Ichikawa-traditional river engineering(PDF/2.18MB)

姫路・市川 の伝統的な河 川技術
JCA専 骸
河川 に関係 して海外 で仕事 を して い る と、 予算や材料
の制約 の 中での川づ くりに頭 を絞 ることが多 くあ ります。
そんな時 に頼 りになるのが、伝統 的 な技術 の 中にある先
人たちの深 い智恵 で す。そ の一つで ある河道管理技術 に
つい て、姫路 の市川 の事例 を紹介 します。
姫路城下 は市川の 沖積平野 に開かれた街 で す。城下町
は、慶長 の 姫路城大改修 の後 か ら数 えて も、 お よそ 400
年 の 間、持続 的 に発展 して きました。 これ を可能 に して
きたのは、市川 と地域 の特性 に応 じた伝統 的 な河川技術
です。そ の技術 は、姫路市 の野里周辺で見 ることがで き、
現在 も姫路市街地の安全 を支 え続 けています。本稿では、
市川 の伝統 的な河川管理施設 を紹介す る とともに、 これ
か らの川づ くりに も応用 され るべ き技術 として考察 を加
える ものです。
市川 と船場川 と八家川
航空写真 を見 る と、 市 川 は沖積 平 野 に出て きてか ら、
大 きく左 (東 側 )に 向 きを変 えて流れて い ることが判 りま
に トナ ム 駐 a松
木
洋
忠
す。これは、姫路城 とその城下町を洪水被害か ら守 るため、
人為 的な付 け替 えが行 われたためです。 また市川の沖 積
平野 の外縁 部 には、 市川 の 2本 の派川 で あ る右岸側 の船
場川 と左 岸側 の八家川 を見 ることがで きます。船 場川 は
飾磨堰 にあ る取 り入 れ日か ら分 け られた水 が、 姫路城 の
堀 を満 た し、城下の運河 として利用 されて い た ものです。
この流れは、姫路城改修が行 われた江 戸時代 の 1600年 こ
ろか ら続 い て い ます。 一 方 の人 家川 は花 田堰か ら左岸恨l
へ 分かれ、台地 の裾 を流 れ、古墳 の多 い 四郷 の水 田を潤
してい ます。奈良時代 の 750年 代 に造 営 された播磨国分寺
の L水 道 と考えられ、分水が始 まったのは古代 に遡 ります。
この よ うな歴 史的 な川 づ くりの技術 は、 現在 の河道 に
ほぼその まま残 されてい ます。以下 に、市川水 +1、 飾磨堰、
鯉 の淵、花 田堰、野里堤 防 につい て、 現状 とその機能 を
確認 してい きます。
市川水制
市川 は、 沖積平野 の 入 り回地 点で、右岸 の堤 防 に よっ
て左 岸側 の山の方 に寄 せ られて い ます。一般 的な土 の堤
市川水制 :右 岸堤防か ら洪水流 を離 し、
市川の澪筋 を逸 らす5本 の水制群
飾磨堰 :船 場川の取水位 を確保 し、
市川の左岸の尾根 に向ける斜め堰
野里堤防 :城 下 へ の氾濫 を防 ぐ二線堤
鯉 の 淵 i市 川 の 流 れ が つ くる 安 定 した 淵
花 田堰 :瀬 頭 に設置 され た斜め堰、八家川の水源
市川と船場川と八家川 (姫 路市の航空写真に加筆 )
2イ
河川文化 64号 (201312)
市川の伝統的な河川管理施設 (兵 庫県姫路土木事務所の航空写真に加筆)
9ζ (乙「 8LO乙 )讐
ツ9η
'X fL(
810Z(早 夕聾V)上 ♀―彰百車剤]`
I10Z「 彫迎ツ準国コ
手目尋下興⑦鷺浄 7Y早 羊凱呂聾
羽准ビ既⑫ツR彰 夕卿妙筆⑦ a〉 ξ月lrγ ■月
