Departmental Bulletin Paper / 紀要論文 体育におけるエピソード記述の質的向上に 関する事例的研究 A case study of qualitative improvements of episode description in elementary physical education 加納, 岳拓 KANO, Takahiro 三重大学教育学部研究紀要, 自然科学・人文科学・社会科学・教育科 学. 2015, 66, p. 207-216. http://hdl.handle.net/10076/14449 三重大学教育学部研究紀要 第 66巻 教育科学 (2015) 207- 216頁 体育におけるエピソード記述の 質的向上に関する事例的研究 加 納 岳 拓* Acasest udyofqual i t at i vei mprovement sofepi sodedescri pt i on i nel ement aryphysi caleducat i on Takahi roKANO 要 旨 本稿の目的は、大学生のエピソード記述への大学教員のコメントを事例として、体育におけるエピソード記 述の質的向上のための視点を提示することであった。そのために、中学校第 2学年を対象とした体つくり運動 を構想し、学生が TTとして全 6時間に参加した。各時間後にエピソード記述を行い、学生のエピソード記述 に対して、大学教員 2名がコメントを行った。大学教員 2名のコメントの背景にある意図を KJ法によって浮 かび上がらせ整理した。その結果、エピソード記述では出来事を「図」として浮かび上がらせる「地」が必要 であるが、体育授業において「地」をつくるためには、授業に関与する際に、受動的に出来事の事実や印象だ けを見るのではなく、授業の課題や展開の意図、課題や展開の中でつまずきの要因の見通し、つまずきへの支 援の代案を推論しながら積極的に関与することの重要性が示された。また、課題へ向かう子どもの姿を、単な る表層的な変容としてではなく運動の中心的なおもしろさや身体技法のキーワードとの関係から問い直すこと によって、授業の枠組みや運動の見方について再構築が行われることが明らかとなった。 なぜなら、エピソード記述が単なる文章作成法ではな 1.緒言 く、エピソード記述を描いたり読み手と共有したりす 本稿の主題として掲げている「エピソード記述」と ることが、子どもの現状の見取りや育ちの評価、保育 は、鯨岡(200 5)が提唱する、教育や医学など人との 者の対応などの「保育の質」(鯨岡,2009)そのもの かかわりを持つ現場で広がりを見せている質的な研究 に関係し、エピソード記述の質を向上させることが、 アプローチの一つである。エピソード記述は、一人の 関与の質の向上にもつながるからである。 また、学校現場の中で、教師の質の向上のために中 主体としての現場で生きている観察者が、興味、関心、 知識、経験、理論、等々から「地」を明確に持ち、そ 心的な活動として位置づいている授業研究でも、授業 の背景に基づきながらある出来事を「図」として観察 で起きている事実を省察し、考察して自分自身の学び し、そして、記述することを特徴とする方法であり、 に専念することが不可欠とされている(佐藤,20 1 2)。 観察者が没個性的となる行動観察とは一線を画してい この立場から、体育学習の中での学びの事実の過程を、 る。エピソード記述には、観察者が持つ子ども観、人 エピソード記述の手法によって描いた研究が見られて 間観、価値観、学習観などが現れるために、出来事を いる(岡野・山本,2012;柳瀬,2012;矢戸・岡野, 記述することで自らが持つ思考の枠組みを認識したり、 2012 ;加納・岡野,2013 ;岡野・加納,2013 ;岡野ら, 読み手とエピソード記述を共有することにより、枠組 2013;加納・岡野,2014;加納ら,2014a)。 さらに、加納ら(2014b)は、体育の中で学びが生 みを再構成したりすることが目指されている。 エピソード記述は、教育の中では保育の場を中心に 成する姿を見取る力を高めるためのエピソード記述の 広がりを見せている(岡花,2010 ;田尻・西口,2013) 。 