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研究テーマ
「教科の基礎・基本の定着を促すための学習活動のあり方」
B類型(知的障害教育代替)テーマ
「一人一人の児童生徒のニーズや課題を達成させるための
学習活動の設定と評価」
∼個別の指導計画の効果的な活用と深化を目指して∼
青森県立八戸第一養護学校 B類型
個のニーズや課題から出発したものを,教科の
目標・内容と関連させ,必要に応じて教科の内容
を重点化・再編成したり,指導方法や評価を工夫
したりしながら,教師の共通理解のもとで指導し
ていくことにより,教科の基礎・基本が定着して
いくのではないか。
計 画
実 施
評 価
B類型の児童生徒一人一人の教科の基礎・基本
「児童生徒個々の実態から導き出された生きる力を
身につけるためのニーズや課題」
問 題 点
・指導は,主に児童生徒の性格面や行動面,生活面
に焦点があてられ,「教科」という観点が不足し
ていた。
・評価については,実施記録にとどまっており,何
がどこまでできるようになっているのかという学
習の積み重ねがみえず,客観性にも欠けていた。
B類型 研究の内容
1 個別の指導計画作成システム
・課題設定の観点
・診断的評価の方法
・課題設定と指導目標の重点化
・指導の形態の検討,年間指導計画の作成と実践
2 B類型(知的障害教育代替)における評価のあり方
・授業や単元の評価
・指導目標の修正
・年度末の評価
個別の指導計画
B類型の研究の流れ
手だて
実態関連図
中心課題・基礎課題・発展課題
★KJ法などを活用した
ケース会の実施
★心理検査
★日常生活場面での
行動観察
★保護者の要望
★各学部の観点
★新しい教育観
学習指導要領(小・中・高)
指導目標の重点化
年間目標・評価表
年間指導計画・単元指導計画
評価の規準・基準
指導目標の修正
年度末の評価
★指導の形態の検討
★内容選択シートの
活用
★6歳までの認知発
達(小学部試案)の
活用
★観点別評価規準の
活用と評価基準の作
成
知的障害養護学校学習指
導要領の評価規準を独自
に作成
1 個別の指導計画作成システム
中 心 課 題
(1) 基 礎 課 題 の設定 発 展 課 題
①実態関連図
②心理検査
③各学部の観点
④保護者の要望
1 個別の指導計画作成システム
KJ法を活用
複数の教員に
よる話し合い
1 個別の指導計画作成システム
小学部
・児童の成長・発達の可能性を最大限に伸ばすため,幅
広く児童のニーズや課題を受け止めて,目標を設定す
る。
中学部
・小学部の学習の成果や課題を受け継ぎながら課題を精
選し,生活年齢に応じた学習の広げ方や,それぞれの
生徒がもつ長所の生かし方を考え,目標を設定する。
高等部
・進路(将来)を見据え,社会生活の中でのニーズを受
け止めながら,小,中学部で培ってきた力を実生活の
中で効果的に活用する方法を考え, 目標を設定する。
1 個別の指導計画作成システム
<中心課題>
<発展課題>
興味や関心を拡げ,イメージする力
を豊かにする。
言葉や数の理解を広げ,生活の中
で使うことができる。
現在の最重要課題
3年後に目指す課題
[基礎課題]
・好きな遊びやできることを
増やす。
・ものの名称や概念を増や
す。
・よく見聞きし,一日の流れ
に具体的な見通しをもつ。
・いろいろな教師や友達とか
かわる。
・ものをよく見て操作する力
を高める。
中心課題達成のため
に必要な課題
◇自分の気持ちや要求を適切
な言葉で相手に伝える。
◇数量がわかり具体物を使っ
て操作することができる。
◇身の回りのいろいろな文字
を読む。
◇ワープロやパソコン等で簡
単な語句を作る。
1 個別の指導計画作成システム
年間目標・評価表
(2) の作成 年間指導計画
①学習指導要領
②内容選択シート(小学部試案)
③指導の形態の検討
④6歳までの認知発達(小学部試案)
(1) 中心課題,基礎課題,発展課題
1 個別の指導計画作成システム
平成14年度 個別の年間目標・評価表
小学部 4年 8 組 城内 貴嗣
中心課題
興 味 や 関 心
を拡 げ, イ
メー ジす る
力を 豊か に
する
<基礎課題>
A .好 きな 遊び
やで きる こ
とを増やす
B .もの の名 前
や概 念を 増
やす。
C .よく 見聞 き
し一 日の 流
れに 具体 的
