ワンポイントTAX~今日の“ちょこっと”

ワンポイント TAX~今日の“ちょこっと”
〒812-0061
2015 年 4 月 15 日(水)
福岡市東区筥松 2-28-26
税理士法人たかはし事務所
TEL 092-621-6320
FAX 092-621-6442
Email [email protected]
建設業許可の承継に必要な人的要件
許認可事業の事業承継対策
社長の平均年齢は過去最高齢の 59.0 歳!
帝国データバンクが行った 2015 年全国
社長分析によると、社長の平均年齢推移は
一貫して上昇を続けており、2014 年は 59.0
歳と過去最高を更新したそうです。自分が
作り上げてきた事業を、更に育ててくれる
後継者に引き継がせたい、そんな想いで事
業承継に取り組んでいる社長も多くいらっ
しゃることと思います。事業承継を巡って
は様々な経営資源が問題の対象になります
が、本日は「許認可」に焦点を当てて考え
てみます。
許認可事業は承継される?
会社で行っている事業が何らかの「許認
可」を得ている場合、その事業は預貯金や
株式などの資産と違い、必ずしも次世代へ
引き継がれるというわけではありません。
許認可を取得する際、「ヒト(人的要件)・
モノ(物的要件)・カネ(財産的要件)」の
三要件を満たすことと掲げられている場合
が多く見受けられます。このうち、もし社
長自身が「ヒト」の要件を満たしその許認
可を取得していると、社長が退くことで、
事業そのものを維持できなくなってしまう
こともあるのです。ここでは、建設業を例
に挙げます。
建設業許可の取得では、
「経営管理業務責
任者(経管)」と呼ばれる経営を管理する人
と、「専任技術者(専技)」と呼ばれる技術
面を担う人の存在が求められます。この二
者は誰もがなれるものではなく、経管は建
設業許可業者の役員として少なくとも 5 年
以上の経験、また専技は一定の資格を取得
しているか、10 年以上の実務経験を積んで
いるといった条件が課されています。もし
社長がこの経管と専技の役割を担っている
場合、社長が引退してしまうと「ヒト」の
要件を満たせず、許可の取消し事由になっ
てしまう可能性がありますので、事業の承
継をするためには、後継者としてこうした
一定条件をクリアできる人員を確保してい
かなければなりません。
許認可事業の事業承継は早めの対策を
ご自身の経営されている事業に許認可が
与えられている場合は、今一度その取得要
件を確認してみましょう。建設業許可に限
らず、
「ヒト」が許認可の維持に必須となっ
ているものが多い中、このように要件を満
たすまで長い年月を要するケースもありま
すので、長期的な対策が必要です。
つい見落としがちで
すが、許認可の承継
についてもぜひ早め
の対策を!