描き方を提示している。そこでは、体育が運動を中核 * 三重大学教育学部 ― 207― 加 納 岳 拓 とした活動を行っていることから、運動の中心的なお の用具として直径約 2m の鉄製の輪を 2本平行につ もしろさに触れている身体技法 (注)を「地」に定めて なげたラートを用いた(写真 1)。 記述をすること、さらには、学びが生起した場面を考 察するときには、観察者が何を学びが生起した事実と して見取ったのかを「『変容前の姿』から『変容後の 姿』へ」と端的な言葉で表すことで記述者の理論的背 景が読み手に伝わる考察となり得ることを示唆してい る。 しかし、加納ら(2014b)は、一つのエピソード記 述を陥りがちなエピソード記述事例として扱っており、 写真 1 ラート運動 継続的にエピソード記述を描く中で、エピソード記述 にどのような質的な向上が生まれるかについては、研 究の範囲外としている。 ラート運動には、運動の慣性、遠心力、重力などを 上手く利用することで、逆さまになったり転がったり そこで、本研究では、大学生のエピソード記述への する「非日常的な身体感覚」、ラートの動きに合わせ 大学教員のコメントを事例として、体育におけるエピ て身体を操作するとともに、ある程度ラートに身を任 ソード記述の質的向上のための視点を導くことを目的 せることが必要な「器具に身を任せる感覚」、ラート とする。なお、質的な向上過程が見られやすいように、 を操っているときにどのような身体操作をすればよい これまでエピソード記述未経験の大学生(5名)を対 か(しているのか)という「身体の認知」といった特 象として研究を進めていくこととする。 性がある(後藤,2010)。 ラートを上手く操作するた めには、ラートの動きに合わせた姿勢をつくることや、 ラートからの「情報を積極的に受信すること」などが 2.研究の方法 必要となる。そこで、ラート運動の中心的なおもしろ (1)岡野・山本(2012)に基づき、ラート(写真 1) さを「ラートを操ったりラートに操られたりする中で を用いた体つくり運動の授業デザインを構想する。 ラートの動きに応じた身体操作をすること」と設定し、 なお、体つくり運動の「体ほぐしの運動」と「体力 身体技法を「ラートの軸と身体の重心の位置関係によ を高める運動」の 2領域で明記されている 7つの内 る回転の推進と制御」とした。 また、本実践の領域である体つくり運動には「体ほ 容(文部科学省,2008)をラート運動の「中心的な おもしろさ」と「身体技法」と関連させて設定する。 ぐしの運動」と「体力を高める運動」の 2つが小領域 として位置づいているため、各領域に位置づいている (2)中学校第 2学年を対象にした体つくり運動の授業 実践(3時間×2クラス:計 6回)を関与観察(TT 内容をラート運動の中心的なおもしろさと身体技法に 関連付けて、以下のように設定した。 として参加)した大学生 5名が、各授業後に授業の 中で印象に残っている場面をエピソード記述し、そ のエピソード記述に対して大学教員 2名が入れたコ メントを KJ法(川喜田,1967)で整理する。KJ 【体ほぐしの運動】 ①心と体の関係の気付き 怖さがあると身体に力が入り、慣れてきたり楽 法では、学生に対する教員のコメントの中で、誤字 しいと感じられたりすると力が抜け、表情がやわ 脱字に関するコメントを除いた全てのコメントを挙 らぐといったような心と体の関係に気付くことが げ、コメントの背景にある視点を分類しながら図解 できる ②体の調子を整える 化する。 (3)KJ法の整理を基に、体育におけるエピソード記 仲間に身をゆだねたりゆだねられたりする活動 を通して、心も体もほぐれた状態で中心的な活動 述の質的向上の視点について考察する。 に入ることができる ③仲間と交流する 3.授業概要と事例の流れ 活動において体を補助したり支えたりすること と、活動を仲間と一緒に協力して取り組むことが (1)授業概要 エピソード記述事例として扱う授業実践は、三重県 A中学校第 2学年を対象にした体つくり運動 (全 6 時間を 2クラス)である。