な見 通し を
もつ。
D .いろいろな
教師 や友 達
と か か わ
る。
E. ものをよく
見て 操作 す
る力 を高 め
る。
年間目標および課題との関連
C
D
C
D
①見たこと,聞いたこと,遊んだことなど
を簡単な言葉で話すことができる。
②集団活動の中で簡単な係活動をすること
ができる。
A ③教師と一緒に簡単な買い物をし,金銭の
B 取り扱いに関心をもつ。
B ④身近な自然に触れ,自然や生き物に関心
をもつ。
B ⑤家族や学校の内外,近所の店などに関心
をもつ。
B ⑥自分の意思や見聞き,体験したことなど
C を簡単な言葉で相手に伝えることができる
B ⑦身近なものの名前のひらがなやものの名
称,活動を知り,語彙を増やす。
B ⑧一対一対応で数の多少がわかったり,も
E のを用途,機能等で分類したりすることが
できる。
B ⑨ものの大小や多少,重い軽いなどの違い
E に気付く。
B ⑩基 本的な図 形や簡 単な図 表に関心 をも
E つ。
B ⑪朝,昼,晩の違いに気付いたり,
「きのう」
C 「きょう」
「あした」の区別をする。
A
E
A
⑫いろいろなおもちゃや楽器を鳴らしたり
して楽しむ。
⑬好きな歌の旋律の一部分を楽しく歌う。
A
B
⑭見たこと,見えるものを自分なりに表現
したり,いろいろな素材に触れることを楽
しむ。
⑮体を動かして,運動したり遊んだりする
ことを楽しむ。
⑯活動に見通しをもつたり,状況の変化を
推測したりして,安心して活動に参加する
ことができる。
⑰諸感覚を活用して的確なイメージや概念
をもつ。
⑱姿勢を保持しながら,手を使ってものを
操作することができる。
A
C
B
E
指導者 熊谷 健
各教科・領
達成のめやす
各教科・領域
域との関連
+・±・−
+・±・−
日常生活の
指導
+・±・−
+・±・−
+・±・−
+・±・−
生活単元
学習
+・±・−
+・±・−
+・±・−
国語・算数
+・±・−
+・±・−
+・±・−
+・±・−
音楽
+・±・−
+・±・−
体育
+・±・−
+・±・−
自立活動
+・±・−
2 評価のあり方
(1)
(1) 授業や単元の評価
授業や単元の評価
(2)
(2) 指導目標の修正
指導目標の修正
(3)
(3) 年度末の評価
年度末の評価
2 評価のあり方
・絶対評価と観点別評価による学習状況の分析的評価
・到達度評価と,学年を追って積み上げた指導内容の把握
・学習指導要領に基づき,一人一人の目標を設定し,その
評価を実施
・各教科の評価規準の作成と,評価基準,評価方法の検討
「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」の4つの観点
から,各教科毎に観点を検討し,評価規準を作成
2 評価のあり方
授業における評価の方法
1.単元(題材)における目標を設定
1.単元(題材)における目標を設定
2.本時の目標を設定
2.本時の目標を設定
3.評価規準をもとに,観点別目標を設定
3.評価規準をもとに,観点別目標を設定
4.評価基準を設定
4.評価基準を設定
(どの程度の達成度をもって評価するのか)
(どの程度の達成度をもって評価するのか)
◎:目標以上のことが達成できたレベル
◎:目標以上のことが達成できたレベル
○:目標を達成したレベル
○:目標を達成したレベル
△:目標達成には至らず,現在と同じレベル
△:目標達成には至らず,現在と同じレベル
2 評価のあり方
・授業研究を通して,目標,指導内容,中心課題・基礎課題
・発展課題を修正
・教員の自己点検,自己評価
・総括的評価のあり方
・「年間目標・評価表」の活用方法
・諸様式の検討
まとめと今後の課題
1.各学部の観点を押さえた小学部・中学部・高等部の一貫性が図られるよう
になった。
→個別の指導計画作成システムの浸透と,小学部・中学部・高等部の一貫
性のある教育の推進。
2.学習指導要領を踏まえた指導目標・内容を設定することができた。
→知的障害者を教育する養護学校学習指導要領各教科の内容理解の深化。
3.評価に客観性をもたせることができ,指導と評価の一体化を図ることがで
きた。
→観点別評価基準作成方法の検討と評価方法・実践の累積。
4. 目標を達成させるため,指導の形態を深く検討することができた。
→教科別の指導,領域・教科を合わせた指導,自立活動,総合的な学習の
時間の指導内容や関連の整理。