600Z「 聯瑯」 警YJ剤 聾 イム′乙
,
`」
靭ョ llrilγ
gc尋 ル羊
嬰TJ
`⑦
``
6661「 営γ 7Ψ 蒋⑫
O百 予ヽ
レ炒筆辮J1lr口 0燿 駐具o鰹 醤 │lr」
Z861「 ■
714⑫
11子
嗜硼」1き 都雌
“
:騨
Xキ 参
°
準渠
1311日
″?部 ⑦副
ヽ
A)ν ヾ彗 ツ 、7
■ Y⑫ 割 Y留 ⑫
`
「部」 η軍嬌さ
γ酬
撃 0マ コ ツ準 軍
`
回 孝 「辟 」 9ウ
°
孝準
卜 A_7‐
l―
`
°
ヘ ヽ
A■
EI聯
⑫
ツ
9影
09
マ
争
制
WF'勁
叫
明ル
イ
準 二γ ヽ
`
γ
コ彫 筆 llril聯 ョ ⑫ llrtt° tt F ν 脅 9率 、
`
2翼 冨 ⑫ 諺 監
へ
ロ
)η
と
尋
ttWD1
0〉
o1lf⑫
ヽ
マ
¥I
ア コ 〉ヽ
M国
⑫
E10ゞ `■影 投 孝 澤卿 ⑫ 濯 騨 を 軍`書
晶 γ嘗 ■ 97]IW筆
“
ヽ
° ヽ
準lD17 γW⑫ ツ睡
撃 A)■ 出1ま 〉FI孝 γ⑫
llr単
γ撃上T` Q WEl窪 碑 ⑫書早7`
ν撃 ⑫ llr` ■艇褒、
` 'マ
`
コツ準易
肌γη
翫α将
;数 )■ 7ψ ↓ F'普 灘
=嬌 γtt r
`
゛ )影 =`
準
軒 │lr胆 l聯 ョ ⑫ llf車 、
1事 Ψ ツ孝 ア4⑫ ツ
° ヽ
γ識 マ119ヽ γツ
準 準 へ)ソ さ
`
`
`
γマ 〉η⑫Y撃 。Ynま 孝卿撃彗 Cヽ γ 朝酢0
割ゴコ ミ
`
°
A)ヽ へ葦 アヽ 燃轟妻 )0ジ 孝Yγ ■園
F'011(単 準 準ヽ
`
CC9‐ ヽA専 コ ヽレ薔孝珊口
⑫ヽ 上聯制」r
l‐
l
尋罰士
l「
○
へ)0妻 尋`Y派
▼,1lrvllr単 2qッ 準'削
渠ヽ
Yア ヽ 田Y7、 γコ
`
]1燿 逓士 )■ ツ獲制W` +↓ 回轟轟 9ヽ γ蝦響ヽ 懃中よ
`
`驚よ
A)嘗 q影 、
γ醗具Ψ ⑫衝士肇中
準111rJ⑦ V Z O準 二、
1lr単
)O T DlIlrン Y⑫ ll(』 7` ││(静 側 ⑫ llry肇 マ1lrvllr単
コ10)「 ││10gttu22鼎 軒 聯 ョ
°
へ)。 ■Dl γ讐 ツ準暮 ]'Yttη 轍筆Y■ IT
準ヽ
27騨 尋載絲皿擢 `92肇 監 `F'墜1普 百蜀 °準)│ツ γ
Oみ 碑 霧形 ヽA■ 9蝉 ―ン F'こ 準師餃撃節 `aマ )碑 Y7γ
`
嘗∫1洵 マ当上 ¥ギ
V⑫ 剰者 γ f° 準 準ヽA)■ 回妻
` 'l』
`
尋│ル 里 ⑫釧者`日 コ10γ ツ準RT/部 像3以 辮 ⑫判普百働 F,各
9η 孝潔 Yヽ レ薔
′
⑫ν撃 ア沖 軍薔 ⑫当 上l` 、
γ興撃 ⑫コ ツνご1利 躁マ「謳邸 J
°
l―
γ―士
γ■印鉢 ]'C/⊇ マツη Eト レ薔、
撃■筆窪 孝邸筆よ
`
IF
A
⑫ν撃 6■ 〉撃 γyγ yF,当 上l⑫ 「辟」 °
準 二ヽ
4`ツ
¥尋
撃暫 コ1ク ツ 9、 γ■■44` F19ヽ γ)RT尋 燿譲薔
TD1 7コ
ッ断 ]「 辟」
▼ ,ツ 撃 ⑫ llrttγ ■を豪 尋―き 4rツ
“
°
へ)畔
準 手ヽ
°
へ)嘗 ゞ筆究さ
へ潔 〕1担 者 ⑫
γ「辟 」 ヽ
準ヽ
∫ マ辟 ⑫耐
`
'洵`
ツ 2⑫ 9ヽ γCぎ El C/コ マa lul,c、 A、 γY口 ア
`
°
'011f単
準(1上 a璧 尋¥上l)。 無尋 ―き 4`ツ r⑫ ツ 準1当 Y