本実践では、体つくり運動 ― 208― できる 【体力を高める運動】 ①体の柔らかさを高める 体育におけるエピソード記述の質的向上に関する事例的研究 体側をはじめとする全身の伸縮性と肩甲骨・股 5回目の授業(2/6)では、「姿勢を崩さずに乗っ 関節・足首などの関節の可動域を広げることがで ていられるかな」と「姿勢を崩さずに、回転できるか きる な」が課題として設定された。授業前半では、ペアス トレッチや地蔵起しなどの体ほぐしの運動と、ラート ②巧みな動きを高める ラートの動きや回転の推進と制御にかかわる重 心の移動を行うために、力の緊張と解筋、四肢の を使った歩行、シーソーなどを行い、後半ではスイン グ、側方回転を行った。 6回目の授業(3/6)では「姿勢を崩さずに乗って 協応動作を自在に行うことができる いられるかな」と「スイングの姿勢を崩さずに、回転 ③力強い動きを高める 回転を滑らかに行うために、体幹を中心とした できるかな」が課題として設定された。授業前半では、 姿勢の保持と四肢による安定した姿勢を保つこと ラートの中の歩行やシーソーを行い、後半では側方回 ができる 転を行った。 ④動きを持続する能力に関しては、この単元では扱 表 1 各授業の課題 わないものとする 上記のような授業の内容として各授業で「共有の学 び」と「ジャンプの学び」の 2つの課題を設定した (表 1)。 ここから,各授業の課題と授業概要を示すこととす る。なお、生徒の学びの支援を行うために、学生はラー ト運動において全 6時間の内、特に支援を必要とする 単元前半の第 1時から第 3時に TTとして授業に参加 した。 1回目の授業(1/6)では、「ねらいにあった姿勢 や動きができるかな」が課題として設定された。授業 (2)エピソード記述事例の流れ 前半では、ペアストレッチや地蔵倒しなどの体ほぐし エピソード記述は、授業実践に TTとして活動した の運動を行い、後半ではラートを使ったバランス、歩 大学生 5名によるものであり、この 5名はエピソード 行や斜転を行った。 記述を初めて行う。大学生 5名は、TTとして授業参 2回目の授業(2/6)では「ラートの動きに合わせ 加する前に、2つの事前課題を行った。1つ目は、体 て、動いたり乗ったりできるかな」と「スイングの姿 つくり運動で活用するラート運動の実技講習を受け、 勢を崩さずに、回転できるかな」が課題として設定さ テクニカルポイントや安全の確保のポイントをレポー れた。授業前半では、ペアストレッチなどの体ほぐし トとしてまとめた。2つ目は、加納ら(2014b)を基 の運動を行い、後半ではラートを使ったバランス、歩 に「体育におけるエピソード記述の描き方のポイント」 行や斜転に加え、シーソーやスイング、側方回転を行っ を A4用紙 1枚でまとめた。 た。 事前課題を行った大学生は、各授業後に、授業の中 3回目の授業(3/6)では「不安定なところでも、 で印象に残っている一場面をエピソードとして起こし、 乗っていられるかな」と「基準タイムよりゆっくり回 考察を加えたエピソード記述【1.実践概要 ることができるかな」が課題として設定された。授業 ソード 2.エピ 3.考察】を作成し、大学教員 2名に提出し 前半では、ラートの歩行やシーソーを行い、後半では た。大学教員 2名(2回目、4回目は 1名)がそれぞ 側方回転に基準タイムを設けた活動を行った。 れエピソード記述に対してコメントし返却した(図 1) 。 4回目からは、別クラスで単元の 1時間目が始まる 大学生は、それぞれのエピソード記述やエピソード ため、3回目の授業が終わった時点で、授業者や参観 記述に対するコメントをお互いに共有し、次の時間の 者が行った各授業の振り返りを基に、4回目以降の授 TTに参加するという流れで、計 6回の TTとしての 業の課題や活動を再構成した。 授業参加とエピソード記述作成を行った(図 2)。 4回目の授業(1/6)では、「姿勢を崩さずにでき るかな」が課題として設定された。授業前半では、ペ アストレッチやメリーゴーランド、地蔵倒しなどの体 ほぐしの運動を行い、後半ではラートを使ったバラン ス、歩行やシーソーを行った。 ― 209― 加 納 岳 拓 から使用を禁止している(12件)。また、授業で印象 に残った場面を記述する際に、注目した子の言動だけ ではなく、周りの状況や関係、文脈も合わせて捉える ことを促すコメントが 3件見られた。 これらのコメントは、学びの支援として授業に参加 するために不可欠な授業を内側から捉えるという関与 の立場につながり(3件)、人と人との接面で何が生じ ているかを明らかにしよう(鯨岡,2013)というエピ ソード記述を描く目的にも直結するものである(2件) 。 さらに、印象に残った場面と似たような場面にこれか ら出会う可能性が大いにあるため、エピソードの場面 に改めて身をおいた時に、どのような対応をとるのか について振り返ることを求める指摘が 1件あった。 2回目のレポートに対して、全 15件のコメントが 図 1 学生のエピソード記述とコメント例 見られた(図 4)。ここでは、「エピソード記述のルー ル」に立ち戻らせるコメントが 1回目と同様に見られ た(4件)。他に、エピソードに対するコメントとし て、読み手と「体験の共通性」が持てるエピソードを 目指して、運動が活動の中心である体育において大切 な動きについて具体的に示すことや、言語的コミュニ ケーションにおける周りの状況を丁寧に記述すること を求めるものが 3件見られた。 考察に対しては、1つのエピソードに対する考察の視 点が、前半の活動と後半のつながりや課題、支援の方 図 2 事例流れ 法、仲間の交流と多岐に渡っていること、考察とタイ トルの視点がずれていることによって、何を「地」と して描き、読み手と共有したいのかが不明確であると 4.エピソード記述へのコメントの整理 いう指摘が 4件見られた。一方では、コメント者がエ 各授業の学生のエピソード記述へのコメントを KJ ピソードや考察の中で注目した言葉を基に、具体的に 法(川喜田,1 967)の手法を用いて整理した。なお、 子どもの姿や課題提示についての「地」の例を示すこ 図中の線は、以下の意味を示すものとして使用した。 とで、学生に視点の提示を行うコメントが 3件あった。 3回目のレポートに対して、全 15件のコメントが見 られた(図 5)。3回目のコメントでは、これまでと変 یೖФ ᇁФ ֫ᎣФ わらずエピソードの事実から考察をするというエピソー ド記述のルールについてのコメントが見られた(5件)。 一方で、2回目の「『地』が固まっていないこと」に 1回目のレポートに対して、全 30件のコメントが 対する指摘が 1件であるのに対し、学生の視点を深め 見られた(図 3 ) 。その中でも、 「エピソード記述のルー るための「『地』をつくるための視点提示」が意識され ル」に関するものが、21件と多くを占めていた。ルー たコメントが 8件見られた。地をつくるための視点は、 ルに対するコメントの内容を見てみると、考察内にエ 大きく 3つに分けられ、 1つ目は、「怖おもしろい」 ピソードには描かれていない新たな事実が書かれてい 「姿勢」といった体つくり運動の授業のねらいに向けた ることに対する「事実と考察の混同(2件)」や、エ 「授業展開の特徴と課題提示(3件)」についてである。 ピソードに書かれていない事実から考察されている 2つ目は、授業の中で、恐怖感を持ったり姿勢が崩れ 「根拠の薄い考察への指摘(6件) 」であった。さらに、 たりしている生徒など、運動の質の向上が停滞した時 授業の事実を「学び」や「停滞」などという言葉で抽 の「つまずきの要因の見方(2件)」についてであった。 象化・一般化してまとめてある考察やタイトルに対し そして 3つ目は、つまずきをきっかけに質の向上のた て、「事実性」と「実感性」といった個別具体性が大 めの補助や声かけといった「つまずきに対する支援(3 切にされているエピソード記述から離れるということ 件)」についてであった。