「芋こじ」の精神で 自分を大切にできる子 共に生きる子 山元の子

自分を大切にできる子 共に生きる子 山元の子
学校長 大塚 俊明
「芋こじ」の精神で
北国では、例年にない大雪に見舞われたこの冬でしたが、桜の開花は思いのほか
早く、進級の喜びにあふれる子どもたちを一足先にお祝いしてくれたようです。
4月を迎え、この山元小学校では、一つずつ学年のあがった在校生に、44 名の
かわいい新1年生が加わり、平成 27 年度の第一歩を踏み出すことになります。保
護者、地域の皆様にはこれまで同様のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げ
ます。
先日、教育関係者の講演会で「いも(芋)こじ」という言葉を耳にしました。
「芋こじ」とは、桶の中にサトイモと水を入れて、そこに長い板を入れてこじることで里芋の
皮をむく方法です。桶に突っ込んだ板で具合よくかき混ぜると、桶の中で芋と芋がぶつかって、
どの芋も傷つかずにきれいになります。転じて、対話や話合いを通して、人が互いに磨き合う教
育のあり方をも指すようになりました。
「芋こじ」を学校教育に当てはめると、桶は教室あるいは学校という空間です。サトイモ一つ
ひとつが、一人ひとりの子どもたちです。そして、長い板が私たち指導者です。
「芋こじ」は、板(教師)で芋をこするのではなく、板によって動かされた芋が互いにこすり
あって磨きをかけていきます。芋こじからイメージする学習は、一人ひとりの疑問や問題を大切
にし、対話や話合いを通して自分の考えを深めていく学習です。
人間は一人ひとり良さを持っている存在です。それを互いに見つけ磨き合っていく場こそ授業
と考えたいものです。その過程では、
「A さんはすごい考えを持っているな」とか「B さんは意外
にやさしいところがあるぞ」など、友だちのよさを発見していくこともできます。自分の考えを
見直すきっかけも与えてくれます。そういう桶(教室)の中で、子どもたちが互いに尊重し合う
関係性を育てていきたいと思います。
山元小学校が、誰もが安心して豊かに過ごせる学校に一歩でも近づけるように、私たちも、子
どもたちの興味や意欲に即した指導を心していきたいと考えております。
「芋こじ」のお話は、そ
のヒントを与えてくれました。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。
山元小学校 学校教育目標
自分を大切にできる子 共に生きる子 山元の子
〈横浜市の5つの観点からみた具体目標〉
【知】自ら問題をもち、意欲的に学び続ける子ども
・友だちの考えをしっかり聞く子ども
・自分の言葉で考え表現する子ども
・粘り強く学習に取り組む子ども
【徳】やさしく朗らかな子ども
・仲間を大切にするやさしい子ども
・進んで挨拶をする朗らかな子ども
・約束を守る子ども
【体】自分の体を大切にする子ども
・健康に過ごすための習慣を大切にする子ども
・運動に親しんでいる子ども
【公】
「身の回りの人や学校・地域に役立とう」と行動できる子ども
【開】様々な人々との出会いを大切にし、進んで関わることができる子ども
携帯電話(スマートフォン等)について
神奈川県警察が発行する資料「STOP! THE 少年非行」に、青少年保護育成条例が明記されています。例え
ば・・・
「18歳未満の青少年が利用する携帯電話には、保護者が理由を記載した書面を提出しない限り、フィルタリ
ングを設定しなければならない」
・・・いかにインターネットと連動する携帯電話が怖いか、ということが分かります。
匿名性を利用した「事件」も後を絶ちません。いつ子どもたちが当事者になってもおかしくないといえます。学校で
は6年生を対象とした「携帯・スマホ等安全教室」を実施しておりますが、問題防止に向けた指導をご家庭でもよろし
くお願いいたします。