私の趣味のひとつに「 『名言集』 を読む ことないよ」というのが、このことばの意 こと」がありますが、禅語(禅のことば) 味です。 も大好きです。いくつか挙げてみます。 1.日々是好日(にちにちこれこうにち) どんなことがあっても毎日がいい一日な のだといういいことばです。 2.放てば手にみてり 手放してこそ大切なものが手に入るとい う意味で、こだわりを捨てろという意味で す。 4.無一物中無尽蔵(むいちもつちゅうむじんぞう) 自分では何もなしと思っても、そこには なんでもある。万物がその無にかかわって いて支えあっているという意味です。この あとに「花あり月あり楼台あり」と続きま す。 し 5.好事も無きに如かず 宝くじに当たったらたいていの人は喜ぶ でしょう。でも、このことばの意味は「煩 3.無功徳(むくどく) 悩を生むよいことなら、ないほうがいい」 私も医師になって31年になろうとしてい という意味です。日常生活の戒めとして覚 ます。いろんな会の役員もさせてもらって えておきたい禅語です。 ます。「でも、それがどうした。たいした 大阪府医師会報4月号 (vol.386) 禅語について 広報委員 佐野 博彦 た 6.知足(ちそく)=「吾唯だ足るを知る」 9.誰が家にか明月清風なからん 足るを知るということですが、禅では、 仏の慈悲はだれにも平等に注がれ、だれ 常にいまある自分の現状に満足し、感謝す の心にも仏心は等しく宿っているのに、そ ることだという考え方があります。 れに気がついていないだけだと、この禅語 な りつしょみなしん 7.随所に主と作れば立処皆真なり が言っています。さわやかなことばです。 おんりょう いつどこでも精一杯の真心で行動しなさ 10.天下の人のために蔭涼とならん いという意味です。真実の自己(主人公) 人のためにそっと日陰をつくる人になろ というブレない土台をしっかりさせていけ うという意味で、自分の身を投げ出しても ないと自分を保つことはできません。 尽くす人物になろうという句ですが、なか かんとう 8.百尺竿頭に一歩を進む 何かをなしとげたと思っても、そんなも のに満足せず、さらに一歩を進めよという ことばです。出発点にもどって気持ちを新 たにしろという、これも戒めのことばで なかできることではありません。 まだまだ好きなことばはありますが、と りあえず10個を紹介させていただきまし た。日常生活に役立てたいと思います。 す。 大阪府医師会報4月号(vol.386)
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