また、考察が読み手に了解さ ― 210― 体育におけるエピソード記述の質的向上に関する事例的研究 図 3 学生のエピソード記述(1回目)へのコメント య㦂䛾ඹ㏻ᛶ䛜ᣢ䛶䜛䜶䝢䝋䞊䝗䜈 䛣䛾Ꮚ䛾ၥ䛔䛛䛡䛻ᑐ䛩䜛࿘ 䜚䛾ᵝᏊ䛜ሙ㠃䛸䛧䛶ᾋ䛛䜃 䛻䛟䛔䚹 䛣䛣䛾ᵝᏊ䜢䜒䛖ᑡ䛧ᑀ䛻䚹 ㄞ䜏ᡭ䛜䜲䝯䞊䝆䜢⭾䜙䜎䛫䜙 䜜䜛䜘䛖䛻䚹 䛂ᆅ䛃䜢䛴䛟䜛䛯䜑䛾どⅬᥦ♧ ጼໃ䛻䛴䛔䛶୍㈏䛧䛶᭩䛛䜜 䛶䛔䜛䛯䜑䜎䛛䛺ኚ䛜䜟 䛛䜚䜔䛩䛔䚹ኚ䛻క䛖ෆ㠃䛾 ኚ䜔䝷䞊䝖䛾ື䛝䜒䜲䝯䞊䝆 䛷䛝䜛䚹 䠄䜶䝢䝋䞊䝗䛾䛒䜛㒊ศ䛜䠅⪃ 䝅䞊䝋䞊䛸ഃ㌿䛾ᕪ䜢⪃ᐹ䛩 ᐹ䛻䛹䛾䜘䛖䛻⏕䛝䛶䛔䜛䛛䚹 䜛䛾䛺䜙䜀䚸䜶䝢䝋䞊䝗䛻䝅䞊 䝋䞊䛾㝿䛾ฟ᮶䜢グ䛩ᚲせ 䛜䛒䜛䚹 䛂ゝⴥ䠙ཎᅉ䛃䛸┤⤖䛥䛫䛶䜘 䛔䛛䚹ᮏᙜ䛻ጼໃ䛜άື䛻ྥ 䛘䛺䛔ཎᅉ䛺䜙䜀䚸ᅇ㌿䛻⾜䛟 䜎䛷䛾䛾ᵝᏊ䛜ᚲせ䚹 ㄢ㢟ᥦ♧ 䛣䛾ኌ䛛䛡䛷ጼໃ䛜ᔂ䜜ጞ䜑 䛶䛔䜛䚹ᔂ䜜䛶䛔䜛䛣䛸䛿䝬䜲 䝘䝇䛷䛿䛺䛟䚸䜘䜚ጼໃ䜢ព㆑ 䛷䛝䜛䛝䛳䛛䛡䛸䛺䜛ᔂ䜜᪉䛷 䛒䜛䚹 ព㆑䛩䜛䜘䛖䛻䛺䜛䛸ᛮ䛖䛜䚸 ᅇ㌿䛜䛷䛝䛶䛔䜛Ꮚ䛹䜒䛻䛸䛳 䛶ᚲせឤ䛿䛒䜛䛰䜝䛖䛛䚹 䜶䝢䝋䞊䝗䜈䛾䝁䝯䞁䝖䛸ྠᵝ䚹 ✚ᴟⓗ䛺ጼ䠄䛔䛔ጼ䠅䛸䛧䛶ᤊ 䛘䜛ᚲせ䛜䛒䜛䚹 䜶䝢䝋䞊䝗グ㏙䛾䝹䞊䝹 ᰿ᣐ䛾ⷧ䛔⪃ᐹ䜈䛾ᣦ ᤵᴗ䛾䛽䜙䛔䛸Ꮚ䛹䜒䛾 ᬑ㐢䞉ᢳ㇟䜈䛾ᣦ ⏕ᚐ䛾ጼ䛛䜙ぢ䛘䛯䕿䕿 䛾ㄢ㢟タᐃ䛸䛔䛖䜘䛖䛻䚸 䛂ᆅ䛃䛜ᅛ䜎䛳䛶䛔䛺䛔䛣䛸䜈䛾ᣦ ලయⓗ䛻䛹䛾䜘䛖䛺䠛䜎䛯䚸⿵ ຓ䛾᪉䜔ື䛝䛾䝫䜲䞁䝖䛾 ఏ䛘᪉䛺䛹䛷䛿䛺䛟䚸ㄢ㢟䛾ၥ 㢟䛷䛒䜛䛸䛔䛖⤖ㄽ䛷ᮏᙜ䛻 Ⰻ䛔䛛䚹 ⪃ᐹ䛾ᩚ⌮䛾᪉ ⪃ᐹどⅬ䛿ㄢ㢟䛾タᐃ䛸䛺䛳 䛶䛔䜛䚹 ẁⴠ䜢䛴䛡䛶ྛẁⴠ䛷ゝ䛔䛯 䛔䛣䛸䜢ᩚ⌮䛩䜛䚹䛴䜎䜚ఱ䜢 ⪃ᐹ䛧䛯䛾䛛䛜䜟䛛䜚䛪䜙䛔䚹 䜶䝢䝋䞊䝗グ㏙ㄽᩥཧ⪃䛻䚹 య䜢䛖䜎䛟䛘䛺䛛䛳䛯䛾 䛿䚸௰㛫䛸䛾ὶ䛜䛷䛝䛶 䛔䛺䛔䛯䜑䠛 ఱ䜢⾲䛧䛯䝍䜲䝖䝹䛷䛒䜛䛛 ᫂☜䚹䜶䝢䝋䞊䝗䛿ഃ㌿䛾ሙ 㠃䜢ᢅ䛳䛶䛔䛶䚸య䜋䛠䛧䛾㐠 ື䛾䛣䛸䛿᭩䛛䜜䛶䛔䛺䛔䚹 ⪃ᐹ䛷䜒ጼໃ䛾䛣䛸䜢ཎᅉ䛸䛧 䛶䛔䜛䛜䚸⤖ㄽ䛜ὶ䛸䛺䛳䛶 䛔䜛䚹 図 4 学生のエピソード記述(2回目)へのコメント れるものになるために、よりエピソードを詳細に記述す 支援の方法が生徒の運動の質の向上につながらない原 ることを求めるコメントも 1件見られた。 因についてのコメントで占められていたのに対し、ここ 4回目のレポートに対して、全 15件のコメントが見 では、成功した補助の要因について、授業のねらいで られた(図 6)。「エピソード記述のルール」に関するコ ある「姿勢」や「重心」、「安心感」をキーワードとし メントが 3件、「事実を丁寧に記述すること」に対する て伝えているコメントが 7件見られた。 コメントが 1件、「エピソードの続きへ興味」を示して さらに、3回目では見られなかった視点として、授 いるコメントが 1件見られる中、 3回目と同様に、 業で扱っているラート運動の特性に常に立ち戻りなが 「『地』をつくるための視点を提示」するコメントが最 ら事実を考察することを求め、特性の理解を深めるこ 多で 9件あった。その中でも「つまずきに対する支援」 とによって、つまずきに対する支援の手立てや視点に についてのコメントが 7件見られたが、3回目の時には、 もつながる指摘である「運動の見方」や「授業のねら ― 211― 加 納 岳 拓 䜶䝢䝋䞊䝗グ㏙䛾䝹䞊䝹 ᰿ᣐ䛾ⷧ䛔⪃ᐹ䜈䛾ᣦ 䛣䛾ኌ䛡䛜᭷ຠ䛷䛒䜛 ᐇ䛿䚸䛹䛣䛻♧䛥䜜䛶䛔 䜛䛾䛛䚹 ⱞᡭព㆑䜢♧䛩䜶䝢䝋䞊䝗 䛜ぢ䛴䛛䜙䛺䛔䚹 䛪䜜䛶䛔䛯䛣䛸䛿ఱ䜢ᣦ䛧 䛶䛔䛶䚸༑ศ䛷䛒䛳䛯䛣 䛸䛿ఱ䛛䚹 ᐇ䜢ᑀ䛻ᥥ䛟䛣䛸䛻ྥ䛡䛯ᨭ ᐇ䛛䜙⪃ᐹ䛧䜘䛖䛸䛩䜛 䛣䛸䛜䛷䛝䛶䛔䛺䛔䚹⮬ศ 䛾ᛮ䛔䠄㎸䜏䠅䛜ඛ⾜䛧䛯 ⪃ᐹ䛾䛯䜑䚸䜶䝢䝋䞊䝗䛻 ⌧䜜䛶䛔䜛ᐇ䜢ぢ㏨䛧䛶 䛧䜎䛳䛶䛔䜛䚹䜶䝢䝋䞊䝗䛾 䝁䝯䞁䝖ཧ↷䚹 䛚䛧䛔䛽䚹䛣䛾䛂ᕤኵ䛃䛾ෆᐜ䜢ලయⓗ䛻 䛷䛝䛶䛔䜜䜀䠞䚹䛭䛾䛯䜑䛻䛿䚸䜶䝢䝋䞊䝗 䛷䜒䛖ᑡ䛧ヲ⣽䛻グ㍕䛧䛶䛚䛟ᚲせ䛜䛒䛳 䛯䚹䛹䛱䜙䛾᪉ྥ䛻ྥ䛛䛳䛶䛔䛯䛾䛛䚸䛹 䛖䛔䛖≧ែ䠄ィ䛷䛔䛖䛸ఱఱศ䠅䛷Ṇ 䜎䛳䛯䛾䛛䚸䛭䛣䛛䜙䛹䛱䜙䛾⭎䜢䛹䛖䛩䜛 䛸ື䛝ጞ䜑䛯䛾䛛䚸䛺䛹䚹䛣䜜䛜䝍䜲䝖䝹䛷 ♧䛥䜜䛶䛔䜛䛂䛷䛝䛺䛔䛣䛸䛃䛾ෆᐜ䛷䛒䜚䚸 䜖䛳䛟䜚䛸ᅇ䜛䛯䜑䛾䝫䜲䞁䝖䛾୍䛴䛸䛺䜛䚹 ᐇ䛿䜶䝢䝋䞊䝗䜈䚹 䛂ᆅ䛃䜢䛴䛟䜛䛯䜑䛾どⅬᥦ♧ ᤵᴗᒎ㛤䛾≉ᚩ䛸ㄢ㢟ᥦ♧ 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「『地』をつくるための視点提示(子どもの姿の変容に 動の見方」に関するコメントが 3件、子どもの何気な 向けて)」、5・6回目には「『地』をつくるための視点 い言葉と授業のねらいの関係について考察を促す「お 提示(運動の見方や授業のねらいの問い直し)」が中心 もしろさと子どもたちの姿の関係」に関するコメント 的な視点として挙げられていた。 