°
滅 γν 撃副 孝士 〉影 DlW冒 準 agγ 2(16多 Dl聟 冒 ⑫
`
γ7(1回 ]'単 そ│lrttPη
ア い ヘアヽ
l‐
l―
書翠 ⑫撃 J ttY滅
部⑦醐
罫覇螂マLJ平 マ難眸平
l―
Z18妻 回 ア灘副響 uf γ嘗 ヾ濯
準 )0■ 31ツ 剣早ネ
艶
=脅
°
A)ソ
ゞ■、
γ働判 ⑫軍
7ヽ γ
準ヽ
=`
l‐
γ釧普百衝 ]1喜 珊 γ嘗騨 R F14`Ч ― κ 0089ヽ γ剰普書
音、
AOIlf` EIン 割ゴコ `
9γ ⑫ ツ ゛準 二 〇9、 γ羽′
撃 ⑫ヽ
剃ワ
`
シ Ψ管 、
γ上聯制聾 FI Dl● 争 γ■普迎 (1釜 そ施コ ⑫Ψ
Y鴻 、γ駒普書早 ⑫撃上 °準 準ヽA渠 ■ )ユ ヾ妥 凹 アヽ 1ル 早
γη
孝YttW` E19γ ツマ)獲 α鮮 ギ1酢 田70、 γtt ηヽ
l―
鮒普百 1雷
°
l‐
2⑫ シヽへ)。 当 77Ψ ⑫ llrと Y)
Oγ α D'割 師 ヽ
q薔 以町肇
AY` a年 )。 ■ El難 Yγ ■
′
=浮
゛
γ神 1ま ⑫T孟 具彗
中ネli(単 F'酢 田2E10γ ⑫ ツ 準 撃 │マ 、
A準 と ヽ
A影 予幼戦 争)■ M酢 `〉ηて 、
γマコツ
畔 い ヘアヽ
゛
7嘗 撃 孝 ヾヽ
レ⑫ γ撃
準χ ttqγ ⑫ ツ l-22コ ツ準Ψ爾、
へ)。 ■ 31
書 像幣 Yヽ Att T'聯 勤 ⑫酢 ■ IT⑫ r° 準 渠、
`
°
獲 αttFl酢 田攣 )0さ γγ q El印 鉢 ⑫聯撃 準 )獲 田攣
、
γ⑫ γ嘗 ヾΨ事 コ
聯筆 γν ヾ筆窪 El撃 上 ⑫ 榊 ⑫醐
'T⑫
勤田繁
⊥ gヽ γ酢留螂
`
°
A_4_嘗 y)o、 γttE,単 F'│lf単 ⑫撃
準 二ヽ
9γ ⑫ ツ ゛準 29ヽ γツマ、γ夏羽′
9、 γ甲 ]│
回年 ⑫ り軍 ⑫ 陥勁 IEl潮 ツ準撃爾 7陥 ツ I抑 聾 F,Dlツ 撃
A)嘗 ゞ望、γ国亭 ⑫Y⑫ 早 Dl旱
⑫Y▼
lヽ AR° 準 撃ヽ
゛
'⑦
ヽ
へ
コ
)ν
1里
運IFI` 二 9繁 )η 尊ユ コ
γ
回 ⑫ コ 準 準\
彰
箪
`
Iifい γtt Dl里 単 F'削 呻 ⑦酢 さ
γ l-2陥 ツ I抑 摯 │lr上 lシ 準
浄勒 7]Y⑫
llr車
]loマ ッ冥 尋Yヽ 1lr静 側 `
準1酢 轟岬
勁剥蝉
°
準 ト ヘ)ヽ A蓑 マヽ 動
`
`
轟螂 ■ ゞ甲阜l孝 妻胆l⑫ llr単 T,盤 1斗 Y⑫ ヨー )■ │コ
`
°
準 F(lSヨ 9ヽ γ駒普 尋騨蟄 9、 γ■9音 ]ν ttEl解 幣 %
`
ヽ
6二
A)
FlittΨ ⑫ 目髪 19ヽ γ目縁
=2ψ 〉醤` ηf° 準 二
。 9孝 ロ
ヨ辮 準 979ヽ γ駒普 尋ν撃 aマ El担 箭 ッgtt G
A亜 ⑫Y滅 `
γν撃 ヽ
F'l14Yヽ A3⑫ 撃 T暑 ―
者、
°
へ)。 ■Elマ 〉■s〉 駒 η轟軍 ⑫Y滅 `
7■
準 二ヽ
γ tt
Dl剰
Aコ ⑫▽ 9γ η甲 澤¥〉 WDl釧 普
γttittΨ ⑫ ヤ 肇比 ヽ
(1濯 、
°
へ撃 │lr浄
tt fヽ へ)■ Tγ ヽ
`
Fに
0061)ル
=+=撃 陥
'(寺
⑫Y薔 ¥熙 ⑫碑早単IIIヨ
γ曇酢Ψ鴻
7ヾ 驚迎 、
γLJY
冊、
`
)OTコ 1普 迎 ⑫ (寺 6ラ ιI)寺 =π 草```]1潮 ¥° 準 )陥
事勢近夏 ツ島 孝上聯割ヨrg、 γ量酢 YttFlフ コ ヽγl_2駒