市場)
Daiki Commodity Weekly Report
2015/04/17(金)
【砂糖】 レアル反発のピークアウト待ち
【コーヒー】 レアル高も伸び悩む
<レアル安是正で砂糖も安値是正>
ICE砂糖先物相場は、1ポンド=13セント台まで続伸す
る展開に。為替市場でブラジル通貨安が一服する中、
レアル同様に砂糖相場も安値是正の動きが優勢になっ
ている。需給面に特に目立った買い材料などは見当た
らないが、短期筋が売りポジションの損益確定に動い
ていることが、相場を押し上げている。約1ヶ月ぶり
の高値を更新しているが、取組高も約1ヶ月前の水準
まで落ち込んでおり、これまで売り込んできた向きが
玉整理を進めていることが窺える。
<揉み合い商況が続く>
ICEコーヒー先物相場は、1ポンド=140セント水準で
揉み合う展開が続いている。ブラジル通貨レアル相場
が反発する中、コーヒー相場も底固い展開になってい
る。ただ、3月にレアル相場に先行して安値是正を進
めていたこともあり、砂糖相場との比較では反発力が
限定されている。概ね3月下旬から続くボックス圏内
での値動きに留まっている。
<ブラジルの売却環境は良好>
ブラジル農業コンサルタントのサフラスは、2014年度
産の同国コーヒー売却率が87%になっていると発表し
た。前年同期の85%、5年平均の86%を上回っている。
レアル安を背景に、ブラジル農家が積極的に在庫売却
を進めていたことが窺える状況にある。もっとも、サ
プライズとなるような数値でもなく、これを手掛かり
に改めて売り込むような動きは見られなかった。やや
方向性に乏しい展開が続いているが、引き続きレアル
相場の動向を眺めながらの取引となろう。4月は急激
なレアル安・ドル高にブレーキが掛かり、更には修正
局面を迎えている。この状況が続いている限りは、
コーヒー相場の下値不安は限定される。ただ、レアル
安・ドル高の基調そのものが修正を迫られる必要性は
見られない以上、コーヒー相場の戻り売り基調も崩れ
ない見通し。需給要因からは大きく値崩れを起こす必
要性は見出せないが、引き続きレアル相場の動向を注
視したい。
<レアル相場と連動>
ブラジル食糧供給公社(Conab)は、2015/16年度の砂
糖生産量が前年度比+5%の3,735万トンに達するとの見
方を示した。サトウキビの旱魃被害が緩和される一
方、レアル安で国内消費が多いエタノールよりも、国
外輸出が多い砂糖に、価格面でのメリットが浮上して
いる影響が指摘されている。ただ、こうした需給関連
動向に対する関心は低く、特に材料視されていない。
4月入りしてからの反発は、専らレアル相場が対ドル
で反発していることを反映したものであり、概ねレア
ル相場と連動した値動きが維持されている。このた
め、レアル安が小康状態を迎えている間は、砂糖相場
も反発し易い。ただ、レアル安・ドル高のトレンドそ
のものが修正を迫られる必要性は見当たらない以上、
一時的な戻り圧力との評価で十分だろう。今後はレア
ル高の鈍化と連動して、砂糖相場の戻り圧力もピーク
アウトする展開を想定している。
17
ICE砂糖先物 中心限月継足
200
16
ICEコーヒー先物 先限継足
180
15
160
14
.
140
13
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TEL:052-201-6311(代表)
[email protected]
大起産業株式会社 調査研究室 室長 小菅 努
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ません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断で行うようお願い申し上げます。※本レ
ポートは、執筆者の見解に基づき作成されたものであり、弊社の統一された見解ではありません。
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ません。※弊社の都合で、本レポートの全部または一部を予告なしに変更することがありますの
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りますが、最高額は、最低取引単位(1枚)当り最高200,000円です。但し、実際の取引金額は委託
者本証拠金の額の10倍から60倍という著しく大きな額になります。また委託者証拠金等は、その後
の相場の変動によって追加の預託が必要になることがありますので注意が必要です。但しその額
は、商品や相場の変動によって異なり、一様ではありません。※商品先物取引の委託には委託手数
料がかかります。その額は商品によって異なりますが、最高額は、最低取引単位(1枚)当り17,496
円です。※弊社の企業情報につきましては、弊社の本・支店及び日本商品先物取引協会の本部・
ホームページで閲覧できます。※本取引についてのご相談窓口 大起産業(株)取引相談室[名古屋
市]:0120-706030、日本商品先物取引協会相談センター[東京都]:03-3664-6243
【注】証拠金、手数料等の額は2014年7月1日現在のデータです。
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