が 1件見られた。 6回目のレポートに対して、全 15件のコメントが見 表 2 コメントの中心的な視点 られた(図 8)。依然、「エピソード記述のルール」に かかわるコメントが 4件見られた。その他 11件は、「 『地』をつくるための視点提示」を行っているコメント であった。その内容として、まず「姿勢を崩さない」 ことを中心にした「運動の見方」に関するコメントが 3 件、つまずきに出会わせることによって運動の質を高 めるといった「授業展開の特徴」に関するコメントが 1 件見られた。この視点と関連して、TTの存在や生徒 がポイントを理解できた要因など、「つまずきに対する 支援(5件)」に関するものと、課題を達成できている 䛂ᆅ䛃䜢䛴䛟䜛䛯䜑䛾どⅬᥦ♧ 㐠ື䛾ぢ᪉䜈䛾ᣦ 䛂ጼໃ䜢ᔂ䛥䛪䛻䛃䛸䛿䛹䛖䛔䛖≧ែ䛾䛣䛸 䜢ゝ䛖䛾䛛䚸䛣䜜䛜⌮ゎ䛷䛝䛶䛔䜛䛛䛹䛖 䛛䚹䛭䛧䛶䚸䛣䛾⌮ゎ䛜⏕ᚐ䛸ᩍᖌ䛾㛫䛻 䝈䝺䛜⏕䛨䛶䛔䛺䛔䛾䛛䛻ὀ┠䛧䛺䛜䜙䚸 ⪃ᐹ䛧䛶䜋䛧䛛䛳䛯䚹グ㏙䛥䜜䛯⪃ᐹ䛿᪤ 䛻ศ䛛䛳䛶䛔䜛䛣䛸䛺䛾䛷䚹 య䛜ᙙ᭤䛧䛶䛔䜛䛸䛝䜒㔜ᚰ䛿ព㆑䛧䛶䛔 䜛䜘䛖䛻ᛮ䛖䚹䛯䛰䚸య䛜⦆䜣䛷䛔䜛䛯䜑䚸 య䛾㔜ᚰ䜢⛣ື䛥䛫䛶䜒䝷䞊䝖䛻䛿ఏ䜟䜙 䛺䛔⛣ື䛾䛥䛫᪉䚹య䜢┿䛳┤䛠䛻䛩䜛䛣 䛸䛻䜘䛳䛶䚸⭎䛻䜘䜛㔜ᚰ䛾⛣ື䛜䚸䝷䞊䝖 䛻䜒ఏ䜟䜛䜘䛖䛻䛺䛳䛶䛾䛷䛿䛺䛔䛰䜝䛖 䛛䚹 䛂䝷䞊䝖䛻䜛䛃䛯䜑䛾㔜ᚰ᧯స䛜ㄢ㢟䛸 䛺䜛䚹䛣䛾ሙྜ䛾䚸㔜ᚰ䛸䛿䛹䛣䛻䛒䜚䠈䛹 䛖䛩䜛䛣䛸䛷㔜ᚰ䜢䝷䞊䝖䛻䛫䛶䛔䛟䛣䛸 䛜ྍ⬟䛻䛺䜛䛾䛛䚸䛸䛔䛖⪃ᐹ䛻㋃䜏㎸䜣 䛷䜋䛧䛛䛳䛯䚹 ᤵᴗ䛾䛽䜙䛔䛸ㄢ㢟 䛣䛾୍ゝ䠄䛂᪥䛾ㄢ㢟ఱ䜔䛳䛯䠛䛃䠅䜢䚸 Ꮚ䛹䜒䛻ᑐ䛧䛶⮬ಙ䜢ᣢ䛳䛶ゝ䛘䜛䛛䛹䛖 䛛䛷ᤵᴗ䛿Ỵ䜎䛳䛶䛔䜛䛸ゝ䛳䛶䜒䜘䛔䚹 ㄢ㢟䜢ᖖ䛻ព㆑䛥䛫䜛䛣䛸䛜䛚䜒䛧䜝䛥䛻 䛴䛺䛜䛳䛶䛔䜛䛸䛔䛖ᛮ䛔䜢ᤵᴗ⪅䛜ᙉ䛟 䜒䛳䛶䛔䛺䛡䜜䜀䚸䛣䛾ゝⴥ䜢ฟ䛩䛣䛸䛿 䛷䛝䛺䛔䚹 ጞ䜑䛻ㄢ㢟䛜ฟ䛶䛔䛶䜒䚸ᤵᴗ䛾୰䛷ព 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3つの視 ントは、加納ら(2014b)において、現職の教員が描 点は、体育授業の中で学びを生み出すために教師(観 く際に陥りがちなエピソード記述例として挙げられて 察者)にとって必要な「地」を示していると考えられ いる「エピソードで『事実』が描かれているのか」と る。1つ目の「課題と展開の特徴」は、子ども達の活 同様の指摘と言える。また、現場で行われている授業 動が「共有の学び」「ジャンプの学び」として設定さ 研究において、事実から省察することの重要性が叫ば れた課題と一致しているかを見取ることを意味してい れている(佐藤,2012)。裏を返すと、現在の授業研 る。実践を例にすると、授業の課題である「姿勢を崩 究が事実の省察に基づいたものではなく、抽象的な事 さない」「ラートに乗る」「回転する」から外れずに、 実の見取りや事実から乖離した一般的な授業技術や展 一つひとつの活動に向っていたのかという視点である。 開方法の議論が中心となっていることを物語っている 2つ目の「つまずきの要因」は、課題に向かう中で、 とも言えるため、現場での課題とも一致すると言えよ 何につまずいていることによって、質の停滞が起きて う。鯨岡(2005)も「事象としっかり向き合う『根性』 いるのかを見取ることを指している。実践の中では、 が必要なのだとわきまえて、格闘を続けてほしい」と 「姿勢が崩れる」「ラートに乗ることができない」「回 述べており、描いたエピソード記述が事象に忠実であ 転できない」子どもの要因がどこにあるのかという視 るかを常に問い直し、「事実」に即したエピソードと 点である。3つ目の「つまずきに対する支援」は、つ 「事実」に即した考察をすることが、事例からもエピソー まずきに対して運動の質を高めるための足場 ド記述の質の向上の基盤となることが考えられる。 (Sc af f ol di ng)がどのように設定されているのかを見 取ることを示している。事例においては、課題に対す るつまずきに対して、どのような支援を行うことによっ ― 214― 体育におけるエピソード記述の質的向上に関する事例的研究 てつまずきが解消され、運動の質的向上を生むのかと る回転の推進と制御」と結びついているのかという視 いう見方である。3・4回目のコメントの中心である 点である。 加納(2014b)によると、体育における学びの生成 「『地』をつくるための視点提示(子どもの姿の変容)」 は、総じて、授業の課題である「姿勢を崩さない」 をエピソード記述として描くためには、「運動の中心 「ラートに乗る」「回転する」に対する質の向上を目指 的なおもしろさ」を具体化している「身体技法」へ焦 点化し、「『変容前の姿』から『変容後の姿』へ」と す視点と言えよう。 また、佐藤ら(1991)は、熟練している教師ほど、 タイトルをつけることによって学びの変容を見取るこ 授業の事実や印象だけではなく、授業の「意図」「見 とができるとしている。また、表層的な動きの変化で 通し」「代案」を推論しながら授業の省察をできると はなく、学習内容との関係から変容の提示をする必要 している。この事例を基にすると、意図とは、授業の があるとしている。 課題や展開のことであり、見通しとは、課題や展開の 本事例で考えると、課題として設定されていた「姿 中でどの子がどこでつまずくのかということを指し、 勢を崩さない」「ラートに乗る」「回転する」ことの質 代案とは、つまずいている子に対する支援の手立てと 的向上を、身体技法のキーワードとして挙げられてい 見ることができる。 る「軸」「重心」「回転の推進と制御」との関連で考察 以上のことから、エピソード記述に臨む以前の授業 することによって、運動を見直すことと言える。換言 に関与する際に、受動的に事実や印象だけを見るので すると、ラートを用いた体つくり運動における「姿勢 はなく、課題や展開など授業の意図との関係、つまず を崩さない」「乗る」「回転する」とは何かという問い きの要因の見通し、つまずきに対する支援の手立て を立て、考察することであろう。 このように運動の変化だけではなく、子どもの姿か (代案)に関する 3つの推論を持ちながら、積極的な 姿勢で関与することがエピソード記述の質的向上につ ら授業の枠組みや運動の見方を問い直すことによって、 ながると考えられる。併せてエピソード記述に向かう 「ある人の生の断面を描こうと思い立つ人の背景的な 際にも、子どもの変容にかかわる「課題と展開の特徴」 問題意識や、その前に立ち現れてきた基本的な問いが 「つまずきの要因」「つまずきに対する支援」の 3つを 重要になってきます。その問題意識や基本的な問いと 「地」としながら記述することが必要であろう(図 9) 。 の関連で、その描き出された生の断面の『意味』を掘 り起こしてこそ、真のエピソード記述」(鯨岡,2005) につながっていくのだろう。 6.結語 本稿の目的は、体育におけるエピソード記述の質的 向上のための視点を提示することであった。 エピソード記述の質的向上に向けて、まず「事実」 の記述と「事実」に基づく考察のために、出来事を 「図」として表すための「地」をつくることが必要で ある。体育授業に関する「地」をつくるためには、授 業に関与する際に、受動的に出来事の事実や印象だけ 図 9 エピソード記述の質的向上に向けた関与の視点 を見るのではなく、授業の課題や展開の意図、課題や 展開の中でつまずきの見通し、つまずきへの支援の代 ②運動の見方・枠組みの再構築 案を推論しながら積極的に関与することの重要性が示 もう一つ「地」をつくる視点として、5・6回目の された。また、課題へ向かう子どもの姿を単なる表層 中心的なコメント「『地をつくる視点提示(運動の見 的な変容としてではなく、運動の中心的なおもしろさ 方や授業のねらいの問い直し)」が考えられる。3・4 や身体技法のキーワードとの関係から問い直すことに 回目のコメントのように、課題を探究するための方法 よって、授業の枠組みや運動の見方について再構築が 論にとどまるのではなく、課題に向っている子どもの 行われることが明らかとなった。 姿が、運動の中心的なおもしろさと設定した「ラート を操ったりラートに操られたりする中でラートの動き に応じた身体操作をすること」や身体技法として設定 されていた「ラートの軸と身体の重心の位置関係によ ― 215― 加 納 岳 拓 佐藤 【注及び引用・参考文献】 学(2012)岩波ブックレット No. 842 学校を改革す る-学びの共同体の構想と実践.岩波書店,pp. 40-41. 注: 岡野・山本(2012)によると、「運動の中心的なおもし 田尻さやか・西口 ろさ」とは、取り上げようとする運動とは「何か(概念)」 に相当し、その運動の Aut he nt i c (真正な・本物の)なお もしろさであり、「身体技法」とは、取り上げようとする 守(2013)保育実践におけるエピソード 記述の意義について-学生は何をリアルに描き出そうとし ているのか-.東京家政学院大学紀要,53:9-21. 矢戸幹也・岡野 昇(2012)体育における協同的な学びに関 運動の「何を(目的)」に相当し、その「運動の中心的な する実践的研究:小学校 5年生の短距離走・リレーを対象 おもしろさ (文化的価値)」 に触れる 「運動の最小単位 にして.三重大学教育学部研究紀要,63:231-237. (身体の経験)」である。 柳瀬慶子(2012)「走の運動遊び」における協同的な学びに 関する実践的研究.高田短期大学紀要,30:159-167. 加納岳拓・岡野 昇(2013)跳び箱運動における協同的学び に関する実践的研究.三重大学教育学部研究紀要 教育科 学,64:287-296. 加納岳拓・岡野 昇(2014)跳び箱を使った運動遊びにおけ る環境のデザインに関する研究.三重大学教育実践総合セ ンター紀要,3 4:75-81. 加納岳拓・太田直己・矢戸幹也(2014a)「素早い往復走」 における動きの質の高まりに関する研究.体操研究,11: 20-26. 加納岳拓・岡野 昇・伊藤暢浩(2014b)体育におけるエピ ソード記述の描き方-学びの質的向上を目指して-.三重 大学教育学部研究紀要(教育科学),65:235-243. 川喜田二郎(196 7)発想法 創造性開発のために.中公書房. 後藤洋子(2010)保健体育授業の教材として導入したラート 運動について.平成 21年度文部科学省 ログラム 大学教育・学生支援事業 大学教育推進プ 隣接学校園との連携 を核とした教育モデル-多様な教育課題に対応できる教員 養成を目指して-.国立大学法人三重大学教育学部 地域 連携室,p. 80. 鯨岡 峻(2005)エピソード記述入門-実践と質的研究のた めに-.東京大学出版社. 鯨岡 峻(2009)エピソード記述を通して保育の質を高める (2.保育フォーラム,保育の質を高める記録,第 3部 保 育の歩み(その 2)).保育学研究,47 (2):237-238. 鯨岡 峻(2013)なぜエピソード記述なのか-「接面」の心 理学のために-.東京大学出版会社,pp. 36. 文部科学省(200 8)中学校学習指導要領解説 保健体育編, 東山書房,pp. 29-34. 岡花祈一郎(2010)「エピソード記述」による幼児理解に関 する研究-保育内容言葉との関連を中心に-.広島大学大 学院教育学研究科紀要 岡野 第三部,59:153-159. 昇・山本裕二(2012)関係論的アプローチによる体育 の授業デザイン.学校教育研究,27:80-92. 岡野 昇・加納岳拓(2013)体育の「協同的学び」における 教師の言語活動.広島大学附属小学校 学校教育研究会・ 学校教,1147:6-11. 岡野 昇・山本裕二・内田めぐみ・加納岳拓(2013)体育の 協同的学びにおける運動技能の発達過程.スポーツ健康科 学研究,35:8 9-97. 佐藤 学・岩川直樹・秋田喜代美(1991)教師の実践的思考 様式に関する研究(1):熟練教師と初任教師のモニタリン グの比較を中心に.東京大学教育学部紀要.30巻:177- 198. ― 216―
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